【京都開催】エンジニアリング組織のつくり方とkiitokとときどきマネジメントと。

日付的には昨日になってしまったがSansanさんのイベントに参加してきた。 最近MoneyForwardさんやSansanさん、LINEさんなどの京都ご新規勢が加入したことで少し京都のIT業界が活気づいていて良い。

sansan.connpass.com

参加した動機としては最近「マネージャーの必要性はわかるんだけどそもそもマネージャってなにする人だったっけ?」とか「エンジニアリングマネージャとテックリードがいて違いがあるのはわかるんだけど結構で共通している権限があると思うんだけどそこを明確に線引するのはなんで?」みたいな疑問があったので実際EMとして働いているひとたちに聞いてみたかったという感じです。

個人的に一番面白かったのが id:y_uuki さんの「SREの組織的実践」で最初SREの話しだったのでそっちがメインなのかと思ったら最終的にきちんとエンジニアリングの話に収束していて話の流れとまとめかたがピカイチじゃん!みたいな気持ちになった。 あと話にでていたエントリを明日の朝あたりに読もうと思ってる。

blog.yuuk.io

参加のモチベーションとなった課題の解決は実はまだスッキリとまではいけてなくて多分自分なりに噛み砕いて消化する必要があると思ってる。 この辺りはぼく個人の問題なので他社事例みてもあまり意味ないかなと思ってる。

お?となったポイントとして「エンジニアリングマネージャとエンジニアマネージャは本来異なるが世間一般では混同して使われているのではないか?」という文脈があって結構わかりみポイントが大きかった。 まだまだエンジニアリングマネージャという職種が世間一般に浸透していない、日本で概念が固まるところまでいけていないのではないかと思っていてそこに一石を投じる感じが良かったです。 またその資料の中でエンジニアマネージャをサポートする存在としてテックリードがいる(そのためにテックリードが存在するというよりもそういうケースもあるという文脈)というのが結構具体的にイメージできてかつ納得感が高かった。

あ、 id:daiksy さん弊社トマルバの紹介ありがとうございます! (あと挨拶にいくのが遅くなってすみません…)

でせっかくいろんなEMのかたが来ているので懇親会ではトップバッターだったSansanのスピーカーのかたにいろいろ質問しまくりでした。 隣にいた同志社の大学生そっちのけで質問してしまったのであまり良くなかったなって終わってから気づきました。 ホスピタリティーとかそういうの皆無ですまん。

んでその質問や会話で「成長し続けるっていうと今いる状態よりもずっと良くなっていないといけない。それだとつらい(現実はずっと右肩上がりで成長できない)ので変化って言葉に置き換えたら自分のなかでつらかったところの腹落ちがすごいした」みたいな話しをしてました。

これすごくいい言葉だと思っていて今日参加して持ち帰った中でダントツだったんじゃないかという気がしています。 exはてなのsongmuさんが以前「変化することは常に正しい」みたいなことをいってたと記憶してるんですがそれと非常に近いなと言う話をしてました。

成長だと常にいまよりも良くし続けないといけないんですが個人の成長ってそんなに直線上に伸びるものではないので成長できないときに結構メンタルにネガティブな要因が生まれてしまうのでよくないなと常々思ってたんですよね、なのでぼくは圧倒的成長!という言葉がクソほど嫌いだったんですがこれを変化に置き換えるとその嫌悪感が綺麗になくなって良さという感じです。

変化というのは正負の両面どちらも持っていて、チャレンジした結果一時的に結果が落ち込むケースがあるんですが成長を軸に据えるとそれがネガティブな状態ということになってしまいます。 ところが本質的には新しいことに挑戦しているのだから効率が一時的に落ちるのは自明であり、その後ブレイクスルーを経て成長につながるわけです。

つまり変化することは正負のパラメータ属性に依存しないので非常に適切だと思うわけですね。 また話の流れで「マイナス方向への変化を悪とするよりも停滞することのほうを悪」みたいな会話をしていて「好きの反対は無関心」みたいな話なんですが停滞を是とするのは嫌だよね、それをブレイクスルーするためにはやっぱり変化を許容する文化や人、組織じゃないと駄目だしEMは如何にそのWillと事業としてのMustを集約していくか…みたいな会話ができて面白かったです。

他にも「マネージャは孤独なので歯を食いしばる必要がある」という話しからマネージャの相談窓口というかマネージャそのものをサポートするサービスがあってもいいのにあんまり話を聞かないよねーという話をしました。 そこで以前利用したサービスとしてkiitokってのがあってよかったよという話しを少ししたんですが改めて他人に説明しているうちに期待していなかった側面で良かったことが浮き彫りになったのでせっかくなので宣伝も兼ねて書いておこうと思います。

alpha.kiitok.com

このkiitokというサービスはまだα版ということで1人1回でFacebookアカウントが必要(ない場合はGoogle Fromに必要事項を記載する、ぼくはこっちだった)という縛りがあるものの結構ぼくのなかでは良かったと感じています。

というのはだいたい1ヶ月に1度のペースでdaiksyさんと1on1をしてもらって会社のこと、個人の成長のことなどをざっくばらんに話していろいろ「こういう方法があるよ」とか「こういうアプローチをしてみたらどう?」とか「こんな考えもあるよ」とすごくいいアドバイスをもらっています。

