会社員をしながら副業をしようとするひとへ

タイトルは釣り気味だ、期待したひとはすまない。

最近会社員+副業をしていて感じたことなどを書いておこうと思う。 ちなみにぼくが副業にジョインしようと思ったのはいくつか理由があるが主に↓の理由が大きい

  • 将来的にフリーランスや起業したり、スタートアップで働くときの良い経験になりそう
  • リモートワークを体験したかった
  • プロダクトに対するビジョンに共感した(社会的課題とその解決策やアプローチに魅力があった)

時間的な束縛が(想像以上に)きつい

これはある意味で想定外だったのだけど時間的な束縛が結構きつい。 これは副業先から求められているわけではないし、本業側の業務時間が長い…というわけではなく「自分が考えている以上に自分だけの時間が取れない」ということだ。

ぼくは副業先との契約が「週10時間勤務の時給制」で契約している、就労形態というのかわからないがだいたいリモートでコミットしている。たまに事務所に出向いて3〜5時間ほど事務所でやり取りしたりコード書いたりすることがある感じだ。

さて、本業の会社の情報も書いておかないといけないと思うので書いておくと本業先はフレックスタイム制を採用している。 エンジニア職はコアタイムに会社にいればOKという緩い感じの出勤形態なのでだいたい9:30~18:30で働いている。 その後、家に帰ってくるのが19:00、19:30とかそれくらいになるのでそこからご飯を食べてお風呂に入って〜とかやってるとすぐさま21時くらいになっている。 その後で2〜3時間ほど副業のコードを書いたり設計をしたりしている。

当初は土日に10時間働けばいいかーと考えていたが結構これが難しかった。 恐らく一人暮らしなら可能だと思うがいまのぼくは実家に寄生している身なので家族から「あれやってほしい」とか集中力を阻害するノイズが結構発生する。 結果として自宅で10時間、副業に専念するという環境が整えられなかった。

またエンジニアとして自習する時間の捻出が非常に難しくなった。 技術書を読む時間やTechブログを読む時間、コードを書く時間などがガリガリ削られていてなかなかこのバランスを保つのが難しい。 どうしても勉強出来ない、する時間が捻出できないというのが結構ストレスになる部分がある。 これは完全に想定していないストレスだった。

今にして思えば「土日のどちらかにn時間コミットする」というような形で就労契約を結んだほうが良かったかもしれない。 特定の曜日に限定してしまえばうだうだ考えることもないし予定がある場合はその旨を伝えればいいだけだ。 毎回「次回作業日はいついつの予定です」というやりとりが面倒くさいなと思うようになった。

コンテキストスイッチの切り替えコストが結構高い

使っているフレームワークやバージョンなどの違いがあるためコンテキストの切り替えコストが思った以上に高い。 今のところ致命的な問題は発生していないがコーディング規約的な部分で微妙に異なるところがあって 注意しないとたまにそういう些細な部分の引っ掛かりが起こってストレスが溜まることがある。

go fmtみたいな機能が全ての言語に標準で実装されてほしい、うがー!!!

技術的パラダイム

副業先がスタートアップと言うかベンチャーというのかわからないが 少数精鋭のフリーランスがリモートワークでサービスを開発したという経緯もあって非常にモダンな環境で構築されていて非常に学びがある。 リモートワークで働く人が多いため、READMEなどの情報共有や最適化が進んでいるように感じた。 これはそれらを整理してくれたエンジニアの嗜好もあるとは思うが副業を開始したその日から実際にコミットできるように環境が整えられていて感動した。

本業で学び得る技術体系とは別のストリームに触れる機会が単純に増える。 相互作用する部分があるのでどちらにも良い影響が発生する部分がある。

ツールが混在する

本業と副業で使っているツールが同じなためそこそこ面倒なケースがある。 SlackだったりBitbucketだったり。

基本的に本業の会社では会社から支給されているMacBookProで仕事をしているのですごく困るわけではない。 …が「投稿先を間違ってしまうのではないか?」という不安がちょいちょい発生する。 本質的でないところで疲弊している感じがしてすごく無駄に感じる。

アウトプットが求められる

これは会社で働く以上に副業では求められている。 いつ作業をするか、どれくらい作業をしたのか、時間単位でそのコミットメントは十分な成果なのか?などなど やはりリモートワークだと会社で働くとき以上に気を払う必要がある。

自分に対する成果報酬の設定がわからない

副業先の給与計算は時給なのだけどいざ契約しようという話しになったときに「そういえば給与はどうしますか?」と聞かれて困った。 mizchi氏がフリーランスになる際に「お前は名前が売れているので安く売るな」みたいなことを言われたという話しを見ていて 「そうそう、君たちみたいなスターエンジニアは安売りしちゃいかんよ!」とか思ってたがいざ自分で自分の値段をつけろと言われるとなかなか困った。

なので副業を始めるなら最低限これくらいは必要でそれが払えない場合は応相談という下限や基準値を先に考えておいたほうが良い。 ぼくはとりあえず京都市最低賃金から始めた、これはどれくらいコミットできるかわからないし求められている成果を出せる自信がなかったからだ。 あと成果出しても「給与上げない」ということならそれはそれでぼくのほうで副業先に対して見切りができると考えているからだ。

今のところ給与以外は紳士な対応をしてもらっていて非常に良い環境においてもらっていると認識している。

おわり

だいたいどこかで誰かが書いていたようなことと重複していると思う。

まだ1ヶ月ほどだがいい面も悪い面もあるそれぞれあって当初の目的はすでに達成できたように思う。 あとはもっと成果や結果に結び付けられるようにしていきたいと考えている。

あとこういうことを書くと「あなたは優れたエンジニアだから副業できるのだ」みたいな話しをたまにされるが全く持ってそんなことはない。 ぼくはたまたま就職先を探していたときに副業先が求人していてそこに話しを聞きに行った際に機会を得ることが出来たというだけの話しでしかない。

副業先の提示した給与がぼくが望む金額に達していなかったのでその場で辞退を伝えたのだが「サービスには将来性を感じる、ぼくも同じ問題を解決したいと考えている」というような話しをしたところ「だったら週末のみでいいのでコミットしてくれないか?」ということでジョインする流れになったというだけにすぎない。

なのでもし「副業ってどんなもんじゃろか?」という人はフルコミットが必要でない仕事を探してみるのもいいのではないかと思う。 ボクの場合は運に恵まれた部分が大きいが良い経験をさせてもらっている。 また副業だと本業よりも気軽に参加できるし、何かが違うな?と感じたら辞めるのも本業ほど深刻になりにくい…この辺は契約次第ではあると思うが。