2024/1/27【オフライン】Kyoto.rb Meetup プロと読み解くRuby 3.3 NEWS をDeep Diveするぞ!を開催した #kyotorb

TL;DR

タイトルの通りだけど開催したよという話。

kyotorb.connpass.com

最初はRuby 3.3 のRelease Noteを読みながらわからないところや気になったところを深掘りしていこう……と思っていたのだけど id:onk さんが「"プロと読み解くRuby 3.3 NEWS"があるんだからそっちのほうがよくない?」と教えてくれて変更したんだけどこれがめちゃくちゃよかった。 今回のMVPを上げるなら間違いなくこれ。

product.st.inc

いつも通り、イベント中のログはscrapboxにおいてある。

scrapbox.io

宣伝

moneyforward.connpass.com

どうせ、最後に宣伝おいても読まれないと思うので最初に宣伝です。 今週の水曜に東京出張してマネーフォワードの東京オフィスを使ったイベントを開催します。

ソフトウェア開発の現場でチームとしてソフトウェアデリバリーを如何に速くするか? どのような工夫や悩み、そして未来の展望を持っているかをFindy Team+ Awardを受賞した弊社 + グループ会社共催で開催します。 採用とか認知向上とかも目的ではあるんだけど、個人的には中々相談しにくい組織のアウトプットを如何に向上させていくか?を起点に交流を加速させたいなと思ってます。 お悩み相談が一番懇親会で盛り上がるんや!!!

というわけなので参加できそうだなっと思った方はポチポチっと登録してもらえればと思います。 閑話休題

最近のKyoto.rbの嬉しい変化について

相変わらず参加者は全盛期の頃の30名には遠く及ばないのだけど最近10名以下くらいの人数で行う勉強会のほうがやりやすくていいかもしれないと感じている。 今回参加してくれた方は自分を含め全員で6名なのだけど、以前来てくれた人、新しく参加してくれた人といい形で新旧メンバーが織り混ざっている気がする。 またリピート率が比較的高いこと、ドタキャン率が異様に低いこと(参加率がほぼ100%なんだけど東京では考えられない)、一定の割合で新規参入者の方がいることなどなどポジティブなニュースが多い。 以前はonkさんとぼくの2人しかいない、というようなこともザラにあっただけにこの変化は大変うれしい。

なによりも全てのコミュニティで歓迎すべき新規参入者される方が数ヶ月に1度いるというのも大きい。 こういうと初心者の方ほど「自分は最近Ruby/Railsを学び始めた初心者(ニワカ)なので……」と申し訳なさそうに卑下されることがあるが、コミュニティにおいて参加者の技術レベルはそこまで重要じゃない。

もちろん、技術レベルが高ければ高いほど高難度の話題ができるというメリットはある。 反面、会社や個人の技術スタック、これまでのキャリアの背景、興味関心が大きく異なるメンバーが集まるのだからハイレベルな話題を提供するのは意外と難しい。 企業内のイベントであればそういったこともできると思うが、さまざまな方が参加するコミュニティではよほど大手か参加者のレベルが一定上に高くないと開催の難易度が高くなりすぎてしまうと思っている。

「プロと読み解くRuby 3.3 NEW」で特に良かったところ

正直サッと目を通したくらいしかしていなかったのだが、思いの外変更点が多かった。 イベント時間を3時間半にしていたのだけど休憩をはさみながら読み終えるのにちょうどいい時間と分量だった。

以下は個人的に気になったり、面白いなと思ったり、プロダクト開発に影響しそうだなと思った変更点

  • クラッシュレポートをファイルに保存する RUBY_CRASH_REPORT 環境変数が導入された
    • クラッシュレポートをファイルで出力したいケース、稀にあると思うんだけど環境変数で指定できるの便利。
  • Encoding#replicate が削除された
    • こんなメソッドがあると知らなかったが存在していた理由、削除された理由どちらも納得感があり、勉強になった。
  • 任意の Fiber を終了させる Fiber#kill が導入された
    • むしろいままでなかったんだ?!とビックリしたが非同期処理はいつも思うけど難しいね。
  • 匿名モジュールに仮の名前を付ける Module#set_temporary_name が追加された
    • おもしろポイントとして、クラス名っぽい名前を与えることはややこしいので禁止されています。

    • 本文中にもあるけどこの仕様は面白かった。個人的にはこっちの仕様のほうがめんどくさくない?と思わなくもないけど確かに誤解の余地があるとなると……。
  • アプリケーション初期化終了時に呼ぶ Process.warmup が導入された
    • Railsアプリケーションを開発してるだけだとあまり意識しないと思うけど、ミドルウェアやライブラリ、あとはなにかの調査を行うときに便利そうだなと思いながらみていた。
  • Range を逆順にたどる Range#reverse_each が追加された
    • メモリ上で配列に展開した上で、最後の要素からたどるもの

    • いままで意識したことがなかったけどこうやって実装されているのかーと納得し、遅いと書かれた理由にも理解した。
  • 範囲同士が重複しているかチェックする Range#overlap? が追加された
    • 範囲同士が重複しているかチェックすることはままあって、その際に重宝しそう。 Range#overlap? があると楽になる一方で余談のところは正直複雑すぎて絶対間違える人が出そうだなと思った。
  • Refinement#refined_class が #target に名前変更された
    • 名前を変更した理由が歴史的経緯なものを説明しており、学び。そういえば何かで書かれていたな……とぼんやり記憶を思い出していた。
  • String#bytesplice がコピー元の部分範囲を指定できるようになった
    • これといって使い道を思いついたわけではないが、いろいろイタズラできそうなメソッドで楽しそう。
  • Time.new の引数の制限が厳しくなった
    • これは業務に影響がでる可能性がある変更だなと注意してみていた。変更意図としては納得なので対象箇所に注意が必要そう。軽くプロダクトのコードをチェックするくらいはしておきたい。
  • 名前解決が割り込み可能になった
    • 普段関わりがないCの世界の話が多いんだけど、いろいろと難しいんだな……という気持ちになった。遠藤さん、お疲れ様でした。
  • Random::Formatter#alphanumeric が使用文字種を指定できるようになった
    • これ前職のときに出来なくて、ライブラリいれたか自作したか忘れたんだけど欲しかったやつだ!!!と個人的に盛り上がった。
  • 無引数 it が警告されるようになった
    • インターネット上でざわついた例のやつ。まあ影響がでかすぎるので何かしら大丈夫な実装をするだろうと思っていたけどその後の続報を追ってなかったのでちゃんと把握できてヨシッ!
  • NoMethodError の表示形式が変わった
    • 個人的には一番影響がありそうだと思ったポイント。
    • inspect で展開されたときはいい変更だと思ったけどログにクリティカルな情報が出てしまうことなどがあったりしたのでコレはいい改善点

まとめ

今回のKyoto.rbは成功したなーと思ってる。 普通に楽しかったし、知らないことを知れたり、雑談もそこそこ盛り上がった気がします。

次回はすでに開催が決まっていて2月24日になります。 昨年、「るりま&るびま読む会を企画するって聞いたんですがいつですか?」と言われたまま、別のイベントなどに追われてしまったので今度こそ!というリベンジマッチです。

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5月にRubyKaigi 2024が開催されるので、その前後4月と6月は前夜祭や後夜祭を企画しそう……となると以前onkさんとやるぞ!といってたOSS Gateが中々開催できなくなってしまうので「じゃあ3月にやりますかー」という話をしました。 3月はOSS Gate回になるんですが、まだ日程がFixしてないので、こちらもFixしたら早めにイベントページを公開しようと思います。

Rubyに興味がなくてもOSSにコミットしてみたい人はいるんじゃないか?という仮説の元企画しています。 もし好評だったら半年おきくらいで開催してもいいかな。

OSS Gateはサポーター枠5名、参加枠(ビギナー枠)10名くらいのこじんまりした回を想定しています。 あんまり人が多いとサポートしきれないのでな……。

もし、興味がある方はお早めに。 多分サポーター枠は先着、参加枠は抽選とかにするんじゃないかな。 上限を超えるほど人が来るとは思っていないけど。

ではでは。 また来月。

[追記]

