本を読書する技術

概要

Money Forward Kyoto Advent Calendar 2020の5日目、バックエンドエンジニアのluccafortでお送りします。

adventar.org

このエントリは読書する習慣を身につけるテクニックを紹介するエントリになります。 読書によって得られた知識は経験を媒介することで誰にも盗むことができない財産になります。 皆さんの財産が世の中のマネーをフォワードする一助になるとよいと思い、このエントリを書かせていただいています。

結論から

まず結論から。 このエントリは以下の書籍から得られたことや試したもの、読書を継続するのに重要そうな要素を抽出したものとなっています。

ですので、もし興味があるかたはこれらの書籍をお読みになられるほうが早くより正確だと思います。 ぼく個人としてもそちらをおすすめ致します。

学習効率のよい読書術を求められているかたは↓がおすすめです。

エンジニアの知的生産術は難しくてわかりにくかった、というかたには↓がほどよいかと思います。

想定される読者層

  • 読書が苦手なひと
  • 読書習慣がなく、身につけたいと考えているひと
  • ただ読書をするだけの状態を打破したいひと

発端

以前とある雑談の際に「いつそんなに本を読んでいるんですか?」という質問を受けたことがありました。 (おおよそですが、技術書で月に1〜2冊、一般書籍や自己啓発めいたものを含めると月に5〜10冊ほど読んでいます。読んでいる数そのものは決して多くないです。)

ぼくだけに向けた質問ではなかったのですがそのときたまたま「よく本を読む人」と「あまり本を読まない人」が半々くらいにわかれていて、「何故読書するのか、また読書する習慣を身につけるHowToにも価値がある」という気づきを得ました。 そのうちブログに書いてやろう!と思っていたところ、アドベントカレンダーでチャンス到来したので書かせてもらった、というのが発端です。

ぼく自身は決して読書の虫というわけではないのですが、それでも比較的本を読む習慣があるのでいわゆる「読書を楽しむことができる人間」側に属しています。 そこで現代社会の時間が限られた人間が本を読む時間を捻出するために実践しているいくつかの技術を紹介したいと思います。

前提条件

ここでいう読書とは読むことで「何かしらの知識を得られること」を前提とします。 ですので、娯楽小説などは後述する方法で読む必要はありません。 自分の読みたいように読んでいただいてよろしいと思います。

なんのために読書するのか?

まず本を手にとった、あるいは購入した理由を考えましょう。 なにを期待して本を手にとったのでしょうか?

なにか現状を変えること、あるいは変える可能性を期待して手に取るかたが多いかと思います。 その当初抱いたゴールを付箋やホワイトボード、ブログ……etc 媒体は何でもよいですがしっかりと言語化しておくことでより深く、脳がゴールを意識し効率がよくなります。

またゴールをしっかりと明確にすることで漫然とただ読むことを防止する効果があります。 可能であれば読書する前後でゴールが確認できるようになっているとよりよいでしょう。

ぼくはホワイトボードにカンバン形式でいま読んでいるもの、次に読もうとしているもの、読んだものを管理しています。 (カンバンがわからないかたは下記のwikipediaをご覧ください。)

ja.wikipedia.org

他にも制約として1ヶ月の間に買える技術書は3冊まで、ただし読了した技術書2冊につき追加で1冊購入できる…という縛りを課しています。 これらの管理や制約によって読む技術書の冊数や読みたいものをコントロールするようにしています。 ただこれはぼくにとって最適化されている手法なので人によっては合わないです。

他にも挫折してしまうケースとして、購入した書籍によっては自身が望むレベルに達していない、あるいは難解過ぎるということがあります。

そのようなケースで無理をして読む必要はありません。 いま読んでいる本はゴールに向かっているか?読書の前後で振り返りができるようになっているとレベルがあわなかったときの気づきを得るきっかけを作ることができます。

何故習慣化させるのか?

まれに勘違いされるかたがあるのですが、本をたくさん読むことが大事なのではありません。 本を読むことでゴールを達成することができるのであるかどうかが重要なのです。 その結果としてたくさんの本を読むことはあるかもしれないですが、たくさん読むことが目的化しないように注意しましょう。 大事なのは量を増やすことではなく、質を高めることです。 質を高めるのに量が必要でなければ量は必要ありません。

いつ読書するのか?