そこに対して不満とかは全然なくてむしろもっとガンガン活用していかないとな!みたいな気持ちでした。

ところがこのkiitokというサービスを知ったときにふと「ぼく個人やぼくが働く会社を完全に知らず、属性がぼくから一番離れているであろう人の話しをきいたとき今までとは違った視点でのアドバイスがもらえるのではないか?」と思い、即登録しました。

(実際にはFacebookアカウント削除したので登録できひん…みたいな嘆きをTwitterに投稿したら中のかたがサポートしてくれました、その節はお世話になりました :bow: )

その相談相手のなかから選ぶ際にいくつかの条件を設定しました。

  1. 自分と属性ができる限り遠いこと
  2. 全くぼくのことを知らないひとであること
  3. できる限りいろんな人をみているであろうひとであること(大きな企業、人気のある企業であること)
  4. できればCTOよりもVPoE

理由としては

1.に関しては属人性が比較的遠い人であるのはぼくやアドバイスしてもらってるdaiksyさんとは異なる視点からの意見が欲しかったこと。 2.に関してはバイアスが良くも悪くもかからないようにしたかったこと、なのでしがないラジオのパーソナリティーである池上 純平さんはまっさきに除外することになりましたw 3.ぼくは大企業に務めたことがないのでできるだけ多くのひとをみている視点での意見がほしかったこと。 4.これはぼく自身が目指す方向性としてCTOよりもVPoEのほうがまだ近いように思ったからですね、あとVPoEってそもそもなんなの?EMやテックリードとの違いは?という質問をするためですね。

その結果GunosyのVPoEである加藤慶一さんをメンターに指名することに決めました。

alpha.kiitok.com

で40分ほど自分のいまの状態や会社のメンバー、そのチームの状態などを伝えたうえでどういうことを相談したいか?という話をしました。

ぼくが相談した内容としては

  • チームがうまくワークしていないのをどう解決するか
  • どうすればエンジニアとしての市場価値が高められるか
  • 今後新しいメンバーが入ったときにどう成長させるのがよいか
  • VPoEとかEMとかテックリードって一体なんなのか?

ということを相談しました。 時間配分的にはメインが1番上の問題で、そのあとはまあ気になってたことくらいの温度感で質問しました。 上から順にぼくのなかの優先順位が高いと思ってもらえればいいです。

結論からいってしまうと相談した内容の中身はほぼほぼdaiksyさんの相談で出た解決方法に近いものでした。 このことで無駄だったなと思ったかというと全くそうではなく医療機関セカンドオピニオン的な感じでいま処方されているタスクは全く異なる視点からみても適切であるという安心を得ることができました。

アドバイス結果に不安を抱えていたというよりは「完全な第三者視点からみても同じ結論に達するのであればこの処方は自明であることが証明された」というニュアンスに近い安心感を得たといえばだいたいあっていると思います。

kiitokでもらったアドバイスとして自分がスクラムマスターになるつもりでスクラムブートキャンプを一度読んでみるとよいのではないか?ということでした。 立場を意識してこの手の書籍を読むということをしたことがなかったのでなるほど、そうすればいいのか!と蒙が開けた気持ちになりました。

その後の市場価値の話に移った際もエンジニア+スクラムマスターとアプローチがあるという話がでて技術的な面にこだわる必要性がないという自分のなかの市場価値=技術的エンジニア評価と思っていた固定観念に一石を投じてもらえたなという感じでよかったです。 これを仮にdaiksyさんから言われたとして同じほどの衝撃を受けたか?と言われると少し疑問があります、何故ならぼくがdaiksyさんの属性をある程度知っているから。 勝手に彼はこういうバックボーンを持っているからこういう話に持っていくのだろうなと思う余地がなかったか?と言われたら否定するのが難しい面があるなと思いました。

メンバーの成長に関してもそもそもスタートアップは学ぶ環境が揃っている(いろんなことをやらざるを得ないので)のでメンバーが勝手に成長する、ぼくの不安は杞憂だということが自明になったり、日本におけるVPoEはCTOだけでは抱えきれない役割、それも人にフォーカスした面をサポートする役割だという話しを聞いてイメージがより具体化したように感じました。

面談時間は40分だったのですがあっという間の40分で最終的にビデオチャットの録画や面談レポートをいただけて自分で自分の発言の振り返りもできるので非常によいサービスだなと思いました。

この辺りはsnobby.fmでも少し触れているので割愛します。 kiitokを使って感じた改善点としてはターゲットといてはジュニアエンジニアや転職などを考えているエンジニアを対象にしているのかなと思っているのですがそれよりは外部技術アドバイザー的な立ち位置として会社と契約して会社メンバーによらないで相談できるとマネタイズもしやすいし、相談相手としても気軽に使いやすいかなと思いました。 毎回同じ相談役でもいいし、そのときそのときで相手を変えてもいい。 そういう柔軟さをサービス内で展開できると非常に素晴らしいサービスとして利用できるんじゃないか?という将来性を勝手に幻視してました。

今回は懇親会でy_uukiさんや弊社に技術アドバイザーとして参加してもらっているdaiksyさんの話も聞きたかったんですがお二方はいつでも話し聞きにいけるし後回しでええか…みたいな気持ちで話すという戦略が功を奏しました、やったね!

という感じで参加レポートは以上になります。