以下は最近英語を頑張ろうと思ってるが、なかなか上手くいってないので乱心してTwitterに英語で一日のサマリーを投稿する練習をしている様。 難しい表現とかはいれてないし、多分文法的にむちゃくちゃとかって面もあるんだろうけど、英語投稿→翻訳→修正→翻訳を繰り返すのが中々楽しい。 楽しいというかそれっぽい文章になってるように見えるのでちょっとした成長や表現(文法や熟語)などをただ丸暗記するよりはやる気がでる。 ……ということで今回の催しとSTORESさんのブログに感謝をしたのでした。

変えることは圧倒的に正しいではなく"変えることは無条件に正しい"だった

TL;DR

よく id: Songmu さんが「"変えることは圧倒的に正しい"といってたが出典元を忘れた」といってたが出典元を見つけたよというお話。 そして、実際には「変えることは圧倒的に正しい」ではなく「変えることは無条件に正しい」が正解だった。 間違えてたのと、今後も間違えてしまう可能性があるので調べられるように記事として出しておく。

出典元とかを正しく認識した

出典元はこちらの記事の「おわりに」に書かれている。

developer.hatenastaff.com

書かれてる内容の大筋は記憶してたけど正しく言葉を把握してなかったし、なんならはてなスターもつけてなかった……。 しかし、これもう5年前の記事なんだな。

出典元に書かれている内容はとてもよいので未読の方はどうぞ。

12/2 に開催したGo Conference mini 2023 Winter IN KYOTOの #kyotogo 枠でオフライン運営スタッフデビューしました

TL;DR

Go Conference mini 2023 Winter IN KYOTO でオフラインカンファレンスの運営スタッフデビューをした。 ブログを書くまでがカンファレンスなので運営スタッフとしてブログを書いていく。

Go Conference mini 2023 Winter IN KYOTO とは?

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一般社団法人Gophers Japan主催のGo Conferenceを小規模にしたイベントをGo Conference mini(以降長いのでGo Con miniとする)です。 昨年開催されたSendai.go主催の「Go Conference mini 2022 Autumn IN SENDAI」が初回開催(のはず)。

sendaigo.connpass.com

今回は Kyoto.go が主催しました。 特に地方コミュニティでないと開催できない縛りはないんですが、いまのところRubyの地方会議みたいに各ご当地コミュニティが開催している形です。 なお、Go Con miniの開催はGophers Japanの許諾が必要になります。勝手に名乗ってイベント開催しちゃだめよ!

4月頃〜開催のきっかけ〜

元々は今年(2023年)のGo Conference 2023 Online が開催されるちょっと前のKyoto.goのイベント後におこなってる「居酒屋トーク」という雑談時間で「そろそろオフラインでイベントを開催したいね」といったことに起因します。

gocon.jp

発言の主はぼくなのですが、当初イメージをしていたのは以下のようなこじんまりとしたイベントと懇親会ができる程度のものをイメージしていました。 ところが、それを受けてオーガナイザーの @uji さんが「去年のSendai.goのGo Con miniの体験がよかったのでやりたい」といい開催する流れとなりました。

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このあたりの詳しい内容は技術書典15で販売した「Money Forward TechBook #7」の「これまでの Kyoto.go とこれからの Kyoto.go の話しをしよう」に書きました、良かったらご購入ください。 現在は電子書籍版のみの販売となっています。

techbookfest.org

閑話休題。 Go Con miniレベルのイベントを開催する意図は当初なかったのですが、AWS のリーダープリンシパルにある「Have Backbone; Disagree and Commit」の精神を踏襲しメンバーのやりたいを実現するためのコミュニティのはずなのにぼくが足かせになってはいけないなと思いCommitすることにしました。

www.amazon.jobs

なお、当初予定では「夏〜秋開催」を検討していたのですが、「それは今からじゃ間に合わないので絶対にやめよう。11月か12月でギリギリ開催できるかどうかだと思う」という話をしていました。 キックオフ時の議事録はこちら。

scrapbox.io

その後、会議をしていく中で「〇〇ができるといいよね」「○○があると楽しそう」という自分たちが やりたいこと(WANT) ばかりが出てしまい、 何故やるのか(WHY)なにが得られるのか(WHAT) が不足しているように感じたので目的の深掘をしたいと提案します。

5月ごろ〜目的の明確化と本格的に企画スタート〜

このカンファレンスはなぜやるのか?テーマのような軸は何になるのかを話し合って明確にしていきました。

scrapbox.io

Go Con miniのテーマの軸は「交流」で決まりました。 奇しくも同じくGo Con mini 仙台に参加した @sivchari さんもGo Conference 2024のテーマを「一期一会」にされてましたね。 それだけGo Con miniでの体験がよかったということなのだと思います。

開催のテーマや軸が決まりましたが、参加者が価値を感じてくれたかどうかが重要です。 我々がどういう価値を提供したいと考えていて、そこに共感してくれる人がなにを得られるイベントになっているかを考える必要がありました。 ここまでに話した内容がどれくらい言語化できるか、そのためになにをやっていくのか?などをメンバーで共有できるかどうかが大きなポイントだと考えていたのでかなり時間をかけていました。 これは普段の技術イベントの設計などでも同じ課題がでるので仕事の知識や経験がそのままコミュニティ運営に反映された形です。

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6月初旬前後はぼくのほうがGo Conference 2023の運営でバタバタしていたのでujiさん、yebisさんにおまかせをしていました。 実際に参加された方は知ってると思いますが、当初は「アンカンファレンス」や「NFT配布」などのより交流色が強い企画を考えていましたが、時間と労力の関係から最終的に断念しています。 どこかのタイミングでリベンジできるといいなと思っています。

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6月ごろ〜会場選定〜

やりたいことのざっくりした内容がわかってきたので会場選定を始めました 事前に「京都は大学がたくさんあるからそこの講堂とかを会場として借りれないか聞いてみるといいかも…」とだけ言い残してぼくは城崎温泉でリフレッシュ休暇を満喫していました。

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議事録を追っていたらめちゃくちゃ調べてもらっていた、改めて申し訳ない気持ちになったw

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7月ごろ〜リフレッシュ休暇中&会場選定をはじめる〜

Kyoto.goはぼく以外のメンバーがオフラインイベント開催の知見がなかったのでリフレッシュ休暇に入る前後で「一度オフラインイベントを開催して知見をためたほうがいい」とお伝えしたら3年ぶり?くらいにオフラインでの開催が復活してました。 参加したかったなー(なんの予定か忘れたけど参加できなかったのだ)

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このあたりで @たぬき さんがKyoto.goのオーガナイザに参加してくれました。 ここまで3人(ときには2人)で運営していたので馬力が30%アップしています!まあ元が少ないだけなんだけどね。

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このときの会議で大学選定が難しい、という話が出たので「Gophers Japanにお金を出してもらえないか相談できないかな?」と提案してみました。 というのも6月のGo Conference 2023の運営スタッフでの打ち上げで「もっと地方でも開催したい、学生にももっと来てもらえるようなことがしたい」と言っていたのを覚えていたので「駄目元で相談しないか?」と伝えました。 その上でお金が出せるならどこがいいだろうか?という話をして3つほどに絞って最終的に今回会場となったQuestionが諸々の条件と交渉がしやすい立地(マネーフォワードの京都拠点から近いので何かあればすぐに確認できる)ということを話し合っていました。

8月ごろ〜登壇者枠についてメンバー間で意見が衝突〜

このあたりからようやくお尻に火がついて「ヤベー!」という感覚が芽生えだします。 みなさんがカンファレンス運営と言ってイメージするタスクを開始したのもこのあたりからですね。 本当はもう2ヶ月くらい前倒しできてるとよかったんじゃないかなーと開催後は感じています。

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ぼくの強い意志で登壇者枠に「学生枠」と「地元枠」を作ってもらいました。 ただここでちょっとトラブルが発生し、選考フローと登壇枠についてかなり時間をかけて議論することになりました。 「登壇する心理的ハードルを下げる」というワードに対するイメージが運営メンバー間で統一されていなかったこと、選考フローを決めるに当たり競争率に対する考え方の違いなどで意見がぶつかりました。 最終的にメンバー全員がこれでいこうと思える内容になりましたが、ここは登壇者や参加者に影響するだけでなくコミュニティとしての存在価値や責任の部分だったのでかなり激論を繰り広げました。 先ほど紹介した「これまでの Kyoto.go とこれからの Kyoto.go の話しをしよう」の中でも記載しましたが、個人的にはこの意見がぶつかり合って「こうしたほうがいい!」「それならこういう論点はどうか?」という議論が行えたことを嬉しく思っています。

