問題の本質は勉強(努力)しているかどうかではないんじゃないか?と思うこと。

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要約すると「プライベートで勉強しないひとがいても自由だけどその因果は自分で払うことになるよ」ということ……で間違っていないと思う。 間違っていたら読解力に難がある人間だったということだ。

この件で大きく気になったことが3つある。

  1. 勉強しない人はエンジニア(技術職)に向いていない
  2. プライベート時間をどう過ごしてもよい、がそれだとキャリアが行き詰まるよ!という主張
  3. アドバイスを求められたときのアプローチが正しくなかったのではないか?

以上、3つの内容を自分の中で整理するつもりで書き出してみる。

1. 勉強しない人はエンジニア(技術職)に向いていない

エンジニア、もしくは技術職に向いていないかどうかというより多分会社組織で働くこと自体に向いていないということではないかと思う。

あいつら働かない!というとよくやり玉に上がるのが公務員だろうと思う、特に地方公務員がその先鋒だろうことが多い。 彼、彼女らは比較的決まったルーチンを決まったとおりに実行し、行政が滞りなく動くよう働いている(はずだ)。

では彼らは決まったルーチンをこなしているので勉強していないのだろうか? ぼくはそうではないと思う。

単純にソフトウェアエンジニアやデザイナーのように目に見える成果が出にくいだけで彼らも勉強しているのではないかと思う。 勉強をしない、を言葉のまま受け取る場合、それは知識のアップデートが行われないだと思う。 であれば条例や法令というのは毎年変わるし、行政のトップが変わることで対応が変わるケースもある。 であれば、彼らも勉強をしていると言えるのではないかと思うわけだ。

なのでそもそも働くということは学び続けるということだと言い換えて相違ないと考えられる。 であるならば「昔とった杵柄」を後生大事にしている人はそもそも働くこと自体に適正がないのだろうというのがぼくの思うところである。 ちなまなくてもわかっていると思うが、働くことの適正はなにも自学するだけではないし、ぼく自身も働く適性は恐ろしく低いと思ってる。

なのでこの件は「勉強しない人はエンジニア(技術職)に向いていない」ではなく「勉強しない人は働く適性が低い」が正しいと思う。 あとこの手の話題がでるたびにTwitterなどで勉強という言葉がよくないのではないか?という意見を見かけるがぼくも全く同意見である。

なんというか勉強という言葉の持つイメージがあまり適切でないかなという気がしている。 努力とかもっとそういう系統の言葉が正しいんじゃないかなー?

会社組織は成果で社員を評価するわけだから件のA氏がとてつもなく優秀で才気溢れる英邁であったのなら努力や勉強をしなくても昔とった杵柄の預貯金だけで戦っていけたのかもしれない。 ところがA氏は残念ながら一般のレベルを逸脱するものではなかったので期待した結果にならなかったということだろうと思う、無念。

2. プライベート時間をどう過ごしてもよい、がそれだとキャリアが行き詰まるよ!という主張

この社長、端的にいってぼくはいけ好かないと感じているのだけど今回も同じ感想を抱いた。 まあそれは個人的感想なのだけど。 ただそう感じるのにも一応理由があって「プライベート時間をどう扱ってもよいですが相対的に勉強しないと評価が下がりますよ」ということに近い発言をされている。

まあ別に間違ったことを言ってるわけではないのだけどこのA氏を雇うときにきちんとこのことを伝えたのだろうか?というのが非常に気になった。 残業ゼロ大いに結構。

でも採用時に「プライベート時間で勉強することを多少なりとも期待しているのでそれがないと相対的な評価が下がることになるけどいいですか?」と伝えていればA氏が無駄に苦悩することはなかったんじゃないかなー?という疑問がある。 そしてなによりもそれは暗に「プライベート時間で勉強をしてください」と言ってるようなものではないか?と感じる点だ。

もしそうであるならば残業ゼロに釣られて有象無象がよってくることによる弊害というような分析はそもそもが間違っているのではないか?ということとそれは大変失礼でかつ不誠実な対応ではないかと思うということだ。 このあたりがぼくがこの社長をいけ好かないと感じる大きな要因なわけだけども。

普通のエンジニアならプライベートな時間を使って勝手にどんどん勉強していきます。

ぼくは技術職しか経験をしていないので他の職種に関してはわからないのですがこれが世の中のスタンダードではないと思いますよ。 またこういうことを思っているならそれはプライベート時間で学習しスキルアップすることを期待しているということなのではないですか? だとするとそれは言ってることと矛盾していませんか?ということが非常にこのエントリが賛否両論をよんでいる所以ではないかと思います。

ぼく自身は「自分が天才であると自惚れられない程度の才能しかなければ自学するしかない、それすらできないならソフトウェアエンジニアを目指すのはミスマッチだと思う」と考えており、 このエントリが主張するところに近いものではあります。

