夢破れて山河あり、でも夢のカケラをモザイクにして新しい絵を描くことはできるんだよね〜って話し

qiita.com

この記事は「技術広報 Advent Calendar 2025」13日目 の記事です。
「技術広報 Advent Calendar 2025」に登録されていますが、この記事の大部分は技術広報的な側面よりも、そこから離れた現状の報告になっています。

TL;DR

  • 技術広報から横断組織のプロジェクトマネージャーになって半年経過したけどどう?
  • 技術広報とプロジェクトマネージャーは何が違うか
  • 失敗しても、夢のカケラで別の絵を描けばいい

半年後の現在地

前回記事からだいたい半年が経過しました。毎回いってるけど本当にあっという間の出来事ですね。

moneyforward-dev.jp

luccafort.hatenablog.com

技術広報からプロジェクトマネージャーに移動する前はプロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーの差異もわかるようなわからないような……と感じていましたがいまでは自分の言葉で説明できる程度には解像度が高くなりました。 書籍を読んでわかったつもりになっていた部分の解像度がグッと上がった形ですね。

至らないところもありつつ、及第点くらいは出せるんじゃないか?という話を先日上司として合意をもらえました。 もっとやれたんじゃないか?という点に関しては、少し事情があり公開できないのですが、現状できる範囲での最大値を出せたように思います。 変化として如実に感じていることとして、以前よりも圧倒的に英語でのやり取りが増えました。 これは社内のドキュメントやチャット、そして会議のような会話も含みます。 会社が足切りとして設定しているTOEICの点数はクリアしたものの当たり前ですが全然足りず、なんとかしないといけないなぁと感じているのが正直なところです。 ここは今後の改善点ですね。

それ以外でいうとやはり見積もりが難しいです。 自分が開発するときも難しかったですが、他のチームが順調にプロジェクトを推進しているかどうかを管理、進捗を把握するのはかなり脳内負荷が高かったです。 これは技術広報とは違った苦労だったかなと思います。

技術広報とプロジェクトマネージャーは何が違うか

本質的な点でいうとあまり変わったという気はしないです。 よりユーザーという意味での解像度は高くなったとは思います。 横断組織の認可基盤のチームにいるので、主に対象となるユーザーは

  • プロダクトを使ってくれているエンドユーザー
  • プロダクトを開発している社内の開発者

の2種類に絞られます。

すごく抽象化してしまうと基本的に技術広報もプロジェクトマネージャーも「価値を届ける」仕事をしていると思ってます。 プロジェクトマネージャーはそこに対して「プロジェクトを大過なく完結させること」がミッションの大部分になるので攻めか守りかでいえば守りのイメージが近いですね。 一方で技術広報は「埋もれている価値を掘り起こして、知ってもらうこと」がミッションになるので攻めのほうがイメージにあうかなと思います。

ただ根本的なところはあまり違いは変わっていないなというのが個人的な感想です。 どちらの職種も自分だけではミッションを達成することができない、周りの人の力を借りる必要があります。 彼らが推進力になるので、代わりに自分が進むべき道のりの障壁や障害を先回りして整理するという意味では大枠は技術広報もプロジェクトマネージャーも変わらないです。

どちらも「何故必要なのか」「どんな価値があるのか」「どんな未来にたどり着きたいか」を伝えるという意味では等しく伝道師的な役割は変わりません。 ただ、そのための手段というか武器が違っていて、技術広報のときはルールを制定したり、制度の不備を整理したり、そもそも社内で見過ごされている価値あるものを見つけるディスカバリーのフェイズがありました。

一方でプロジェクトマネージャーは、開発チームがうまく認可サーバーを使って公開APIをリリースできるようにするために「何をするといいか」や「全体最適としてどうなっていなければいけないか?」をイメージする必要があります。 望んで飛び込んだわけですが、やはり技術広報よりも開発に近い設計のタスクの難しさに直面しています。

技術広報の設計の対象は組織という目に見えない何かを最大限の想像力と配慮しないといけない部分を考慮して、設計する必要があります。 そのため、やってみないとわからないし、他社でうまくいったことの猿真似をしてもうまく行かないため、自社で適用したときにどういった反応が発生するかをシミュレーションする必要がありました。