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9月ごろ〜プロポーザルやざっくり全体の流れを作成し始める〜

会場がほぼほぼ確定したのでどれくらいの登壇者がアサインできるのか、タイムスケジュールはどうなるのかなどが本格的に話し合われます。

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  • せっかく優秀なエンジニアの人が来ているのでキャリア相談会とかできるといいかもなぁ。イメージはDroidKaigi https://2023.droidkaigi.jp/timetable/day3/
    • 後日luccaさんと相談

これは最終的に余力と時間を生み出すことが難しい…となってしまいカンファレンス中の開催は断念したのですが @tenntenn さんから「せっかく日本中のGoエンジニアが集まるんでイベントやりませんか?」と言われて「よっしゃやるか!」と乗っかったら「じゃあ学生向けがいいかな、京都は優秀な学生が多いから!」ということで次のイベントに昇華されました。 こちらのイベントは結構開催した企業さんの感触も好評だったんですが、学生と対話して「いまの学生はこんなことを考えて、ここをみているんだな」と企業側としても学びがあるよいイベントになったなと思っています。

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もちろん、採用やインターン生として興味を持ってもらうことは嬉しいんですが個人的にはエンジニアとしてより自分にとって豊かな選択ができるようになってほしいと思って開催したので学生のみなさんがなにか得るものがあれば嬉しいなと思ってます。 そういった裏話的なやつは宣伝も兼ねたこちらに掲載しているのでご興味があればどうぞ。 どうやら2回目は東京でやるかも?という暗躍の噂が聞こえてきているので、また開催されたときにアナウンスしていこうと思います。 2回目とは別口ではてなさんから「これよかったからまたやりたいね」と言われたので、もしかしたら次は「関西に拠点がある企業」縛りでやるかもしれない。まだ何も考えていないけどw

luccafort.hatenablog.com

10月ごろ〜ボランティアスタッフの募集とCfPの選考フロー検討〜

10月のビッグトピックはCall for Proposal(以降、CfP)の選考でした。 他にもボランティアスタッフのかたに入っていただいたので、説明や運用のために会場レイアウトをどのように考えているかなどを具体的に示す必要がありました。 多分なんやかんやでピークだったのは10〜11月だったんじゃないでしょうか。

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個人的にCfPを選考するスタッフ向けのガイドラインを作成したことがこのイベントで最も大きな成果かもしれないと思っています。 ぼく自身も初めてCfPを選考した際には「面白そうとかこれみたいという感想ではなく、こういった基準があるのでそれを満たしているかで判断してください」と注意を受けました。 同様に選考を行う際にどういったことに気をつけるといいか、このカンファレンスではなにを見ようと考えているのかをテキスト化することでメンバーの齟齬を少なくすることができた気がします。 言語化って大事だなと改めて思いました。

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11月〜最後の追い込みと当日スタッフの追加募集〜

翌月の開催のために細かな点や分からない点などを地道に潰していました。 いくつか設備などで必要なものがあることが判明し、追加でお金をもらえないか?や懇親会をどうするか?など徐々にメンバーに焦りが出始めていたのがこの頃だったかなと思います。 他にも登壇者へのアナウンス情報として何が必要か、どういったものがいつまでに必要か?といった締切が一斉に舞い込んでくる状態でした。 また、10月時点で「最低10名といったがどうやら10名では足りない、最低2〜3名、理想的には5名ほどほしい」ということがわかったのでボランティアスタッフの追加募集を行い、スタッフの方の役割を仮アサインしたり、運営メンバーの役割を整理するなどをしていました。

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12月〜イベント開催〜

前日に配信機材のチェックのため、2時間ほどリハをしたり(時間が足りなかった3〜4時間、なんなら前日から部屋を借り切ってしまうほうがよかった)していました。 その後、先程紹介した【学生向け】Career Reflection for Gophers【京都開催】を開催したり、イベント前日なのまだできていないクロージングの資料やトランシーバーのマニュアルなんかを作成してました。

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といったタイムラインで動いてきた総決算としてイベントが開催されました。 2日連続で4時間睡眠(ほぼ自業自得)でイベント当日を迎えたので正直なところかなり眠かったですね。 イベント当日の休憩時間にスライド仕上げるか?とか一瞬考えたんですけどやらなくて正解でした。 当日スタッフしていてそんな時間はなかったw

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個人的に一番のGood jobポイントはJob Boardを設置したことかなーと思います。 最初に率先して自分の会社を書いておいたので各社Goを使った会社さんが社名を書いてくれてよかったです、オンラインだとあまり盛り上がってないようにみえてしまう(書いたり読んだりしてる姿がみえない)のでこれはオフラインでやってよかったことの1つかなと思ってます。

Go Con mini 2023 Winter IN KYOTOのJob Board
Go Con mini 2023 Winter IN KYOTOのJob Board

写真を撮り忘れたんですがお昼休憩に行った際にコンビニで買ったおやつをおいておきました。食べてくれた方がいたっぽいのでヨシッ! いちご大福とかきんつばとか千寿せんべいとかおいてました。 一瞬「これはお茶漬けの元を用意するべきでは???」と思ったんですが京都プロトコルすぎるし、もらっても困るなと思ったのでやめました。ファインプレー。

あとは「Go Con miniというイベントがあるんだけどプロポーザル出してみない?」とujiさんが社内に提案してくれて興味を持ってくれた @Gaurav さんが東京から来てくれたり、インターン生の尾上さんが登壇したりとマネーフォワードのPRにも貢献できたんじゃないかなーと思ってます。

今回のイベントではスポンサーを入れなかったのでオフィスを貸してもらったり、会社時間の一部をカンファレンス運営に使わせてもらっていたのでその分目立ってPRするということはできた気がします。 足りなかったらGo Conference 2024で頑張るので許して……。

オープニングをujiさんがおこない、クロージングをぼくが担当しました。

クロージングのスライドでもちょっと話したんですが「きっかけがあるから行動するのではなく、行動したからきっかけが生まれた」というのはぼくたち Kyoto.go の経験に基づいたお話です。 最後だしエモい話をすればいいかなーと思って考えたんですが、この言葉は割とぼくの中でしっくりと来ていて「来年XXXでGo Con miniが開催されてほしいなー」とか「次のGo Con miniは地元のXXXで開催したらいく」とか言ってる人には「しゃらくせー!!!!お前が開催するんだよオラァ!!!!」という気持ちでアサインされると思うのでぜひ頑張って運営してください。

クロージングでスタッフを紹介するシーンを入れましたがあれはぼくがクロージングをやることになった際にどうしてもやりたいことでした。 カンファレンスは参加する皆さん、登壇する方がいなければ実現しません。 ですが、それを支えるボランティアスタッフの方の協力がなければそもそも開催することすらできません。

コミュニティへの貢献で「ひと・もの・お金」が大事だとお伝えしましたが、まさしくその「ひと」の部分で貢献していただき、大変ありがたいと感じています。 あなたたちのおかげで大きなトラブルなく無事に開催から終了まで走り切ることができました。 初めてのオフラインカンファレンス運営ということで現場での臨機応変な対応が求められるシーンが多かったと思いますが、文句を言わず任務を遂行していただきありがとうございます。 当事者として責任を持って動いていただけたことで大変助けてもらいました。

同じような轍を踏まないようにぼくらが苦労した内容はだいたいScrapboxに公開しています。ぜひご参考にどうぞ。 敢えてぼくから一言いうなら会場探しを最初にしないと何も決まらないので、まず会場探しをするのがいいぞ!

scrapbox.io

せっかくなので宣伝

今週木曜12/7 19時からハイヤールーさんとメルペイさん、弊社でSRE TALKというイベントを開催します。 これはオンラインなので少しでも興味があったら参加してくれると嬉しい。

hireroo.connpass.com

こっちはオフライン開催限定なんだけどマネーフォワード 京都拠点で Kyoto TechTalkというイベントを開催します。 マネフォはオリジナル3(言い出しっぺの人がいた企業3社)なのに3回目にして初の会場提供です。 せっかくなのでよかったら遊びにきてくれ!

