今週のお題「私のまわりのすごい人」
TL;DR
皆さん、関ヶ原ってご存知ですか?
おそらく、桶狭間、壇ノ浦についてでトップ3くらいに有名な歴史上大きな転換点となった決戦の地なのですが、そんな関ヶ原でなんと日本のRubyistが東西に分かれて勝負を決めるというイベントが5月30日、関ヶ原ふれあいセンターで開催されました。
regional.rubykaigi.org
そして、奇しくもイベント翌日(ヨーロッパ時間では30日)はUEFA Champions League Final、Arsenal vs PSGの試合でしたね。
まあ正直なところ、ぼくは昨年のCL決勝でインテルがボッコボコにされ、今年のプレミアリーグでArsenalにあと一歩のところで負けてしまったのでどっちも負けろと思っていました。バイエルンが優勝したらよかったのになぁ。シティのレジェンド、コンパニが監督しているのでまだそっちは許せた。
そんな面白おかしなイベントに参加したのでその感想を忘れないうちに記しておこうと思います。
残念ながらぼくは現代っ子なので合戦仕草や合戦言葉は使えないので令和仕様で読んでいただければと思います。
Day0
関ヶ原Ruby会議は前夜祭の企画がありました。
そのため、朝京都から名古屋入りし、名古屋オフィスで働かせてもらい夕方ごろにホテルのある岐阜へ向かう予定を立てていました。
……がどうやらイベント2日前(つまりDay-1)の段階で補欠が繰り上がる気配がない。
これはどうやら無理そうだから適当に野良で岐阜近辺のRubyistを釣ってどこか飲みに行くか〜と思っていたのですが、ちょうどいいタイミングで今回のオーガナイザーの1名である corocn からお誘いをいただけて無事補欠組+αで飲みに行くことができました。
行ったお店はここです。
一番美味しかった記憶があるのは鹿肉の鉄板焼。
tabelog.com
前夜祭組が解散するタイミングくらいで同じく我々もお店を出たので、二次会会場として「ながらRuby会議01」ぶりにYell Ale Gifuにいきました。
入ってしばらくすると「おやおやどこかで見たことがある人たちが入ってきたぞ?」となってました。まあそれはそうなる。
https://maps.app.goo.gl/ASGnve8xMRtcNrxq9
その後、下戸なぼくの割にはまあまあお酒を飲んでかなり回っている状態だったので3次会には向かわず、コンビニにいってからホテルに戻りました。
どうやらこのコンビニに寄り道していたときに、うなすけ氏がぼくを見かけたらしいのですが全然気づかずに通り過ぎていったそうです。
ごめんて……。
そんなこんなでホテルに戻り、シャワーを浴びたのですが朝が早かったこともあり気絶するように就寝しました。
Day1
さてメインとなる関ヶ原Ruby会議01の開催日です。
ホテルのエレベーターで1Fに向かうところでなんと先にエレベーターに乗っていた元同僚の pocke さんと遭遇。
実はDay0のホテルチェックインの際にもたまたまぼくの前でチェックインしていたのがpockeさんだったという謎イベントが発火していました。
一緒になったエレベーターで「これから関ヶ原駅ですか?」といったところ「いやぼく車なんですよ。一緒に乗っていきます?」といっていただき、なんとpocke Carに同乗させていただくことになりました。ありがたや〜。
会社のお金で登壇とか参加していると公共交通機関以外を使うのが駄目なので、そういう意味でも個人参加していてよかったですねw
そんなこんなで話しながらドライビングを楽しんでいる間に会場につきました。
想定よりも少し早くついてしまったため、まだ当初予定していた受付開始時間ではなかったのですが、受付していただくことができました。
まさか人生で「あ。大名の方ですね!西ですか?東ですか?」と質問されることがあるとは思いませんでした。当然「西です!!!」と元気に答えました。
あと、なんか大名だったので東西対決どん兵衛(うどん)をいただきました。人によっては蕎麦バージョンもあった模様。
