やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

まだ読んでいる途中だが面白いので途中経過を書いておく。

特に面白いと感じたのは以下の2点。

  • 「情熱」と「熱心さ・熱中度」は異なるという考え方
    • 著者がいうには「情熱」と表現するのは間違いかもしれないとある、恐らくその考えは正しい
  • 同じ才能を持った人間を評価する場合に殆どの人間は「努力」ではなく「才能」を評価する傾向にある
    • 同一人物のプロフィールをスタートアップ経営者や投資家に紹介する際に「努力」して現在の能力を手に入れたケースと「才能」によって現在の能力を得たことを説明した場合能力値が全く同じであったとしてもほとんどの人が後者を選択したという話しが面白かった。

まだ序盤しか読んでいないのだがやり抜く力を可視化するための採点表があるなどあって面白い。 またやり抜く力と才能には関連性があるとぼくは考えていたし、著者やその関係者もそう考えていたが実際にはそのような関連性はなかったということが証明されていると言う話だった。

才能がある人間のほうが成功体験が強烈なのでやり抜く力が強いと思っていたが本著ではやり抜く力 = 粘り強さ + 情熱であると説明されている。

成功した人間は誰しもが才能ではなく努力によって成功を納めている…というのは情報が氾濫している現在では当たり前のように語られていると思う。 とはいえ、「頭ではわかっていても理解は出来ない」の典型例だとも感じている。 本著ではその内容に一歩踏み込んだ形となっている。

まだ読んでいる最中だがどうすれば粘り強くなるのか、どうすれば情熱を高い位置で維持できるのかなどのHowToの部分に関しては恐らく今後語られると思うので非常に楽しんで読ませてもらっている。

2017/04/13追記

ようやくのことで読了した。 メモを取った数と文字数が恐らく過去最高になった。

結論からいってしまうと「やり抜く力」を強化する方法に関する内容はかなり曖昧な書き方がされている。 これはまだきちんとした科学的検証を経ていないからだと思うがこれを期待して本著を読むと裏切られたように感じるかもしれない。

ただそれをもって本著を無価値であると断じるのは些か早計だとぼくは思う。 本著は全体を大きく3つのパートにわけて説明をしている。

その中でぼくが特に響いたものを書き出すと↓のようになる。 (以前書いたものと重複していると思うので後々修正するかもしれないし、しないかもしれない。)

  • P.43 同じ能力なら「努力家」よりも「天才」を評価してしまう
  • P.70 才能努力=スキル、スキル努力=達成
    • 達人になるための達成を得るためには努力が2度必要になるという方程式が成り立つ(と著者は結論づけている)
  • P.78 「才能とスキルは別物だとハッキリ認識する必要がある」
    • これは才能があってもスキルがない、あるいはスキルはあるが才能がないなどのケースをきちんと認識するということ。
  • P.80 「ものすごく頑張る」のは「やり抜く力」とは違う
  • P.85 「情熱」≠「夢中・熱中」、情熱は「1つのことにじっくりと長い間取り組む姿勢」であり、精神的な「熱心さ」ではない
  • P.87 「君には人生哲学がありますか?」
    • 「あなたは人生で何をしたいのか?」という意味合いでの問い。これは考えたことがなかった、本著によると大目的がなければいくら中目的や小目的を立てても効果的でないと説明されている。
    • 今までのぼくはずっと中目的や小目的を立てていたことになる。
  • P.92 高い目標を掲げることで短期的には良い気分になれる。しかし長期的には達成できなかった失望感に苛まされることになる。
  • P.95 1.仕事の目標を25個紙に書き出す 2. もっとも重要な目標に5つ丸をつける 3. 丸をつけなかった目標を覚えておき絶対に関わらないようにする
    • このあたりの話しはDeepWorkにも出てきた。選択と集中を意識的に行えということだと理解している。
  • P.133 自分の弱点をはっきりと認識し、それを克服するための努力を繰り返し、何年も続けなければいけない
  • P.180 「意図的な練習」が出来るのは最大1時間で、そのあと必ず休憩を入れる。
    • これまたDeepWorkでも同じことが書かれていた。
  • P.322 「勤勉さ」は練習によって身につけられる
    • 方法は2つあり、自分自身の内側から伸ばす方法と他人や環境によって伸ばしてもらう方法。後者のほうが簡単であり、前者は難しい。
    • 具体的な方法に関しては本著のP.325に書かれている。
  • P.330 文化とは根本的には人々の集団に見られる共通の行動規範や価値観のことだ。言い換えれば、人々が明確な理由をもって「自分たちはこういうやり方でいこう!」という同意のもとに集まるところには独自の文化が存在する。そのような集団を「内集団」と呼ぶ。
    • 例えばサッカーの「レアルマドリード」の選手は自分はただのフットボール選手ではなく「レアルマドリード」だと思っている(実際はアメフトのチームだったがわかりにくいかもと思い変えた。チーム名は適宜自分の脳内で変換してほしい)
    • これは体感的にも非常に理解できる。良い会社で働いていたときぼくはWebエンジニアではなく会社の一部、あるいはそれそのものであるように意識していたように思う。

まとめ

いくつか衝撃的な考えだったり、自身も感じていたことや考えていたことの補強や明文化がされ学びがあった。 具体的に「やり抜く力」を鍛える方法を単純に求めて手に取ったが意外と良かったように思う。 いろいろなことを考えさせてくれるので会社などにおいてあってもいいかもしれない。

あと「粘り強さ」や「情熱」を測るグリッドシートは人事評価や入社対象のかたにやってもらうとどういう人物であるのか?やどういうことを考えているのかのヒントになるんじゃないかと思うので割りとよい指標なように感じた。