エンジニアの代理人制度

注意書き

まず前提として訂正しないといけないのだがここでいうエンジニアというのはボク自身を含むWeb系のエンジニアを想定している。
エンジニアとだけ書くと主語がでかいと叩かれるが他のエンジニアがぼくと同じ思いを抱いているのかどうかは知らないため敢えてタイトルに修正は加えていない。

問題提起

よくニュースなどで有名なサッカー選手や野球選手の代理人が年俸や待遇について話す事があると思うのだけど
会社などで定期的、もしくは不定期的に給与や待遇、その他改善などを話す際にだいたい上司と自身の1on1になることが多いと思う。
多くの会社などで行われるいわゆる人事査定のことだ。
ここ数年このシステムに対してぼくは色々と思うところがあった。

例えば給与面。
ぼくは独身で、生活する分には不自由するような給与をもらっているため
いつも上司などから「給与面などで要望はありませんか?」と言われてもだいたい「ない」と即答している。

そもそも自身の技術力が突出しているわけでないことは自覚しているため
具体的に今の給与が妥当であるのか、そうでないのかさっぱりわからないのだ。
そりゃ給与が上がると嬉しいのだが、どこがどう評価されて上がり、そしてその価値が正しいのか?が全くわからない。

会社側はこれこれこうだから給与を1万円上げますよ、という報告はしてくれてもそれが妥当である保証がないのだ。
ここに対してぼくは疑問を持ってしまうのだ。
例えば転職であった場合ならばどうか?
これに関しては非常に簡単で前職の給与が基準となる。
少なくともぼくの場合は前職と同じくらい貰えれば特に不満を抱いたことはないし特に疑問を持ったこともない。

閑話

知人に1人だけ「転職時に失敗して給与が低くなってしまった、もっと交渉して上げてもらうべきだった」
という人がいたがぼく自身が知っているのはその人だけだ。

ちなみにこの知人のぼくの印象としてはお金に対してシビア、悪くいってしまえばガメついというものだったので
会社側が意図して低くした、前職よりも下げたというよりは
この知人が要求した金額が大きすぎたため、結果下がってしまったのではないかと考えている。
真実はその知人のみぞ知るところであるが。

復帰、もしくは閑話休題

とにかくこの自身という商品に対して正当な値付けがされてほしいとボクが思うのも無理からぬ事だと思う。
(その結果給与が下がる結果になったとしてもボク自身は良いと考えている、問題点の改善と能力向上のためのモチベーションになると考えているからだ。)

それにこの手の問題の1つに対応者が上司である、ということがあるといえる。
上司に対して「給与を上げろ!」とは中々言いにくい面があるのは否定できない要素だ。

環境の改善などはここが上手くいっていないため改善して欲しいなどの要望としてまだ上げやすかろうと思う。
もちろんそういうことすらも言えない、言いにくいと感じる人は一定数いるだろうけども。

だからといって技術的知識の乏しい人事に査定され、表面的な事柄だけで給与を左右されるのも面白くないだろう。

ようやく本題

そこで代理人制度の登場である。

多くの場合、この手の査定は定期的に行われており、またそのスパンは早くとも四半期から半年くらいで行われているものだと思う。
その特定の時期が近づくとぼくたちは代理人に不満に思っていること、給与を上げて欲しいことなどの要望を伝える。
その代理人が上司と話し合い、実績などを考慮し折り合いをつける…。
というような仕組みがあると非常に助かるのではないかと思ったのだ。

代理人が多くのクライアントを抱えているならばボク自身の資産価値を見出し
現状の給与が低い、あるいは上げる価値があるなどのアドバイスをしてくれるかもしれない。

そのようなアドバイスがあればぼくも「もしかすると今の給与は低いのではないか?」と感じるかもしれない。
また第三者を通すことで思っていること、感じていることを忌憚なく話せるのではないかと思う。
どうしても対面で話す場合、相手の立場や状況を鑑みてしまうケースというのはままあることだと思う。
第三者である代理人にはそのようなことは関係ないためクライアントであるぼくの意向を汲み
要望を請求、意見のすり合わせを行ってくれるだろうと考えている。

この考えに一番近いのは転職エージェントのようなものだと考えている。
ただ、ぼくはこれらのサービスを使ったことがない。

これは「信頼のおけない人間に任せられない」という点から利用したことがないのだ。
この問題は代理人制度が実現しても発生し得る内容ではあるがその場合は契約を打ち切り
別の担当者に変えてもらうなどすればいいのではないかと思っている。
また転職のように短期間ではなく長期的に付き合うことになるため
担当者が変わったとしてもどういった要望をしてきたのか?などの情報が残ることで
ある程度の助けになるのではないかと考えている。
少なくとも転職エージェントよりは信頼がおけるのではないかなぁとボク自身は考えている。

もちろんクックパッドのような1on1ミーティングをより短くスパン(例えば隔週など)で行い
社員の不満をより早く、より迅速にキャッチアップしている会社や取り組みもあると思う。
そうであるならば、このような制度は必要ないかもしれないとは思う。

おしまい

恐らくぼくが今妄想しているようなことは最善のケースなのだろう。

実際にはその代理人は怠け者かもしれない、あるいはクライアントの数が多く流れ作業のようになってしまうかもしれない。
他にも技術的内容や環境の改善などを求めてもそれらをきちんと理解していない可能性もある。

そういったリスクは当然あるものだとは思うが今現在までの状態よりは多少なりともマシであるように思える。

これらのサービスがすでに欧米などで実施されてそうなもんだがなぁとふと思ったが そもそも彼らはある意味で「自身の欲するところに素直」なため、こういった問題は起こりにくいのかもしれない。 主張の激しくない日本人特有の問題なのだろうか、まぁいい。

もしこの制度が実際に採用されたら
査定のためにコーディング中の思考やDB設計やクラス設計などを考えている際に
思考を中断し、査定後に査定前になにを行っていたのか思い出すという煩わしさからも解放されるのが個人的には一番うれしいかもしれない。

ということでどっかの転職エージェントさん、この代理人制度採用してくれたりしませんかね?
もしくはすでに似たようなサービスがあるよ!とかあったら教えてください。