なお、大名の方々はこちら。ぼくの名前が乗ってないんだけどチケット買ったつもりで結構ギリギリまで買ってなかったというやつでGoogle Formの提出が間に合わなかったとかそういうやつです。残念。
regional.rubykaigi.org
関ヶ原Ruby会議01に参加する理由
関ヶ原Ruby会議ではRubyKajaという制度が復活しました。
ぼくもこの関ヶ原Ruby会議が開催されるまで全然知りませんでした。(正確にはきっかけとなった際にonkさんがydahさんに話していたのを聞いていた)
「RubyKaja is なに???」という方は以下をご覧ください。
magazine.rubyist.net
で、そのRubyKajaを選ぶ際に「Kyoto.rbから推薦者を出してほしい」と言われてsanfrecce_osakaさんを推挙させてもらったという経緯です。
推薦理由はだいたい会場で読み上げられたものそのままなんですが、あえて文字で残しておくと
- いつも参加してくれている
- 初心者から上級者まで楽しめるよう(運営メンバーではないのに)助けてくれる
- 他のコミュニティで見聞きした情報を惜しみなく共有してくれる
あたりを評価(評価ってのも変な話だが)させてもらい、推挙という形をとりました。
実はRubyKaja候補はもう1名いた
実はもう1名、econ econさんという方を推薦するかどうかで悩みました。
彼は彼で素晴らしく、
- 京都に移り住んでから人生を変えてくれたコミュニティがKyoto.rbだと事あるごとに伝えてくれている
- 積極的にわからないことや困っていることを伝えてくれる
- 仕事でRubyを書いていないけどコミュニティが楽しいから遊びに来てくれる
という感じで甲乙つけがたい素晴らしいメンバーです。
最終的に sanfrecce_osaka さんはおそらく運営メンバーに次ぐレベルで参加していただいているので出席日数という定量的な差が圧倒的だったため、今回推挙する形を取らせてもらいました。
sanfrecce_osakaさん、改めてこの場でもお礼を申し上げます。
RubyKaja、おめでとうございます!そしていままでありがとうございます、これからも引き続きよろしくお願いします!
閑話休題。
そんなわけで、推薦をしたのに推薦者本人がその場にいないってどうなの?ということで参加したという経緯です。
まあ京都から名古屋は新幹線で30分くらいあれば着いちゃうからね。それになにか特別参加できない理由もなかったですし、そりゃあいきますよ。
そんなこんなでオープニングが始まる
そんなこんなでイベントが始まります。
ネットワークがないということで、その影響なのか運営側もうまく回線が接続できず四苦八苦しているようでした。
カンファレンスで怖いのは端末の接触不良とネットワーク回線の不調だよ、あとは天候。
さまざまなトラブルを乗り越えつつ、セッションが始まりました。ここからは本当に一瞬、という言葉がそのまま当てはまるくらい時間が吹き飛んでいきました(寝てたわけじゃないよ?)。
個人的に一番良かったのは、元同僚でもあるpockeさんの発表です。
タイトルに「New "Type" system on PicoRuby」とあったので、てっきり「へ〜。PicoRubyにRBSやSteepをつけたときの話をするのかな?」と思い、Webと異なる環境での難しさのようなものが発表されるのだろうと期待していました。
そして、その思いはなんと(いい意味で)裏切られます。
speakerdeck.com
シンセサイザーなどの鍵盤としてのキーボードを使って文字入力をするという話は誰もが「そうはならんやろがい!!!」と突っ込んだ瞬間だと信じてます。
懇親会の際に本人から「あれって最初(CfP提出段階)から裏切る想定で考えていたんですか?」と質問したところ、応募した際のプロポーザルを見せてもらい、しっかりと「聴衆はきっとこれを期待してくるけど、そうではなくタイトルで引っ掛けつつこっちの話に展開したい」というようなアウトラインを読ませてもらいました。
「くそ〜〜〜〜〜〜!!完全にしてやられた!」という気持ちが半分と「どうやったらそんな奇妙奇天烈な発想が出てくるんだ!」という気持ちで心地よくハメられました。