その点で、プロジェクトマネージャーは実際に開発チームが困っていることをフィードバックとして平均化できるので、より困りごとが具体である点は違うなと思います。

失敗しても、夢のカケラで別の絵を描けばいい

さて、技術広報からプロジェクトマネージャーに変わってみた話はこれくらいなんですが、これを読んでいる人はおそらく「技術広報を引き受けたけど次のロールモデルが見えない」と悩まれている方か「技術広報になりたいがエンジニアのキャリアに戻ってこれるのだろうか?」と考え込まれてる方じゃないかなと思います。

ぼくから言えることがあるとしたら「知らん!!!!!」ってことです。

キャリアって当たり前ですけど、当人だけでコントロールできるものじゃないです。 技術広報になりたくても社内にそのポジションがなければ就任できないし(まずはポジションを作るところからになる)、逆にエンジニアに戻りたくてもぼくのように戻りたい先のチームが受け入れ可能かどうかって問題があります。

これは読者の方の能力の多寡は関係なく、外部変数として条件判定が存在していることを意味します。 そのため、明確なことは言えません。

とはいえ、それだとさすがに無責任なのでぼくから言えることとしては「ブランクは空くかもしれないけど、新しく人を採用するよりは価値を提供できる自信があるなら戻れるし、ないなら戻らないほうがいい」って感じです。

たまたまなのか、ぼくの周りにはかつて技術広報だったがいまはプロダクトマネージャーをされている方やデータエンジニアに戻られた方、昇進されてVPoX/CXOのようなポジションに就かれている方がいます。

技術広報とかDevRelみたいなワードは真新しい職種のラベルなのでキラキラして映るけど実際には自分たちが仕事とかやることを定義して道を作っていく"覚悟"みたいなものが必要なんじゃないかなって思います。 ちょうど今日(12月10日執筆時点)読んでいた書籍にまさしくな「新しい職種はどう生まれるか」という節がありました。

ITエンジニアの転職学 2万人の選択から見えた、後悔しないキャリア戦略 (KS科学一般書) より引用

https://www.amazon.co.jp/dp/4065412390/www.amazon.co.jp

おそらく、技術広報などの職種はエンジニアの給与が急激に高まったここ10年くらいの状況を反映していると思います。 エンジニアは採用したい、でもいますぐ給与を上げることは難しい……それ以外の方法で魅力づけをしたり、組織を知ってもらう必要があるがこれまでやっていたEMやCTOの片手間ではどうにもワークしない……!みたいな課題から生まれてるんだと思います。

なので「まあやってみなはれ」って感じで挑戦してみるといいんじゃないかなって思います。 仮に失敗したとしても、その夢のカケラを紡いで別の形で実現してみるってのはできるんじゃないかと思います。

というのも、執筆している現在12月10日にぼくは40歳の誕生日を迎えました。 結婚もしてないし、プログラマーを目指した当初に夢描いていたゲームプロデューサーにもなっていないし、なんなら当時は東京に住んでいたけどいまは関西に戻ってきている。

でも、プロデューサーになる夢はプロジェクトマネージャーで一部補完されているし、有名タイトルのゲーム開発に携わりたい!って夢は日本の全人口の約1割が使ってくれる家計簿アプリの会社で働いているしで、夢のカケラが昔の夢とつながっているんじゃないかな〜って気持ちになってました。

もちろん、その過程は思い描いていた100倍くらい泥臭いし、全然理想とは遠いんだけどまあふりかえってみたら同じではないけど似た別の形で表現できているし、寄り道をしたけどまあ思ったよりも悪くはないんじゃないかなって感じです。

そして、根本的な部分「なにかを作り続けるクリエイターでありたい」という思いは現在も消えていないので、土台の部分が変わらなければその上に乗せるモザイクの形は多少変わったとしても実はあまり大したことがないのかなって気がします。