moneyforward.connpass.com

最後に

Go Conference mini 2023 Winter IN KYOTOのDay2ということで知り合いのエンジニア8名?くらいでハックバーに行ってきました。 GoとかPHPとかRubyとかプログラミング言語のカクテル(色だけじゃなくてちゃんと裏の背景もある)を飲みながら突発発生したLTやGoの仕様についての座談をしていて最高に楽しかったのでもし興味がある方はぜひお立ち寄りください。 お酒も美味しいんだけど突発でLTや go.dev/play を開いてイテレーターの話がされるのめっちゃ面白かったよ。

hackbar.jp

Go
PHP
Ruby
突然LTをはじめるsyumaiさん
ふじをさんが帰ったあとに集合写真とってた。なぜ終わりに写真を取るのか。

余談

おすすめラーメン情報について

クロージングの最後に会場近くおすすめラーメン情報を掲載していたがこちらにも掲載しておきます。

tabelog.com

tabelog.com

tabelog.com

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アンケートを読んで思ったことをつらつらと…。

アンケートで改善するポイントとして多くの方が「電源やWifiが欲しかった」と書かれてました。 これは実際そのとおりだろうなと思いつつ、Wifiに関してはちょっと難しかったな…と思ったので理由を書いておきます。

今回Wifiを一般参加者に提供するかどうかは最後の最後まで決まりませんでした。最終的な決断をしたのがイベント当日の朝8時の当日スタッフの最終MTGです。 これには理由があります。 他のカンファレンスに参加された方はご存知かもしれませんが、RubyKaigiでクックパッドさんがWifiスポンサーをしていることからもわかるように安定した回線を提供するというのは簡単ではないということです。

techlife.cookpad.com

そのため、一般参加者にWifiを提供した場合で登壇者や運営スタッフの運用に影響が出る可能性がありました。 過去にぼくが参加したカンファレンスでの出来事ですが、とんでもなくバカでかいリポジトリをCloneして回線が詰まる、動画を見始めて回線を圧迫するなどなど誰がどういった行動を取るかコントロールができない事態が発生していました。

このことを非難するわけではありませんが、運営者がコントロールできない状況を作ることは、Wifiが使えないこと以上にオンライン配信で参加している参加者全体の利益を毀損すると考えました。 また、前述しているように我々Kyoto.goはオフラインでのカンファレンス(小規模といえど)の運営が初めてです。 ただでさえ当日どのようなイレギュラーが発生するか想定できないのに不確定要素を入れるのはよくないと考え、ぼくが「一般参加者へのWifi提供はやめるべきである」と主張し、運営統括をしていたujiさんがその意見を取り込んでくれた形になります。

またこれは私見ですがカンファレンスにおけるWifiはありがたい存在であるもののそれがなくてはカンファレンスが成り立たないか?と言われると「あると嬉しい」から脱却しない存在だと考えています。つまり開催においてマスト条件ではないということです。 実際今回のイベントは一般参加者へのWifi提供なしで開催ができました。 「あると便利だが、なくても開催できる」という条件をどこまで頑張るのか?これは非常に悩ましい選択だと思います。 今回は上記の判断をし、提供しない旨をお伝えさせていただきました。

電源に関してはもう少しやりようがあったように思います。 例えば充電スペースを用意するなど各座席に電源タップを設置することが難しくとも、いくつかの方法で充電手段を提供できたのではないかと思います。 ここに関しては反省と次回への改善として取り組みたいと考えています。 個人的にはRubyKaigiのハックスペースが好きなので、あれを踏襲したかったのですが会場の大きさ的に難しく断念しました。

会場内でのお酒や軽食などの提供に関しては運営としてもやりたい気持ちはありました。 ただ会場にはそれぞれルールがあります。我々はあくまでも貸してもらっている立場でありルールを厳守する責任があります。 今回の会場は飲食に対していくつかの制約があったため、上記対応が難しかったです。次回があれば会場選定の条件に含めたいと考えています。

ランチなどの交流を促す施策について これは完全に手が回らず抜け落ちていた観点でした。 指摘していただいた方、ありがとうございます。

今回開催のテーマが「交流」だったのですが、最終的に開催するためのタスクに忙殺されてしまいこの交流を促す働きかけを行うことが難しい状態となってしまいました。 ただスポンサーなしで開催をしている関係上ランチの提供は難しかったように思います。 反面、知り合いのいないエンジニアの方のために「一緒にランチ行きたい人いますか?」といった形でその場で人を集めるといったアクションはできたように思います。 (大阪Ruby会議03ではこれをやっていて感動したのに忘れていました) ここは反省点として取り込んでおこうと思います。

もっと多くの登壇がみたい、参加者を増やしてほしい…将来的にはわかりませんが現時点で個人としてはこれ以上の規模のカンファレンスにするつもりはないです。 これは単純に運営コストが肥大化してしまうこともありますが、それ以上に大きなカンファレンスがいくつもあるよりも小さなご当地カンファレンスが乱立するくらいのほうがGo Con miniの意義があると考えているからです。 もっと見たいという欲求はぼく自身も理解できますし、多分イチ参加者であったなら同じ要望を出したと思うのですが運営者としてのぼくはこれ以上の大きさにすべきでないとも思っています。 仮にやるとしてもそれなら2日開催にするとかが妥当なところじゃないかなーと思ってます。 また今回は紅葉シーズンや京都ということできっとみんな観光ついでに来るのではないか?という目算が立っていましたが会場を借りるということはお金がかかるということです。 そういった意味でも大きな会場を用意したり複数日で開催したり…ということはあまり積極的でない、というかどちらかというと消極的です。 ただ今回Go Con miniを開催したときのように他のメンバーが積極的になる理由やメンバーになるのでこれをやらせてほしい!という熱意がある人がいれば前言を覆す可能性はあります。 いやーでも100名規模以上にするの大変なんですよね、そうするとボランティアスタッフの負荷や家庭事情を考えると積極的にはなりにくいかな。 個人的には50人規模のイベントを四半期ごとにやれるほうが1度のイベントで200名集めるよりもいいと思ってる派です。

【学生向け】Career Reflection for Gophers【京都開催】を通して「険しい道の歩き方」を学んでほしい

序文

11月になっても温かいを通り越して暑く感じていたのが嘘のように急激に冷え込むことが増えてきました。 寒暖差が10度以上ある日も珍しくなく、周りで体調を崩す人が増えています、皆さんもお気をつけください。

今日はイベントの宣伝にきました。 先日、6社共催で行うイベントを公開しました。

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ナレッジワーク、メルペイ、サイバーエージェント、freee、はてな、そして弊社マネーフォワードの6社で開催する学生向けイベントです。 最初は「キャリア相談会」というドストレートなイベントタイトルにしようと思ったんですがイベントの中身が次のようなものだったので変更しました。

  • 「学生5人 + メンター(各社のエンジニア)1名」を1チームとする
  • チームで運営が出すテーマに対して議論し、チームとしての答えを出す
  • チームとして出した答えを全チームで発表を行う、メンターは議論の際の考察やフィードバックを行う

ということで一方的な「誰かの答え」を聞くだけのイベントではなく、 学生の方が考え、悩み、課題を共有して出した「答え」を通して自分だけの気づきを持ち帰ってもらうイベントになるといいと考えて開催することとなりました。 当初、ぼくはキャリア相談会で考えていたところ、今回イベントのお誘いをしてくれたナレッジワークの @tenntenn さんから「せっかくオフラインで会うのだからオンラインでできないことがしたい」という意見を反映した形になっています。

twitter.com

イベント概要

タイトル: 【学生向け】Career Reflection for Gophers【京都開催】
開催日: 12月1日(金)
場所: マネーフォワード 京都開発拠点(京都府京都市中京区三条通河原町東入中島町78番地 明治屋京都ビル 4階)
時間: 19:00 - 21:30
参加枠: 最大30名

maps.app.goo.gl

なぜ学生向けのイベントを開催しようと考えたか

今回は主な参加者を学生に限定しています。 これには以下のような考えがありました。

  • 京都は優秀な学生が多い
    • 京都市域の人口のおよそ10人に1人が大学生。
  • 学生コミュニティも盛ん
  • 最近の学生の傾向として座学よりも実学(ワークショップ)が好まれる傾向がある

www.studykyoto.jp

camph.net

www.kmc.gr.jp

当初はワークショップやハンズオンのようなものが出来るといいのではないかと考えていたのですが、これは開催までの時間やリソース、場所などのさまざまな制約により厳しいということでお蔵入りになりました。