あそこまで綺麗に手のひらで踊らされると気持ちがいいものなんですねぇ。
ちなみに以下が実際の登壇者情報に書かれていた内容です。わかるかーい!(確かに嘘はついてないし、しっかりと楽しかったことをここにお伝えします)
PicoRubyを使った"Type"システムを作ったので紹介します。これはまったく新しくて、ダイナミックで、そしてとても楽しい"Type"システムです。このトークではその紹介と、どのようにデザインしたのかをお話ししながら、楽しさをお届けしようと思います。
regional.rubykaigi.org
どのトークも面白かったのですが、東軍西軍できちんと同じテーマで対比させられるような形のプロポーザルが採択されているように感じました。
これはおそらく意識してやっていたのだと思いますが、きっと大変だっただろうと思うので改めて運営に参加された方には感謝を伝えたいと思います。
ありがとうございます、皆さんのおかげでとても楽しくカンファレンスのセッションを聞くことができました。
そして、今回のカンファレンス全体を通じて感じたことの1つに「実際に自分が作ったものの話をする」というのが鮮明だったように思います。
「会社でこういうことをした」であったり、「こういう問題が起こったのでXXXを使って解決した」のような話ではなく、「XXXが起こった。何故だろう?と深く掘り下げていったところ、これを解決する何かを作ったら面白いんじゃないか?」
そんな話が多かった気がします。
実際に作った人の話、何故それを作ろうと思ったのか、その結果どうなったか。
何に自分が興味を持っていて、そのためにどういったふるまいをしたのか。
登壇者の方々は皆さん、そういう話をギュッと圧縮されて話されていた印象を受けました。
笑いながら楽しめるカンファレンス
関ヶ原の特徴というか異質な点として、寸劇がところどころ仕込まれていた点が挙げられます。
例えば、何故か東軍副将が突然裏切って西軍に寝返ったり(史実では逆、西軍が裏切られて東軍につかれる)、
刀をポインター代わりに使って、使い終わったときの納刀音がやたらとカッコよかったり、
唐突に玉入れ合戦が始まったり、
本当に意味がわからない企画や仕込みが満載でとても楽しめました。
あれを思いついて、本当にやりきっちゃう企画力に脱帽だよw
地域Ruby会議の良さ
ぼくはRubyKaigiに参加していますし、もちろんRubyKaigiも楽しんでいます。
ただ地域Ruby会議とRubyKaigiは別の概念かなとも思っています。
例えば、今回の関ヶ原のような寸劇をRubyKaigiでやるのは難しかろうと思います。
あれは関ヶ原(東西に分かれて白黒つける)というコンテキストがあるからこそ成り立つコンテンツだと理解しています。
一方でRubyKaigiはそうではありません。
それぞれにそれぞれの良さが発揮できるいい仕組みと循環があるなと改めて思いました。
個人的に名称を借りた別イベントを企画する際、それは上下関係や優劣を伴わないと考えています。
それぞれ地域固有の課題や問題、事情があるため、あえて全体ではないところで話すこと、開催することに価値がある。
そういうケースに対応したものなのだと理解しています。
そういう意味で関ヶ原は関西でやっても駄目だし、関東でやっても駄目だったでしょう。
これはまさしく「地域Ruby会議」だからこそ達成できた素晴らしいイベントだったと思います。
RubyKaigiではスポンサーブースの数が多く、なかなかゆっくりとお話するということが難しかったりします。
(特にスタンプラリーがあるとお話したくても別の方が来たときに対応しないといけないですからね)
そういった意味で、関ヶ原はブースの規模感がほどよくグルっと回るコストがそこまで高くなかったですし、見ている最中に知り合いに声をかけられて唐突にディスカッションが始まる……みたいなこともありました。
多すぎないからこそ生まれるアクションもあるんだなと改めて感じました。
コミュニティを越境することの大切さ
