エンジニアの知的生産術 -効率的に学び、整理し、アウトプットする-

読んだ。

この本を読んだ大きな目的としては4つ。

  • 技術書を早く読む技術の向上、もしくは問題の解決
  • モチベーションの維持管理を学ぶことでムラのある管理方法に一定の持続性をもたせる
  • 何を「いま」学ぶべきか?を論理的に行えるようになる学習効率の最大化を図る
  • 大学に入り直すべきか?という学歴コンプレックスに端を発する欲求に区切りをつける

更にいうなら、この中で重要視すべきは読む速度の向上とモチベーションの管理方法を改善するのがマスト、 なにを学ぶか?と大学に入り直すのは可能であればくらいの気持ちで読み始めた。

感想:

モチベーションに関する管理方法はまだ自分のなかできちんと根を張っていないように感じているが、その他の項目には一定期待した効果を得られたのではないか?と考えている。

モチベーション、つまりはやる気だがその管理の説明は一定納得する部分があるものの根源的にどうやる気を生み出すのか?の部分を解決してくれなかったのでそこを期待していたぼくとしては少々物足りなさを感じる結果となった。

ただ、その維持管理するための方法論や問題点に関しては概ね納得できるものが書いてあったので大きく外しているわけではなさそう。

良かった点:

  • 遅延評価的勉強法ができていないことに気づけた
    • 評判だから、流行っている技術だから、タイトルがキャッチーだからで買ってしまう技術書が多すぎたことに気づいた。
    • いま必要な技術以外に興味を持つのはいいが、数を厳選しないなら単に集中力が分散してしまっているだけになっていると気づけた
  • 読む速度が遅い原因は脳内で音読してしまっていたため、その速度に引きづられてしまっていた
    • 音読する速度以上にならない、小説であればそれでも問題ないが技術書でそれを行う意味がない
  • 今読んでいる本が全て理解しながら読み進めるのがよい技術書とまず全体に目を通してわからないところだけ何度も読み直す技術書のどちらか?というのを気にする必要があることに気づいた。
    • エンジニアの知的生産術は後者だと個人的に思っている。
  • 読んでいる、もしくは読もうとする技術書が「閉じている」本なのか、「開いている」本なのかで読み方を変える必要があることに気づいた。

いまいちだった点:

  • やる気に関する期待したような解答がなかった。
    • ただ書かれた内容がピンポイントで解決してくれなかったからといってその中身が有用でないわけではないが物足りなさを感じた点としてしこりを残した。
  • 説明としては必要と判断されたのだろうけども少々迂遠すぎる説明がところどころにあった
    • あれは省略してもよかったのではないか?という気がしている。

まとめ:

全体的に読むための技術とその際に注意すべき点は大きく改善された、もしくは改善できそうだと感じられた。 但し、やる気に関してぼくが期待したポイントはこの本では示されていなかったため、具体的にどうしなければいけないのかを自分で考える必要がありそう。

これを読むタイミングとしては最も最適なのは実務に関わるようになって半年〜3年目くらいに読むのが一番刺さるんじゃないかと思う。 会社に1冊あると興味がある人が勝手に読むんじゃないか?という気がするので、個人で所有するよりはどこか不特定多数の人が読めるところに置いておきたくなる実用書だった。

ぼくは何度も辞書のように読み返したり、個人的に重要だと感じた書籍は紙媒体で持つようにしているのだけど、そういう文脈でいうとこの本は電子書籍でほしいなと感じた。 重要でない、というよりは読んだ文章に対してメモを書き込みたいという意味あいが強いのと、なにかあるときにふと読み返せるようにしたいという2つの意味で電子書籍版を期待している。