いつ読書するか?これは難しい問題です。 というのも読書する習慣がついているかたごとに「いつ」が異なるからです。

一例としてぼくの場合ですと以下のときによく読書しています。

  • 駅や電車、病院などの待合室
  • 休日の昼間、なにも予定がなくゆっくりしたいとき
  • お風呂に入っているとき

読書する習慣がないかたはあらかじめ本を読むルーティンを決めてしまうことをおすすめします。 読書する時間を決める、というよりは「就寝する30分前に読む」「通勤電車の中で読む」などの何かしらのアクションをトリガーとして読む時間を確保すると続きやすいです。

このとき「毎日22時から1時間読む!」としてしまうとできなかったときにネガティブになったり、 義務感になってしまい疲れてしまいます。

仮に今日は5分しか読めなかった、というケースでも問題ありません。 30分だけ読もうと思ったがもう少しで読み切れるので5分延長するなど人間は思った以上に時間にルーズです。 ですからゼロにさえしなければ習慣化され、ストレスなく読むことができるようになっていくでしょう。

まずは2週間、可能であれば1ヶ月続けてみましょう。 途中どうしても時間を確保できず中断してしまったとしても問題ありません。 できる範囲で習慣化していきましょう!

何故1ヶ月か?についての根拠は以下のTEDにおける動画が非常にわかりやすく、やる気を促してくれるのでおすすめです。

Matt Cutts: マット・カッツの30日間チャレンジ


マット・カッツの30日間チャレンジ

ただし可能なら1週間以上間を空けるべきではありません。 個人的な経験による確信ですが1週間やらなかったことは脳内で「やらなくてもよいこと」として認識されてしまうように感じています。

読書しても忘れてしまう…

読書しても前回から間が空いてしまって忘れてしまうことはないでしょうか? ぼくはよくあります。

忘れてしまうこと自体は決して悪いことではありません、ありませんが良いこととはいいがたいですよね。 特に読書した内容についてであれば、なおさらです。

忘れたくて忘れているひとはまれだと思うのでどうすれば忘れにくくなるのか?というアプローチを紹介します。

脳は「2週間に3回使った情報は、長期記憶される」という性質があるそうです。 これは冒頭で紹介した「学びを結果に変えるアウトプット大全」の中で「アウトプットの基本法則1」で紹介されている内容になります。

面白いのは1度きりだと2週間でも1ヶ月でも大きな差がなかった、という結果がでているそうです。 (1週間と2週間では明確に数値が違うのに!)

ぼくは基本属性が怠け者なので予定として抑えておかないとすぐに怠けてしまう傾向があります。 そこで本当に大事で忘れたくないと考えているときは同じ本の特定の章だけでを初日、7日後、14日後の3回読むようにしています。 翌日にはその次の章を、更に翌日にはその次の次の章を…という感じで特定の章だけを読む日を設けるようにしています。

可能であれば2週間後にこのインプットした情報をブログでもノートでも付箋紙でも構わないのでなにかにアウトプットするとより高い効果が見込めます。 これも「学びを結果に変えるアウトプット大全」の中でアウトプットの基本法則2として紹介されている内容となります。

インプットの反復だけではなくアウトプットすることでより強固に「脳にこれは重要な情報である」と教える必要があります。 機械学習は詳しくないですが仕組みとしては強化学習と同じだと考えています。

まとめ

完全に自己啓発する怪しい話になってしまった気がします。 「読書する」ことはスキルで補えます。

昨今だと「努力するものは楽しむものに勝てない」という論調があります。 これ自体は事実であると思いますが、努力することは無価値ではなく、それどころか素晴らしいことです。

楽しめるようになるために努力していくというアプローチもあるでしょう。 本を読書する技術を身につけることで「努力する」から「楽しむ」ことができる一助になるとよいなと思い今回アドベントカレンダーに参加させてもらいました。

本は買うことに意味があるのではなく、本を読み、知識として取り込むことで価値を最大化します。 この知識には「知らなかったことを知る」ことや「自分がわかっていないことがわかった」ことも含みます。 もちろん本に書かれた内容が全て理解できる必要はありません。 いままで認識できなかったことが認識できればそれは十分に読書の価値を得られていることになります。

最後に宣伝

マネーフォワードでは福利厚生の一環として「書籍購入補助制度(まねふぉ図書館)」というものがあり、理由が常識的なものであれば同じ書籍を複数冊購入してもよいという非常に嬉しい制度があります。 このおかげで輪読会や読書会なども活発に行われているのではないかと思います。

その他にもさまざまな福利厚生や制度があるので気になるかたはこちらを御覧ください。

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この話をみて興味を持っていただけたかたは是非カジュアル面談などでお話をしてみてください!お待ちしてまーす!

マネーフォワード京都開発拠点のサイトがあります。 もし京都拠点に興味を持っていただけたらこちらもみていただけるとよりぼくらを知ってもらえるのではないかと思いますので、年末のお供にご利用ください。

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明日はマネーフォワード京都でインターンをしてくれている Ken さんのインターン生から見た京都拠点のお話です!お楽しみに!


今年も本家アドベントカレンダーもやっています!

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