せっかく日本全国から有名企業の現役エンジニアが翌日のGo Conference mini に参加するため前日入りしているので、 よりよい体験をしてもらえるなにか、座学のような一方通行な知識でないものを持ち帰ってもらえないか?ということで「キャリア相談 x パネルディスカッション = 今回のチームディスカッション」という形になりました。

kyotogo.connpass.com

なぜこのイベントを開催するか

昨今、コロナ禍以降の状況の変化の1つにオンライン勉強会の増加があります。 オンライン勉強会のおかげで日本全国どこにいてもイベント格差のない環境が整いました。

反面、今回のイベントのようなキャリアやさまざまな有名企業が集まるイベントは依然として東京開催であることが多いです。 それによりまだまだこういった誰かに相談したりするイベントは「首都圏 vs 地方」という構図が続いています。 ぼくもよく出張で移動が発生するのでわかるのですが、地方から東京へ移動する金額というのは馬鹿になりません。 よしんば、企業側が交通費や宿泊費を負担してくれても疲労や移動に費やす時間はかなりのものがあります。

今回はたまたまですが、Go Conference miniが京都で開催され、関西圏以外から多くの方が参加されるということで地方にいる学生に少しでもさまざまな現役エンジニアたちが何を感じ、どう考えているかを知ってもらう場を設けようと思いました。

ぼく自身もインターン生からキャリア相談を受けることがあります。 そういったときに皆さんが必ず聞いてくる定番の質問のようなものがあり、これを題材に議論することで課題を深く掘り下げ、周りの意見を知ることでより広い視野と想定外の気づきを得てもらうきっかけにしたいと考えています。

なぜオフラインで開催するのか

オンラインでさまざまな情報が入る現在でなぜオフラインのみでイベントをやろうと考えたのか? これはイベント特性もありましたが手軽に入手できる「就活情報」だけではない、実際のエンジニアの生の声や経験を体感してほしかったからです。

古代中国の有名な言葉に「百聞は一見に如かず、兵は隃かにして度り難し」という言葉があります。 乱暴にこの言葉を意訳すると「百回聞くよりも現場にいったほうが兵士の様子がわかる」といえます。 オンラインにはさまざまな情報が玉石混淆の状態で溢れています。 その中から珠玉の言葉を見つけるのはおそらくは至難の業でしょう。 ですので、今回協賛してくれた各社のエンジニアからそのエッセンスを感じ取ってもらおうと考えました。

たまたまですが、事業がtoC/toB/BtoBtoCといったさまざまなビジネスを展開している企業が揃っています。 また、普段東京で働く人と関西で働く人が程よく混ざっているという点でもいろいろな考え方を得るいい機会ではないかと考えました。

これは個人的な発想ですが、Go Conference miniを通して将来のエンジニアによい影響が生まれれば、回り回って業界全体によい効果があるのではないかと考えたからでもあります。 もちろん、協賛する各社の思惑に良いエンジニアを採用したいという意図がないとはいいません。 ですが、それだけを期待するならば京都では開催せず、より大きな大阪や東京で開催したほうがいいでしょう。 そうではなく、我々が暮らす地方に住む学生にとって良い機会を提供することでいつかなにかの形で還元されればいいと思っています。 この取り組みによって就活で苦しむ人が少しでも減ればいいし、減らずとも負担が軽減されればいい。

どうしても1on1な相談は相談相手のこれまでのキャリアや経歴によるバイアスが発生してしまいます。 そうではなく、よりフラットな状態で議論することでサンプル数1の答えではなく、いろんな視点や考えから刺激を受けてもらいたいと考えました。

このイベントを開催する思いと期待

個人的ですが、このイベントを通じて就活における「普遍的な答え」の向かい合い方を学んでもらうきっかけにしたいと考えています。 それによって、狭くなっていた視野が広がるかもしれませんし、想像もしなかった世界に気づくかも知れません。

就職活動というのは人生という大きなスパンの中でもかなり大きなブレイキングチェンジだと思います。 そして、大きなブレイキングチェンジだからこそ、多くの人が苦しい思いをしていると思います。 苦しいときはわかりやすい二元論の罠に陥りがちです。そうならないためには周りの声に耳を傾ける必要がありますが、 どうしても学生という特殊な立場は同質な声が多くなってしまう傾向があり、バイアスに引きづられやすい環境です。

なので、今回のイベントを通して「他人の答え」が自分に当てはまらないとわかったとき、そこから何を得ようとするかが大事だし、そこで得たものは今後のキャリアを考える上での判断材料になるんじゃないかと考えました。 魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える…みたいな話だと思ってもらえるといいです。

NARUTOという漫画に「俺が知りてーのは楽な道のりじゃねェ。険しい道の歩き方だ」というシーンがあります。

NARUTO 68巻より引用

このイベントを通して「険しい道の歩き方」の本の一端に触れてもらえればいいなと考えています。 そして、そういう体験ができるように企画を設計したつもりです。

まとめ

だいぶ偉そうにいってるし、実際に傲慢な企画であることは否定しないのですが、学生の時だからこそ得られる物があるとも思っています。 特に就活という眼の前の課題に必死になっていると前だけを見てしまいがちです。

ですが、そういったときこそ隣にいる人に目を向け、耳を傾けることでよりよい「自分の答え」をリビルドしてもらえればと思っています。 それが結果として就活に苦しんだり、悩んでいること、感じている違和感を吐き出す練習の場となって活かしてもらえれば嬉しいです。

Go Conference mini 2023 Winter IN KYOTO のトークセッション公募を開始しました。

TL;DR

今回はただのお知らせ記事なんですが、12月2日に開催予定のGo Conference mini 2023 Winter IN KYOTOのトークセッションを公募開始しました。

こちらのCall for Proposalの締め切りですが、10月2日 am0時となっています。 少しでも話してみたい気持ちがあれば、ぜひご応募いただければと思いますし、もし話してみたいが何を話せばいいかわからない場合はSlackやKyoto.goのイベントで相談してもらえればと思います。

今回、より多くの方に登壇チャレンジをしてもらおうということで地元優遇枠として「京都府社会人枠」と学生優遇枠の「学生枠」の2つを用意しました。

これらの枠は審査基準は変えず、いままで挑戦できなかった、挑戦したことがない人に向けてエールを送る意味を込めて作りました。 トラック数が1本しかないため、枠数を多く用意するなどの対応は難しかったのですが運営メンバーで相談し用意できる最大の枠数を準備させていただいたのでぜひこのブログを読んだ皆さんには応募してもらえると嬉しいです。 学生枠は京都市内市外を問わず、日本全国世界中どこの国の方でも学生として扱わせていただくつもりです。 ただし社会人学生の方は除外させていただきました。これは実務経験が乏しい学生がさらなる躍進と活躍の機会を提供したいという我々運営者の希望です。 どうかご配慮とご理解をお願いします。

Load to Call for Proposal

ここからは余談です。

イベントの現地参加枠も現時点で65名の定員枠に76名の方が応募してくれています。 大変ありがたい。

kyotogo.connpass.com

ぼく自身はおそらく当日スタッフの方の統括だったり、裏方のなんやかんやを手伝うことになると思うのでセッションに応募するかどうか悩んだ、というか応募しないつもりだったのですが自分が牽引してきた「これまでのKyoto.go」の話しとujiさん、yebisさん、そして新しく運営メンバーに加入されたたぬきさんが作っていく「これからのKyoto.go」のお話をするのにちょうどいい機会ではないかなと思ったので応募することにしました。

今回Call for Proposal を公募するまでに他の運営メンバーと意見の対立するというKyoto.goでは珍しい現象が発生していました。 それはプロポーザルに優遇枠として「学生枠」と「地元枠」を用意する際の「どこまで公平性を保ちながら、優遇するのか?」という基準が思っていたよりもぼくと他のメンバーにギャップがあったからです。