夢のカケラをモザイクにして〜」みたいなのはぼくのオリジナルじゃなくて王様の仕立て屋サルト・フィニート~って漫画のオマージュです。 面白いのでぜひ。

何が言いたいかっていうとあなたの技術広報としてのキャリアはあなたしか歩めないし、仮に失敗しても理想の状態ではないかもしれないけど近似値に寄せることはあなたの実力をいかんなく発揮すれば可能ってことです。

これは無策で飛びつけって話をしてるんじゃなくて、「本気の失敗」には価値があるからリカバリーできるって話です。 同じ道にはいかないかもしれないけど、全く意に反する道にはならないんじゃないかって思います。

alu.jp

なんか説教臭くなってきたのでこのあたりで終わる。 自分の価値は自分が見つければいいんだけど、自分の価値を定義するのは他人なので、本気で失敗したことはきっと見てくれる人がいるよってことが言いたかったって感じです。

仮にそういう人がいなかったらそれはさっさと別の環境に飛び込んだほうがいいってことだから損切りとしてもそんなに悪くないと思うしね。

言い忘れたけど最後に

そうそう。言い忘れたので最後に書いておくんだけどこの記事の公開を持って、DevRel Guildを脱退しようと思う。 なので技術広報 Advent Calendarを書くのは多分今回が最後になる。

脱退する理由としては、自分が技術広報でなくなったことが大きい。 いつまでも役割が変わった人が大きい面して部室に居座ってたらそのサークルや部活は気を使うじゃん? だったらまあ元気にやってる人たちにその席を譲ったほうがいいだろうし、そのほうがいいよね。

@r_kawamataさんが募集していたのが2023年なんだねぇ、懐かしい。

12月10日 19:50現在のDevRel Guildの general チャンネルには661名のメンバーが所属している。 転職前のアカウントが残っているケースもあるからユニークではないと思うけど、それでも大きなコミュニティになったよね。 それだけ各社採用戦線で苦労していた、エンジニアのエンゲージメント向上や技術ブランディングに苦労していたんだと思う。 そういう口伝だったものが相談できる場所ができたってのは素晴らしいと思うし、その職種でアドベントカレンダーをやれるまでになったのは純粋にコミュニティにかけてきた労力と熱意の賜物だと思う。 これからはちょっと違う立ち位置から見守ることになると思うし、タイミングがあえば参加したことがないDevRel Guild Meetupにも参加してみたいと思うので顔を出す予定です。 ただ、あくまでも第三者的にはなるのはぼくなりの技術広報を辞めたことに対するケジメのようなものだと思ってくれればと思う。

問題はアルマ王国(ただの飲み会の日程調整チャンネル)がDevRel Guild上にあるからこれがなくなるのだけはちょっと困るかなぁ……ってところかな。 まあXのグループチャットでもLINEでもなんでも代替は可能なんだけど、その辺りはまた考えようと思う。 ともあれ、2025年中を目処にSlack Workspaceからは抜けようと思うので、もし何か相談したいとかちょっと雑談したいよ〜ってことならオフラインで捕まえてもらうか、他のSNS経由で連絡ください。

Kyoto Tech Talk #9 をマネーフォワード 京都開発拠点で開催しました #kyototechtalk

表題の通り開催しました。 今回はとても学生の参加率が高くて、全体参加者(運営や登壇者含む)の1/3が学生の方でした。

moneyforward.connpass.com

所感

イベントの発端

元々は id:onk とぼく、そして id:pinzolo がKyoto.rbを開催したけど実質運営メンバーしか集まらなくて、「どうやったら若者やRubyを書いている人たちに参加してもらえるか?」という問いから「京都のWeb企業が元気がない、業界が盛り上がっていればきっと人は来てくれるはず!」という仮説からスタートしました。

当時、Kyoto.rbはまだDoorkeeperを使ってましたね、懐かしい。

kyotorb.doorkeeper.jp

現在はconnpassに活動場所を移動しています。

kyotorb.connpass.com

Kyoto Tech Talkの実績

Kyoto Tech Talk #1が2023年6月なのでおよそ3ヶ月に1回ペースで、協賛企業の会場を持ち回りで開催するスタイルで2年半ほど運営してきた結果、当初の目的だったKyoto.rbへの参加率増加や学生の参加などが実績として積み上げられているのはいい話だなですね。

line.connpass.com

企業に興味がある人が参加する ↓ イベントでコミュニティの存在を知る ↓ コミュニティに参加する新たな人が増える ↓ コミュニティが活性化し、運営者や参加者がハッピーになる