そして、懇親会でさまざまな方とお話をさせてもらったのですが、その中にRubyを書いていない人たちがちらほらいらっしゃり、それぞれの理由が異なっていたのがとても興味深かったです。
その参加者の方々は理由は違えど「楽しそうだから」参加されたそうです。
普段所属しているコミュニティとの違いや共通している点、地域性(その地方で流行っているかなど)に話題が広がってちょうど東西の境目ということもあり、さまざまな情報交換が行われているのが面白いなと思いました。
技術広報をしていたとき、ぼくは元々バックエンドの技術領域を好んでいたため、その周辺技術のコミュニティには顔を出していたのですが、モバイルや自然言語処理のようなところは正直疎い状態でした。
そこから一歩踏み込むと、いままで見えていたコミュニティのいいところや悪いところ、あるいは別のコミュニティから自コミュニティに輸入したいものなどさまざまな刺激を受けていたことを思い出しました。
ここでいう越境はコミュニティーが扱う言語や職種を変えることも含みますが、それ以上に「土地」を変えることを意味します。
例えばAkashi.rbでは現オーガナイザーが組み込み系に強い興味関心を持っているため、そちらの話が濃くなります。
逆にぼくらKyoto.rbやKyobashi.rbはWebの話が多くなりやすい傾向があります。
(最近Kyobashi.rbに参加できてないので間違ってたらごめん)
そういった、地域性は越境しなければわかりませんし、越境したことで初めて生まれるアハ体験のようなものもあります。
もちろん単純に「not for me」だったというケースもありえます。
ともあれ、これまでと違う環境に足を運ぶと自分自身がどうしてもルーティン化したり、自分自身の限界や行動範囲を決めて狭めてしまうことがあります。
そこに不満を持っている人のほうが少ないとは思うのですが、そこに越境できる手段があり、目的もあり、ただやるだけの状態になっていて、やらない理由があるでしょうか?いやない。
今回の関ヶ原ではそういった無意識の線引をいい意味で破壊してもらえた気がします。
Rubyだけじゃなくて、GoやJS/TSでもそういった越境していく何かが必要なのかもしれないな〜と自分の勘即範囲だけを見て考えていました。
まとめ
そろそろ眠気が限界に到達しようとしているので無理やりまとめです。
今回のことがなければ正直なところ、関ヶ原にいくことは人生でなかったのではないかと思います。
「旅をしない音楽家は不幸だ」
かつて、モーツァルトはそういったそうです。
これが正しいか正しくないのかはわかりませんが、越境と言うたびに出かけないのは確かにある種の不幸なのかもしれないと最近考えることがあります。
万人にそれを求めたり、押し付ける気はまったくないのですが、自分のような人間にとっては「不幸」になってしまうなと感じました。
普段と異なる風景、景色、感触……そういった「これまで」と異なる環境に身を投じることでなにか閃くことがあるのかもしれないですね。これまでの延長線上だと成長はできても予測がついてしまう。
もっと予測できないくらい急成長したい!そういう人にとっては旅は不要なのかもしれません。
でも、そうでない人にとっては旅は当たり前で、そうすることによってやはりその人自身の成長にもつながるんじゃないか。
そんなことを考えていました。
とりあえず、西軍が勝利を手にしたことで歴史改変の大舞台に立てたので余は満足じゃ。
P.S 追記
懇親会で話していた際に「Kyoto.rbはもっと失敗していい場所にしたい。踏み台にするつもりで遊びに来てくれて構わない!」と話した流れで「障害をテーマに現実に公表されているものをベースに、ポストモーテムをやってみないか?」という思いつきが湧いてきたので6月のイベントはそれをやろうかなと考えています。
そして、関西Ruby会議09にCfPを送って採択された方がいることも知っています。
もしよかった1か月前に発表のお試しをして、改善するために利用してもらえればと考えています。
具体的にいつするとかはまだ調整中なんだけど、忘れないように↑だけ書いています。
そりではまた。