幸い、時間はかかりましたが建設的な議論の末に「我々Kyoto.goはGo Conference miniをこういうイベントにしたい!」という意思決定を確認することができました。 そこはとてもよかったかなと思っています。実際にイベントが始まってから「思っていたのと違う」という違和感や不満が募るような形にならず、しっかりと早い段階で対応できたので非常に安心してujiさんを始めとしたチーフオーガナイザーメンバーにおまかせできるという自信に繋がりました。

少しでもいいイベントにしたい、楽しんでもらえるカンファレンスにしたいと運営メンバー一同考えていますので皆さんのご参加とプロポーザルの提出をお待ちしています。

なお、登壇者になれば100%参加が保証される(宿泊費や交通費の補助はないです、ごめんなさい)ので駄目元でもプロポーザルを出してみるといいんじゃないかな!って思ってます。 「Go Conference miniにプロポーザルを出したよ!」ブログの投稿もお待ちしてます。

会場となるQuestionさんの下見もいってきたのですが新しい建物ということもありますがとてもオシャレで広々としていました。

question.kyoto-shinkin.co.jp

「(当日はここに100名近いGopherが集まるのか……)」としみじみ考えていたのでみなさんも楽しみにしていてください! 京都市外から来られる人は京都駅から少し距離があり、ちょっとわかりにくいかもしれないので後日会場までの各種ルート案内をブログで紹介させてもらおうと思ってます。忘れてたらすまん、その場合は弊社の↓なブログ記事を頼りに頑張ってきてくれ!

moneyforward-dev.jp

ではでは本日はこのあたりで終わっておきます。

#rubykaigi 2023 をふりかえる

独白的なモノローグ

昨晩エヴァートンvsマンチェスター・シティ戦があったんですが、完勝といっていい結果を喜んで今朝起きたらアーセナルがブライトンに負けていてプレミアリーグ優勝の2文字がもう一歩のところまで来て最高のお気持ちです。
インテルもいい感じに調子を上げているので応援しているチーム同士によるCL決勝が見れるかもしれない!!!とワクワクしています。
どうもお久しぶりです、luccafortです。

皆さんはRubyKaigiにいきましたか?
ぼくは行きました!!!

カンファレンスに参加したらブログを書く!という制約を自分に課しているので執筆するぞ!とわざわざ休日にしたのにオフィスに来てブログを書いています。
たまたま元同僚の方が京都に遊びに来てたのでランチにいくことになって、お土産持っていくかーと思ってたら結局オフィスで書くのが快適というね……。

結論

RubyKaigi は最高なので来年はみんなも参加しよう、次は沖縄だぞ沖縄!!!

具体的な施策や思いについては同僚の achamixx が丁寧に書いてくれたブログがあるのでこちらをどうぞ。

achamixx.com

本人に「楽しかったです!」とか「これよかったです!」とか言ってくれると多分飛んで喜びます、すかいはーい!

これはなに?

ぼくは「ブログを書くまでがカンファレンスです!」と言われて育ったエンジニアなのでRubyKaigi 2023を終わらせるためにもこの記事を書いてます。

効果とかView数とかそういうのは気にしない。書きたいから書く。関わったから書く、それでいいのだ。

今年のRubyKaigiについて

今年のRubyKaigiはある意味で「はじめてのRubyKaigi」になりました。
どういうことかというと……

  • オフライン開催のRubyKaigi に始めてスポンサー側で参加した
  • 著名なRubyistの方々と「はじめまして」ができた
  • 海外のエンジニアと拙いながらも交流ができた
  • ブース出展を通して数多くのエンジニアと交流が生まれた

初めてRubyKaigiに参加したのは2018年の仙台なのでかれこれ5年になるんだなーと感慨深いものがあります。
当時はSuper Early Birdの意味がわからなくて???となっていたところを当時マネーフォワードの社員だった卜部さん(現在も技術顧問として活躍していただいてます)が補足してくれました。
これがぼくにとってのRubyKaigiの始まりです、そう思えばあっという間のような長いような不思議な気持ちになる。

当時のTwitterのキャプチャ。卜部さんはとても優しい人。

久しぶりのオフラインRubyKaigiの感想とか

実はオフライン開催されたRubyKaigiへの参加は4年ぶりでした。
昨年の三重県津市で開催されたRubyKaigi 2022はiOSDCと一部日程が重なり、iOSDCにも会社としてスポンサーしていたためそちらの担当ということで辞退していました。
RubyKaigi 2022はブースの申請を出したんですが、まだコロナが終息していないということでブースの数に制限がかかり、抽選の結果残念ながら落ちてしまい、逆にiOSDCはブースを出すことが確定したのでそちらの担当として参加していました。
あと前述した同僚の achamixx さんが入社数週間だったので比較的馴染みのあるRubyKaigi側に行ってもらったほうがよかろうというチーム内の判断もありました。

とまぁそんな感じの事情もあって、久しぶりのRubyKaigi参戦ということでいろいろと感じたことを書いていこうと思います。
特に綺麗にまとめる気はないので、ダラダラと続くので注意してください。

まつもとはマジでよかった

一部会社のメンバーが撮ってくれた写真も掲載するんだけどまつもとはマジでよかったです。

山に囲まれたという意味では京都も似てるがやはり雰囲気がぜんぜん違って楽しい。

これは京都だとできないよな〜松本市すげえ歓迎してくれてる!

Day0について

RubyKaigi 2023は5月11日からなんですが、我々はブースの設営があったので集まれるメンバーが集って事前に設営準備をおこなっていました。
ぼくはUEFA Champions League 準決勝1st leg レアル・マドリーvsマンチェスター・シティ戦を見てから松本入りしたのでこの時点でだいぶ眠かったです。
それはそう。

設営自体は大きなトラブルもなく完了します。ホワイトボードが2枚もらえると勘違いして運営スタッフの方にご迷惑をおかけしてしまいました、反省。
その後は複数の拠点からメンバーが集まることもなかなかないだろう…ということで懇親を兼ねて飲み会にいきました。
実はこの飲み会、幹事がぼくだったのですが松本駅近辺でお店を予約したつもりが長野駅近辺になっていてやばい!!!!!となっていました。
幸い、メンバーが事前に気づいてくれて別のお店をピックアップして予約してました。こんなチョンボをまさかやってしまうとはね……。

何故か満面の笑みで麦茶を飲むluccafort

はじめてRubyKaigiでブース出展をして……

今回のブース企画に関しては前述した achamixx がブログを書いてくれてるのでわざわざ書くこともないかなーって思ってますが一言だけ。
ブースの申請からRubyKaigi 2023の開催まで思ったよりも日がなくてかなり大変でした。特にGWを挟んでしまうことで思った以上にスケジュールに余裕がないことに気づいたり、Go Conferenceの運営と重なってしまい一時期かなり負荷が高い状態になって結果、ストレスで体調を崩してしまいメンバーに迷惑をかけてしまいました。

コードレビューは思ったよりも楽しんでもらえた

当初ブースで行う企画はいくつか候補があったのですがいろんなメンバーから「エンジニアが楽しめるコンテンツを用意したい」という意見が多数だったことから公開コードレビューという企画を実施しました。 これはぶっちゃけて言ってしまうと昨年のDroidKaigi でLINEさんがされていたCode Review Challenge をオマージュしています。

engineering.linecorp.com

LINEさんの場合は「Bad CodeをGood Codeに変える」という点にフォーカスをしていました。
我々マネーフォワードは「お金にまつわるサービスを改善する」という点にフォーカスしました。

これは「単にコードレビューやりましただとLINEさんの企画を丸パクリしてリスペクトを感じない、マネーフォワードだからやれるものにしたい」とメンバーからの意見を元にどういったことができるのか?というのを連日話し合い「お金にまつわるサービスを改善する」というテーマに決まりました。

Day1は「消費税」、Day2は「ポイントシステム」、Day3は「キャッシュレス決済」という簡易的なサービスのコードを実装してもらいました。
Day1の出題者は @1060kiさん、Day2の出題者は @ise_tangさん、Day3の出題者は cat2kobanさんにお願いしていました。

このサンプルコードですが、紙に貼るということが事前に決まっていたので行数制限がありました。
そういう意味でも短いコードに出題意図を含めて実装してくれたメンバーに感謝です。

そしてなによりもあらゆる雑事やイベントの設計をしてくれた @achamixx には最大の感謝を送りたい。
普段ぼくが京都で働いてる関係でブース設営に必要なものの手配などの一番最後にやらないといけない、でもミスが許されない面倒な仕事を一手に引き受けてくれて対応してくれました。
もうあちゃさんに足を向けて寝れないぜ。

実際にコードレビューを楽しんでくれている図。

onkさんとPENさんも来てくれてた。感謝!