こんな感じで企業とコミュニティ、そして個人が幸せになる三方良しになる設計がちゃんと循環していてよいですね。 特に #5 で「学生LTを追加するのはどうか?」とLINEヤフー(当時はLINE)の田中さんから提案されたのが現状につながっている気がします。

lycorptech-jp.connpass.com

京都は東京23区の人口5万人における学生比率よりも高い人口の1割ほどが学生という特色があります。 各Web企業が京都に支社や開発拠点をおく理由の大きな点に「優秀な学生との接点を持つこと、そして新卒採用のフローに乗ってもらうこと」があるのは公然の事実でしょう。

そういった意味で、学生LT枠があることで学生の発表の場を提供することができるし、企業としても学生との接点を持てるし、個人としても学生の発表を楽しめるしで最高ですね。 どうしても年齢ごとに活動するエリアというか範囲というのはセグメント化されやすく、分断が容易に発生してしまいます。 それ自体は自然なことなのですが、これらが混在するカオスな場というのも一定刺激を受けるという意味で大事だと思います。

Kyoto Tech Talkがそういう機会を提供できてそうで、良かったなって思ってます。 初LTがKyoto Tech Talkだという学生の方もいて、こういうのを大人側が提供できるの大事だよねぇ〜ってなってます。

マネーフォワードのインターン生を登壇させることができた

個人的には同じチームで働いている長期インターン生の仙波さんと同じく長期インターン生の足利さん 1 を発表者として送り込めたので満足しています。 学生LT枠は5枠用意していたんですが、残り2枠が空いている状態でどうなるかな〜って思ってたんですが、飛び入りLTをしてくれる方がいたり、懇親会でも飛び入り宣伝や発表をする人がいていい感じにカジュアルな場を提供できて良かったんじゃないかなって思ってます。

足利さんに関しては技術書典19に参加した方はもしかしたら知ってるかもしれないですね。以下の記事を書かれた方です。

note.com

これまではてなさんで学生アルバイトされている方がよく発表していたのを悔しい気持ちで見ていた(うちにもいるのに発表できていなかった)ので今回はリベンジできたぜ、ガハハ!

もっと京都にあるコミュニティや企業に利用してもらいたい

Kyoto Tech Talkは出発点が「企業やコミュニティに相互作用をもたらしたい」というものです。 そのため、協賛企業は以下の2点、どちらかを満たせばOKという緩い制約で運営しています。

  • 会場提供をしてくれる企業
  • 登壇者を提供してくれる企業

弊社は今回会場提供をおこなったので次回は1年後ですかね。 登壇者はガンガン送り込んでいきたいと思っているので、そこは次回3ヶ月後のときにもやりたいと思ってます。 まだ登壇者の目処はついてないんですけども。

そして、今回懇親会でSansanのInnovation Labの方が「会場提供できるかも?」と相談してくれました。 「会場提供は難しいけど、登壇者なら……」であったり、「登壇者は難しいけど会場提供なら……」という方はぜひお声がけください。

懇親会でもKyoto.ktのイベントページが公開され、宣伝してもらったりしました。 コミュニティや協賛企業のイベント集客とか宣伝に活用してもらうのは全然ありなのでガンガン利用してください。我々も利用させてもらいます!

kyotokt.connpass.com

正直なところ、参加人数は30〜50名が安定的に集客できているのでこれ以上増やすと運営が大変になるのであまり大きくしたいって気持ちはない。 その代わり、いろんな企業の人の話が聞けると嬉しいんだよなぁ。製造業の人の話とかIoTの話とか医療系テックの人の話とか聞きたいじゃん。あとはゲーム会社が京都にはいくつもあるのでそういう人たちの話も聞きたいかもしれない。

