おうさまのみみはロバのみみ

ネット上での木の洞

いまさら翼といわれても

はじめに

読了した。 一応ネタバレしない範囲でレビューを書いておこうと思う。

今作も古典部シリーズらしい若々しさと苦さの絶妙なバランスが取れたいい屈託だった。 今回も「青春は、やさしいだけじゃない。 痛い、だけでもない 」のフレーズそのままな展開やストーリー。 このフレーズを考えた人ホントすごい。

全体的に古典部ワールドが展開されて非常に楽しめたのだけどもその中でも特に気に入ったのが以下の2章。

わたしたちの伝説の一冊

伊原摩耶花が主役の珍しい章。

本作には摩耶花が主役となる章が2つあるのだがその中でも、あるいは今まででもっとも伊原摩耶花を感じることが出来たお話しでもあった。 ぼく個人は伊原摩耶花は実はあまり好きでないキャラクターなのだが今作ではそんなことは全く関係ないほどのめり込んだ。 多分自身の置かれている状態や環境なんかに感じ入るものがあったのだと思う。

エンジニアやクリエイター、デザイナーなどのクリエイティブに関わる職業はもちろん、かつて漫画家などに憧れた人にもかなり刺さる内容になっていると思う。 特に章末の展開は思わず自分と伊原摩耶花をダブらせてしまう感じがとても屈託した気持ちにさせられる。 とにかくこれを読んだあとのぼくの素直な気持ちとしては「あーぼくも頑張らないといけないな、(以下小説を読んで補完してください)」

古典部シリーズではクドリャフカの順番がぼくの中では一番好きなんだけどもそれに次いで好きになった。 1冊丸々と章単位なので比較対象としてはおかしいという指摘が来そうだけどもいまさら翼といわれても自体がクドリャフカの順番の次に好きなので大筋では問題ないのでいいのだ!

長い休日

折木奉太郎が主役なのだが何故、折木奉太郎が省エネ主義を標榜するようになったのかが記された面白い章。 ぼくは省エネ主義なのではなくて、ただのものぐさ、面倒くさがりでしかないのだけども この章で語られた折木奉太郎が遭遇したちょっとした事件で感じた気持ちに共感してしまうところがあって もしかしたらぼくが面倒くさがりなのもこういう気持ちをどこか心の奥底で感じているからなのかもしれないなぁと思った、多分違うけど。

章の初めと終わりで全く折木奉太郎という人物に対する気持ちや思いがガラッと変わって感じることが出来る。 やはり省エネ主義に至るクンフーがぼくには足りていない、頑張ろう…。

まとめ

本作も本作で実に屈託という気持ちを表現したいい小説であり読み応えのある内容になっているように感じた。 一方、ミステリ小説としては謎解き部分が元々物足りなさを感じる結果となった。 とはいえ古典部シリーズ自体が謎解きに関しては少々物足りないようにぼくには感じられていたので特別これがひどかったというわけではないと思う。 ただ古典部シリーズの中でも薄めな分キャラクターを掘り下げていたように感じたので然程不満を感じることはなかった。 思い返してみれば、いつもより薄めな謎解きだったな…と感じる程度のものだ。

それよりは続編が気になって仕方ない最後だったので早く、早く続きを読ませてくれ!!! 一体このあと奉太郎はどうなったんだ、伊原は某氏とどうなったのだ!そして千反田えるは?!!! …福部里志は今作、完全に脇役に徹しているというか空気です。 いや存在感がないわけではないんだけども目立たないことおびただしい感じ、福部里志が好きなぼくとしては悲しい結果なので次作ではリベンジして欲しい。

あ、あと現在無職なので今回からレビュー対象のリンクがアフィリエイト込みのものに変わっています。 もし、「あ、この小説気になってたけど面白かったのか。じゃあ買ってやろうかな?」とか思ってくれたらそちらからチャリンチャリンしてくれると ぼくがまた別の小説を読む資金源になって大喜びするので是非ともご協力をお願いしたいところでございます。

多分次に読むのは↓のどれかになるんじゃないかなぁ…。 他にもお勧めな小説とかあれば教えてくだされ。