学びを結果に変えるアウトプット大全 (Sanctuary books)
- 作者: 樺沢紫苑
- 出版社/メーカー: サンクチュアリ出版
- 発売日: 2018/08/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読了した。 基本的にはエンジニアの知的生産術と似かよった内容が書かれていたが書かれ方がよりわかりやすくなっていたので失礼な言い方をするならば下位互換といえる書籍だろうと思う。 エンジニアの知的生産術がソフトウェアエンジニアを対象としているのに対し、こちらは特定の職業に限定していない点で読みやすさはこちらの圧勝という感じがする。
エンジニアの知的生産術 ―効率的に学び、整理し、アウトプットする WEB+DB PRESS plus
- 作者: 西尾泰和
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2018/11/14
- メディア: Kindle版
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この本を敢えて手に取った理由だがこれはかなり明確で最近インプット過多気味であるのにそれに比例したアウトプットを出せていないなと感じていたのが発端。 以前から近所の本屋で目立つように置かれていたのだがエンジニアの知的生産術を読んだので恐らくそれ以上には刺さらないだろうと思っていたことから手にとることがなかった。 たまたま時間が30分ほど空いたので目次をパラパラとめくってたところ、印象に残る項目がいくつかあった。
気になった項目は「2週間に3回使った情報は、長期記憶される」「インプットとアウトプットの黄金比は3:7」「ぼんやりが脳の働きを活性化」の3つ。 他にもいくつか気になったものはあったが購入を決意したタイミングはこの3つの項目に注目したからとなる。
読み終えたいま振り返ると多分この本を購入する原動力になったのは、当時アウトプットの量が激減していたがインプットなくしてアウトプットも出来ずどうバランスを取るのか?に関するヒントが欲しかったこと。 もう1つが体感的にインプットよりもアウトプットの比重を多くするほうが学習効率がよいと感じており、その理論的な補強で自分自身を納得させる材料とするためだったように思う。
Kindle版を購入したのでおおよそ1400円前後だったことを考えると元は取れたかなと感じている。 ちょうどこの時期に学習効率を上げるために書かれた本をいくつか買っており、それぞれの共通項目と似ているが微妙に異なる表現や考え方捉え方を読み比べることが出来、これによってある程度効率の良い学習方法とはなんであるか?が自分のなかで道筋がたったように思う。
同じような本を3冊読むとよいと書いていたのはエンジニアの知的生産術だったかそれ以外だったかははっきりとしていないがどこかで見た記憶があるのだが今回はじめてその効果を実感した。 (エンジニアの知的生産術で同じ本を3度読むとよいと書いていたのは記憶している)
今回ぼくが読んだ本は「エンジニアの知的生産術」とこの「アウトプット大全」、そして「たいていのことは20時間で習得できる」という3つの本になる。
- 作者: ジョシュ・カウフマン,土方奈美
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2014/09/20
- メディア: 単行本
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最後の本に関してはTEDの動画でも有名なので本を読まなくてもその動画をみてもいいかもしれない
The first 20 hours -- how to learn anything | Josh Kaufman | TEDxCSU
それぞれターゲットとするところが異なっている。
エンジニアの知的生産術のターゲットは当然ソフトウェアエンジニアとしてより活躍する人を。 たいていのことは20時間で習得できるは出来るだけ時間を書けずにスキルを習得したと言えるレベルを目指す人、つまりは未経験から初心者へのステップアップを目指す人。 そして最後にアウトプット大全はより汎用的なアウトプットの質を高めたい人をターゲットとして設定していると考えている。
それぞれのアプローチが微妙に異なる点があるのはターゲットが異なるためその手段や方法が異なるためなのだが共通項目をいくつかあり、その共通項目は効率の良い学習を行う上で外すことの出来ない必要条件なのだと理解した。
この本でぼくが得られたと感じている点はいくつかあるが購入する際に期待したものはほぼほぼ達成できたと考えている。 一方で想定していなかったが得られたと感じた(というよりは実体験の理論的補強がなされたというほうが近い)こともいくつかあった。
そのうちの1つが「インプット→アウトプット→フィードバック」の体験サイクルを回すというものだ。 独学で困ることの1つにインプットは頑張ればできる、アウトプットに関しても昨今はなんとかなる素地があるが最後のフィードバックに関してはまだまだ整備がされ尽くしてはいないと感じていてこのフィードバックが得られるかどうかが独学におけるハードルの高さを表しているのではないか?と改めて感じさせた。 特にいまは春先なのでプログラミングのオンライン教室などでインプットとアウトプットは出来るようになったがフィードバックが足りていないか、されていない人を見かけることが多いように感じているのも一因としてあると思う。
もう1つ重要なのがアウトプットする時間を区切る、「ブログを書く」ではなく「30分でブログを書く」とコミットメントすることを意識するというものだ。 いままでは趣味レベルのブログなのでそこまで意識せずにいたが確かに文字を書くことも推敲も無限に時間が吸われていくため、この意識がないとアウトプットに対するフットプリントが上がってしまう要因になるなと感じたため、今回のブログを書くに当たり30分以内で書ける範囲を書くという自分の中の制約を作って書いている。 (いまのところ、まだ時間範囲内だが書き始め段階で想定していたタイムキーピングからは少し遅れが生じている。)
最後にこの本ではいくつかSNSに言及する項目が存在する。 その中の文脈に「SNSでは本当に困ったときに助けてくれるひとはいない」や「SNSで匿名や実写でないと現実世界でメリットにならない」というような書かれ方がされており、この点に関してソフトウェアエンジニア界隈が如何に異端な存在であるかということを改めて実感させてくれた。
最近でいうとぼくはGraphQLについて調べていたのだがユーザ認証や制限をかけることをGraphQLでどう扱うのか?がわからず、また他に優先することがあったため、その時間をとることも出来ていなかった。 ところが知人がその困った状況を知ったのか、わざわざブログに内容を書いてくれ、また参考としたTechブログのURLも記載してくれていたため大いに助かった。 この辺りはソフトウェアエンジニアにおけるTwitterという1つのエコサイクルが非常に異端な業態として運用されている好例かなと感じることだった。
もう1つに匿名や実写でないと現実世界にポジティブな影響を及ぼすことが難しいという話しだが最近だとTwitter転職などの話もあり、SNSというのは現実世界と仮想世界をつなぐインターフェイスの1つであると認識されているのだなと思うとかなり面白い現象が発生しているなと感じるきっかけになった。
さて、そろそろ時間なので締めるとするがこの本を手に取ってほしいなと読んでいるときに感じたのは異業種からの転職で若いとは言い難い年齢になっている方、新人でより活躍したいと考えているかたがいいのではないかなと思う。
逆にある程度業界年数が長かったり、すでに初心者の壁は超えられているひとにはエンジニアの知的生産術のほうがよりディープで刺さる内容だと思うのでそちらをオススメしたい。 そんな感じでだいたい30分なのでこれでおしまいとする。 お疲れ様でしたー。