とりとめのないまとめ

今回、学生が思いの外多くて発注していたピザが足りなかった説がありますが、まあそれなりに盛り上がったんじゃないかな〜と思ってます。 また今度都合があえば参加してくれると嬉しいし、登壇してくれるともっと嬉しいです。 余談ですが、今回学生が多かったので何経由で知ったんだろう?参加したんだろう?と思って質問してみたけど「connpassみたらイベントが開催されていた」というのが一番多い理由だったので、継続的に活動して学生の目に止まれるようにするのがいいのかもしれないな〜と思いました。 もちろん、これまでもやってたけどこれまで以上にやったほうがいいのかもしれない。

企業がイベントを開催するときってこれまでの積み重ねじゃなくて、急に「新卒イベントやるよ!集まれ〜〜〜!」とかやりがちなんだけどこれってはっきり言って学生からは一度きりなので気づけないんですよね。 なので、Kyoto Tech Talkでもいいけどそれ以外の場所でもそういう情報を流してくれると嬉しいなって思ってます。

ただ宣伝しに来ました!だけだとコミュニティやイベント参加者から反感を持たれてしまうと思うので、そこは登壇するとかで解決できるんじゃないかと思う。

おそらく例年通りなら上場企業系の会社は1〜3月くらいにサマーインターン生の募集を開始し始めると思うので、もし気になる企業や住んでいる近くの企業があるならウォッチしておくといいかも。


  1. 足利さん本人から「今後進捗ゼミではなく本名に統一したい」と言われたので本名を採用しています。

#技術書典19 オフライン会場で「まねふぉ執筆部」として Money Forward TechBook #11, #12 を頒布してきました

新刊2冊とも買ってね!

TL;DR

  • タイトルの通り
  • オフライン会場で「Money Forward TechBook #11」「Money Forward TechBook #12」ともに「紙 + 電子版」が完売してめでたい
  • とはいえ、いまのところ純利益が1万2000円ととても寂しい状況なので買ってくれ

なにはともあれ買ってくれ

本日14時時点で以下のような状態。印刷代は回収できたけど執筆してくれたメンバーの打ち上げ代が払えねえやべえ!!!!!という状態。

売上 69,800円
印刷代、▼57,040円(関西版 24,960 円 + 福岡版 32,080 円)
純利益 12,760円

というわけで、なにはともあれ買ってください。
今回は新刊が2冊あります。

techbookfest.org

techbookfest.org

価格設定の前提について

「電子のみ版」よりも「紙 + 電子版」を安くして、在庫を作らない作戦

弊サークル「まねふぉ執筆部」の編集長をぼくがやり始めてから値段設定は以下を原則としています。

  • ページ数 x 10円 がだいたい頒布する同人誌の値段になる
  • オフライン会場に参加する場合、「電子のみ版」よりも「紙 + 電子版」を安くする
  • オンライン会場の値段が最も高額になるように設定する(オフライン会場の「電子のみ版」と同額のケースもある)
  • オフライン会場では現金受取不可を遵守。どうしても駄目な場合は応相談

他のサークルがどういう値段設定をしているかは知らないんだけどぼくらはだいたいこんな感じで値段設定をしている。
実際にはキリがいい数字にしたり、諸経費が発生していたりするのでプラスアルファを計上したりして調整しています。

新刊が2冊になった経緯について

設営準備中の写真。テーブルクロスを敷いて本を並べるだけでテンションがあがる

技術書LOVE♡のうちわ、季節外れだったけど設営グッズとしては目立っていて最高

薄くない薄い同人誌は高い

前作「Money Forward TechBook #10」を買われた方はご存知かもしれないんですが、これ1,800円してたんですよね。
で、頒布する側として思ったこと……たけえ!!!!!!!
(現在開催中の技術書典19では若干安くして1,500円で頒布してます)

techbookfest.org

ともあれ、これは別にボッタクっているわけではなく、だいたい印刷代を回収しようと思うと前述した計算式に乗っ取るとこのお値段になります。
よほど電子版が売れない限り基本大赤字になっちゃう計算なので、こうせざるを得なかったというのが正直なところです。
この問題作(?)は160ページ超だったこと、100部刷っていたこともあり、在庫を抱える危険性がありました。
そういった諸々を加味したお値段が1,800円になります。