ただプライベート時間をどうするかはあなたの自由です、という薄っぺらく感じる建前に対して不快感を感じているので多分同族嫌悪みたいなものなんだろうとは思います。

どんな職業でも学び続ける日々だと思いますがソフトウェア業界は特にその速度が早いので昔とった杵柄の前提条件がガラリと変わってしまう。 あるいはより簡単ですばやくできることを求められるようになるのでそれが嫌だと少しでも思うならやめておけということです。

会社の経営者としてはそれでは社員がなかなか増えなくて困ることがあるのかもしれませんが。

3. アドバイスを求められたときのアプローチが正しくなかったのではないか?

そもそもA氏はプライベート時間で勉強をしたくないと主張しているわけですがA氏は一体プライベート時間になにをしていたのだろうか? そして何故技術職であるエンジニア(恐らくソフトウェアエンジニアと思われる職種)を希望したのだろうか?

もしかするとA氏は弁護士免許を取得するために勉強をしていたのかもしれない。 いやいや海外で働くために英語の勉強をしていたのかも知れない。はたまた社会人大学生になるために勉強をしている可能性もある。

あるいは家族に要介護者がいるため、プライベート時間を自由に使えないことも考えられる。 もちろん、それ以外にも単に遊びたい!ひたすら読書にふけりたい、趣味で漫画や小説を書いているなどというものもあるだろうと思う。

それらを踏まえたうえでこの社長はA氏にアドバイスしているのだろうか?というのが非常に気になった。 というのもよほど才能があってもプライベート時間に学習をしなくても周りの成長に追いつかれない人というのは稀だと思う。

そんなことは自明だろうと思うからだ。 であるにもかかわらずA氏はプライベート時間での自学、スキルアップを拒否している。 文章を読むにここまで強固な意思であるならば、恐らく採用時点で明言するしないは別にしてその片鱗を語っている、感じられたのではないかと思う。

まして研修を行ったと文中にあるからにはおそらくは未経験、あるいはそれに近い状態であったと推測される。 であるならばそのことを踏まえてアドバイスした内容が↓だったのか?という気がするのだ。

そこで私は「成長したかったら勉強するしかないんじゃないか?」と普通のことを言いました

これは一部分を抜粋しかのかもしれないけどもA氏が成長に伸び悩み、かつプライベート時間を使っての学習が難しいと仮定したならば 彼、もしくは彼女が期待したのは「業務時間を使った学習時間の確保」だったのではないだろうか?

これは非常に難しい、でも実現できないことはないとぼくは思う。

例えばいま扱っている仕事を1時間、もしくは30分早く終える方法はないか? そうすればこのエントリにある毎日30分の学習時間が捻出できる、A氏はそういったことを期待したのではないかな?と脳内で思い描いていた次第だ。

残業ゼロを目指すというのは残業をしないという数字上の目標を達成するのではなくこういうアプローチを重ねていくことでより効率の良い業務を行うということだとぼくは考えているので なんというか「プライベートで勉強するしかないんじゃない?」というアドバイスはA氏のことを見限ってしまっているように感じられた。

ということで勉強をさせることがアプローチとして正しかったのではなく、如何に業務時間で学習する時間を捻出することができるかを考える。 あるいはそのためにはどうすればいいのかを考えさせるのがアプローチとして妥当だったんじゃないかなというふうに考えていました。

まとめ:

まあそもそも論なんですが会社組織は社員を成果で評価するわけでA氏がきちんと成果をあげているかどうかが重要だったんじゃないかと思います。 人それぞれなので成長なんてしなくてもいい、日々生活するだけのお金がもらえて眼の前の仕事をただこなせればいいという人もいると思いますし、それはそれでいいんじゃないですかね?

ぼくが同僚なら殺したくなるくらいに殺意が湧くので絶対に一緒に働きたくないですが、日々の仕事を卒なくこなしているならばその限りではありませんが。

ただそれを正当に評価できていればいいだけで、勉強するかしないかというのはただの手段の問題だろうと思います。

結果が全てとはいいませんが成果をあげるために勉強したり、努力したり、苦悩しているわけで勉強をするかしないかという軸で議論するのは本筋からズレた議論になってしまっているように感じました。

まあつまり採用をミスったとただの事実をこういうエントリを書くのはあまり関心しないなということです。 それよりは↓みたいなアプローチのほうが誰にとっても幸せであろうということです。

quipper.hatenablog.com

あー働きたくない!

働きたくない!!!

働かずにただ日々を無為に過ごして晴読雨読な日々を満喫したい!!!!!

追記:

最近↓が気になってるので誰かプレゼントしてください。

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