RubyKaigiはRubyistとの同窓会

ぼくはRubyKaigiがとても好きなんだけどもそれってなんでだろうなーと考えたときに「Rubyistとの同窓会だから」だなーと思いました。
元同僚とあって最近どうしてる?とかコミュニティや他社の方とRubyについて「さっきのXXXさんのセッションの○○がめちゃくちゃ面白くて〜」みたいな技術の雑談をするのが楽しいし、好きなんだなと改めて思いました。

現同僚と元同僚が写真撮ってる図

カンファレンスと参加者をつなぐなにかがほしい。

反面、めちゃくちゃ楽しめてる人とそうでない人たちが分かれているだろう…というのは感じていました。
これは今回のRubyKaigiで感じたことではなく、さまざまなイベントやカンファレンスに参加するようになって「はじめまして」なエンジニアが参加したときにどうしても馴染んでいる人とはじめましての人をつなぐ架け橋的なサムシングが足りず、一定数カンファレンスを楽しみきれずにいる人がいると感じていたことに起因します。
今回特に感じたというわけではないのですが、たまたま以下のブログを読み、「そうだよなー学生とか初めての人はそもそも楽しみ方がわからんよなー」と思っていたのでした。

tomio2480.hatenablog.com

個人的にはこちらのtadsanのスタンスが真似しやすいのかなーと思うんですがぼくはファンベースがいうところのコアファンとしてのふるまいを意識している気がします。

gist.github.com

これは恐らくぼくがコミュニティに入るときに助けてくれた @soudai1025@ryosmsmhidaka あたりの影響を強く受けているのだと思います。
なのでtadsanさんのブログでいうと「まず自分が最高のゲストになることを意識する」はぼくも意識的に行っています。最高のゲストがどういうものかは人それぞれかなーと思うんですが、できるだけ意識しているつもりです。

反面、これは強者のふるまいであるとも思っていて @tomio2480 さんのブログに出ていたカンファレンス筋が育ってない状態ではなかなか最初の一歩が踏み出せないし、踏み出せた人の近くにはやっぱりコミュニティを盛り上げている素晴らしいエンジニアの方がいて運営に近い人に「彼・彼女がこういうことを考えてるらしいんだけどどう思う?」とフィードバックの橋渡しをしてくれる人がいるように思います。
そういった人と遭遇できるかどうかはかなり偶発性に依存するというか、再現するのが難しい気がしており、このあたりもう少しなんとかうまくできないかなーという悩みがあります。

これが正解、というわけではないのですが、カンファレンスやイベントの運営チームは大抵の場合タスクに追われてしまいがちです。
Go Conferenceの運営をするようになってより実感したのですが、やるべきこと、確認すべきことが山のようにある一方でスタッフの数は限定的です。
それを期間内にやりきる必要があり、かなり多忙です。もちろんカンファレンス以外に本職の仕事もあるのでどうしても片手間になる面があります。

一方、ビギナーな参加者はそういった文脈とは別で考えるべきだとも思っていて、参加した人に最大の価値提供をしたいと考えているけれどどういったフィードバックをもらえるといいのか運営からは見えなかったりします。
ここに情報の断絶があり、どうにかしていい感じに橋渡しをしてくれる人がいると嬉しい……と常々考えています。

その一つの解決手段として「カンファレンスの歩き方」のようなドキュメントがあると改善するかもしれないなーとは思いつつ、果たして初めてカンファレンスに参加する人がそれを読むだろうか?というのは半信半疑な感じがしています。
自分のケースだとカンファレンスが終わったあとにそういったドキュメントに辿り着くんじゃないかなーと。
とはいえ、価値がないわけではないのでドキュメントに関してはあったほうがいいと考えています。それだけだと足りないので何かしらビギナーな方がアクションしやすくなるフックもセットで設計してあげれるとより良いのだろうなーと考えていました。

来年のRubyKaigiではそういった課題に自分なりになにかしらの回答を持って挑めるといいなーと考えています。
「カンファレンスビギナーのためのRubyKaigiの楽しみ方」みたいなイベントを企画してみるとかはありかもしれないなと思っています。

Shippio x MoneyForward

最後に宣伝です。
今週末の19日(金曜)にRubyKaigiのスポンサー同士でアフターパーティーを開催します!

moneyforward.connpass.com

弊社マネーフォワードはエンジニアの社内共通語が英語になるためこういった英語登壇やイベントを開催したいと考えていた折、Shippioさんを見つけ打診させていただいた流れです。
たまたまですが弊社オフィスがある田町から1駅の浜松町でとても近くて移動が助かるなーと思っていますw
当日はぼくも京都から出張で参加する予定です、まだ資料はできていませんが飛び入りLTできそうだったらやってみようかなと考えています。
実現したら人生初の英語LT登壇になりますね、TOEICの点数が最近伸び悩んでるのでかなりプレッシャーを感じてます。

さらに翌週の24日(水)はKyoto.rbで今回のRubyKaigi 2023をふりかえろう!というイベントを開催します。
こちらは登壇枠を用意していますが、「このセッションが面白かった!」や「初めてRubyKaigi参加してこう感じた!」、「ブース設営したけど大変だった」、「運営スタッフしたけどめちゃよかった」みたいなRubyKaigiに関するなにかを話してもらえればいいかなーと思ってます。
準備とか大変だと思うのでひたすら5〜10分くらい話すだけのスタイルでもいいかなーと思っています。という感じでRubyKaigiが終わってからもRubyKaigi熱は冷めないのだ!という主張をしてブログを終えようと思います。

kyotorb.connpass.com

来年のRubyKaigiは沖縄開催なので前後で休みいれるかワーケーションして沖縄満喫して帰ってこようかなーとかなり本気で考えています。
5月なら海開きしてるだろうし、ちょうど熱くなり始める時期だから最高カンファレンスでは???

RubyKaigi 2023でスポンサーとコミッター特典の名前を書く権利を行使してきました。
ちょっとしたことですが、めちゃくちゃテンションが上って自撮りしようと四苦八苦していたらスタッフの方が見かねて撮影してくれました。その説はお世話になりました。

スポンサーボードに名前が書けて最高だった。ひゃっほーい!!!

友人に「太った?」って言われたけどXLサイズ来てるから太って見えるだけ!

今年のRubyKaigiも最高だったぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

BLUE GIANTを観た。これは原作ファンが観たかった雪祈のための物語。

bluegiant-movie.jp

観てきました。 当初感想を書くつもりはなかったんだけど、みたらいまのこのジェットコースターのように乱高下したグチャグチャな感想、というか感情を表現するのはいましかないと思ってブログを書いています。 ネタバレ……はできるだけ避けるというか、ぜひ観てほしいので具体的なことは避けるつもりでいるけど誰にとってネタバレになるかわからないので気になる方はいますぐブラウザのタブを閉じてほしい。

総評という名のグチャグチャな感情の発露

ぼくは原作のBLUE GIANTのファンだ。 とても好きな漫画だし、何度も何度も読み返すくらいにはとても好きな漫画だ。

そしてBLUE GIANTの影響でサックスを始めた一人でもある。 まず、全体の感想だが……正直まとめきれない。

とにかく感情が乱高下し続けた作品だった。 この表現が的確なのかどうかわからないが、通常作品に感動して涙するとき心の奥底から感情が揺さぶられるのに対してこの作品は作品の中から揺さぶられた感情が叩きつけられる…そんな感覚を味わった。

音楽がどうとか、モーションアニメがどうとか、思うことが多々あるのだが観終わったときの感想はただ深呼吸するしかない、それほど魅入られた作品だったように思う。

この作品をどう表現するかはなかなか難しいのではないかと思うが、ぼくが感じたままの言葉でいうならばこの作品は原作を読んでいたぼくが見たくて見たくて、でも見ることができなかった「雪祈のための物語」ではないかと感じた。

原作が「玉田の物語」だとすると、映画は「雪祈の物語」そのように感じた。 原作をただなぞったものを映画化したのではなく、BLUE GIANTを読んだ人が一度は頭の片隅で感じた、あの事件のあとのIFストーリーを映画で表現したのだと思う。 それは原作ファンの誰しもが読みたくて、でも読んでしまうとそれは蛇足に感じてしまう…そんな危険な、でも魅力的なストーリーだったのではないかと思う。 映画化するにあたりストーリーを考えられた方が原作のファンであるかは知らないが、もし自分が同じ立場だったとしたら相当に悩んだのではないかと思う。 ある意味では原作を踏みつけて汚すことになりはしないだろうか、と。

当初からこの映画を見たら多分涙ぐむんだろうなぁとは思っていたのだが、涙ぐむことを恥ずかしく思わない。 むしろこの映画を見て涙を流すことを誇らしく感じた。

ただただ感嘆のため息がでる至福の2時間を堪能させてもらった。

あり得ない はずの夢の物語をみることができ、ぼくはいまとても幸せな気持ちになっています。 総評としてはこのような感じになる。

評してないとかそういうことはいってはいけない。

少し落ち着いたので各種感想とか

ここからは見ていてちょっと気になるなーとか、これってこういうことだったのか!と感じたこと思ったことを中心に書いていこうと思う。

エフェクト(演出)について

映画が開始した当初、主人公である大がサックスを吹くシーンでちょっとした違和感を覚えた。 それはエフェクトとでもいうのかサックスがギラギラとした表現で音楽をサポートする点だ。 音楽に集中したいのに、正直このエフェクトはあまりあっているように感じず、個人的には邪魔、ノイズだなぁ…と感じていたのだが全てを観終わったあとではあれはそういう演出だったのかもしれないと感じている。

詳しい言及は避けるが、映画のラストシーンでやはりこれらのエフェクトによる演出が登場する。ラストだけではなく演奏があるたびにこの演出は発生するのだが、なんというか徐々に成長、進化しているのだ。 最初はギラギラとした尖った演出だったものが、雪祈や玉田とバンドを組んで刺々しい演出が収まり徐々にシンフォニック、同調していくような円熟味を増していくのだ。 そしてラストシーンでいままでの成長ではなく進化を遂げ、全く予想だにしない展開へと発展する。 まさにJASSの軌跡をなぞったような演出に「もしかすると演出家は意図して表現していたのではないか?」と思ったくらいである。

モーションアニメについて

次にモーションアニメ。 ぼくは個人的にあまりモーションアニメが好きでない。好きでないというか違和感がどうしても生まれてしまい作品に集中できないので基本的にアニメでは避ける傾向がある。 この作品ではどうか?というと演奏シーンのみモーションアニメが採用されていた。 かなり頑張っているのだろうということは想像に難くないのだがやはり違和感の壁は如何ともし難かった。 ただ大の背中、サックスの演奏中に本来なら観客が絶対に見れない視線から大の背中が躍動している様をみるのは続々した。 よく背中が大きく見える、という漫画表現があるがそれに近い感情を持った。 もしかするとあれは玉田が感じていた感情と視点だったのかもなぁ…と観終わったいまは感じている。 ともあれ、モーションアニメはこの作品においてかなり難しい立ち位置にある評価だと思う。

悪くはない、がよくはない(やや悪いよりかも?)という感じだ。 これは制作陣が悪いというよりまだまだ技術が追いついていないのではないかと思ってるので次回作があるならばそれまでに進化していると嬉しいなと思っている。

シナリオ

そして、シナリオ。 これは当初仙台編がないと知って、「えー!バックボーンなしにどうやってあの感動を伝えるのだ!」と思っていたのだが全くもって杞憂だった。 原作を知っているから、というバイアスはあると思うので原作未読の方の感想を保証するわけではないが、ぼくは十全に楽しめたことをここに記す。

某女子が大に会いに来るシーンや大のサックスの先生である人、高校の音楽教師(個人的にここのエピソードはとても好きなので見れなくて少し寂しい)などなど名場面が見れないのは単純に残念であるものの、映画という限られた時間で東京編を濃縮圧縮しながら原作の味を損なうことなく表現していると感じた。 それどころか映画版でしか感じられないストーリーと味わい、奥深さを感じられる素晴らしい作品だったと思う。 少し残念に思うのは雪祈がピアノを引くきっかけになった女の子が夜逃げしたシーンが語られていながら、So Blueでゲストとしてピアニストとして一皮むけたあとに出会う感動的なシーンがあるがその表現がなかったのは少し残念に思う。思うが、もし詰め込んでいたら感情のアップダウンが激しすぎてノイズになってしまったのかもしれない。 そういう意味では仕方ないのかなとも思うが、個人的にとても好きなシーンの1つなので観てみたかったというのが正直な感想だ。

個人的には文句なく満点であり、様々なシーンで楽しい気持ちやワクワクする気持ち、そして悲しい気持ちや悔しい気持ち、絶望…からのプラスともマイナスともいい難い衝撃的な感情とジェットコースターのように乱高下するストーリーを提供してくれたシナリオライターの方々に感謝している。 とても、楽しめました。楽しめたという一言で表現ができなくらい素晴らしい作品でした。

そしていちばん大事な音楽について

最後に音楽。 これはもうなんというか表現が難しい。 良いとか良くないとかという言葉で表現できなかったというのが正直なところだ。 大たちのバンドの演奏シーンなどは目を瞑って音楽に没頭したい気持ちになりつつも、前述している「成長の軌跡のエフェクト」がどう変化していくのか見届けたい気持ちもあり、終始葛藤しながら音楽を聞いていた。 音楽を最大限楽しむべきか、それとも映像作品として楽しむべきか。 その苦悩と葛藤を感じる憎らしい作品だったと言えるかもしれない。

原作のときには音が聞こえてくる漫画(だったと思うが間違っていたらすまん)と評されるほどの表現力をどう表現するのだろう?と少し疑問というか不安を持っていたのだが、意外と最初から違和感なくすんなりと受け入れられた。 同じ音楽漫画でいうとBECKなんかは「この音楽はこういう音だったのか」と思うことがあったのだがそういった感情ではなく素直にストンと受け入れることができた。 これはとんでもないことなのではないかと思う。 原作ファンにはそれぞれがイメージする「妄想上のJASSの音楽」がファンの数だけあると思うが、それらに違和感を感じさせることなくスッと入ってくる音楽を作り上げている点に観終わってから気づいて戦慄した。 制作陣がどういった苦悩の日々を繰り広げたかわからないが、作品を最大限楽しむことができる音楽に仕上げてくれたことをとても感謝している。

どの音楽も素晴らしく心地よく、また映画館でみたい!と思った自分の判断は間違いではなかったなと思う素晴らしい出来だった。 音楽のことに造詣が深くはないが、ぼくはとても満足している。

終わりに

さて、だいたい現時点で言いたいことは言い尽くした気がする。 作品としてはとても良かったし、多くの人に観てもらいたい……がなによりもこれは自分の心の宝箱にしまい込みたくなる映画だなと感じたのが正直なところだ。 もちろん、同じ映画を見た者同士で語り合うこともしたいのだが、ぼくが感じたいまのこのグチャグチャな感情はぼくだけのもので、この瞬間をとても大事にしたい。 だけど、JAZZと同じできっといつまでも同じということはなく、変わっていくのだろうとも同時に思う。

なので、いま感じている感情をまとめずにそのまま吐き出してみた。 半年後一年後、ブルーレイが販売されそれを観たときに同じような感情のシャッフルが起こるのか、それともまた別のなにかに変わるのか全く予想がつかない。 ぼくはあまり映画を見ても感情移入しないタイプの人間のようで「面白いとは思ったが感情移入はあまりしなかった」ということが多々ある。 これは家族と映画を見に行ってもそうだし、友達と見に行ってもそうなので感情のスイートスポットが狭いか変なところにあるのだろうと思う。 そんなぼくにとってとてもドンピシャな作品だったことは間違いがなく、誰かを誘っていくとか楽しむためではなく自分のためだけに観たくなる、そんな映画だったことを記しておく。

もし、ぼくに子供がいて大きくなったら見せたい、そう思わせる素晴らしい映画でした。 可能なら続編であるシュプリームか、仙台編もみてみたいなと思ってます。 仙台編はもしかするとテレビとかのほうがいいのかもしれないけど。