なんですが、やはり会場で「読みたいものはあるけど、自分が読みたい1章のために1,500円は高い」であったり、「重そう&高そうなので他のところを見てからまた来ます(忘れてしまってこない)」であったりとやはり頒布には苦労しました。
これは弊サークルのような合同誌の弱点だが深く1つのテーマを掘り下げることが難しいという課題がある。
そのため、どうしてもトピックはとっ散らかるし、広く浅くを攻めることとなる。これが故で売りにくいと言われたこともあるし、自分自身でも感じたことがある。

それでもなんとか90%ほどは頒布し終えたわけです、頑張ったなぁ……。
前回の話は以下に書いてるので興味があったらお読みください。
あ、打ち上げですが夜にやるとたいしたことないけど、昼間にやると高級ランチが食べられてQoLが爆上がりするので個人的にはオススメです。それよりも酒じゃい!!!って方でなければ1度試していただけると。

luccafort.hatenablog.com

luccafort.hatenablog.com

ともあれ、そういった形で意図せず(本当に意図せず書いてくれる人が多く集まってしまった)「薄くない薄い本」ができてしまったわけです。

いいかい学生さん、同人誌をな、同人誌を好きなだけ買えるくらいになりなよ。 それが、人間えら過ぎもしない貧乏過ぎもしない、ちょうどいいくらいってとこなんだ。

そうするとお値段が跳ね上がる。
まあ大人なら気にせず「買ってくれるよね???(圧」みたいにして買ってもらうんだけど、前回のときにちょっとしまったなぁ〜となったことがありました。
なんと学生の方が買ってくれたんですよ、それも1,500円出して。
さすがにこれはしまったなぁと思いました。

学生の方が弊サークルの本を買ってくれる理由はいくつかあるんですが、身近にいた学生の方に聞いた内容だと以下になります。

彼ら、彼女らからすると「お世話になった・これからお世話になる(かもしれない)人たちが書いた同人誌なので買っておいて損はないだろう」という気持ちで買ってくれているそうです。
あと、これからインターンや新入社員の面接を受けるときの話題としてもよいそうです(これは弊社にインターンをしてくれている人から聞いた話)
もちろん、中身に興味を持って買ってくれている人もいるとは思います。でも心のどこかにこれらの影響がないとは言えないんじゃないかなぁと思います。

ともあれ、このような学生から1,800円を巻き上げたいか?でいうとぼくは「NO」です。
技術書典側に学割のような機能があると嬉しいんだけど、かんたん後払いシステムだけでも助かっています。
これ以上運営の負荷を上げるようなことはしたくない、さりとて学生の方の負担はできるだけ減らしたい。

その妥協案が2冊に分冊することでした。
合計の印刷代は変わりませんが、1冊あたりの手に取りやすさは格段にあがります。
実際、今回の新刊2冊の合計ページ数と前回の既刊本のページ数はさほど差がありません。
ところが、(オフセットからオンデマンドに変更していることもあるけど)お値段は劇的に変わっています。
前回オフライン会場の値段が1,500円だったものが、2冊あわせても1,000円です。

お金がない場合はどちらかだけを買うこともできますし、お金に余裕があれば両方買うこともできる……
そんなバランスのよい落とし所になったんじゃないかと思ってます。

地方拠点は拠点長や中心人物の色がより濃く現れる

福岡版が先になくなってちょっと悔しい。ページ数も多かったし次回はリベンジする!!!

2冊に分冊したのはわかった。なんで「関西版」と「福岡版」なのか?
これは今回技術書典19 オフライン会場のブースでも何人かの人たちから質問を受けました。
理由としては単純で「執筆者が所属する地方開発拠点で分けるとちょうど半々だったから」になります。

一応その他にも理由はあって

  • 拠点ごとに書籍を印刷しておけば拠点に遊びにきたエンジニアの会話の糸口にしやすい
  • インターンや入社を考えている人が同人誌を買おうと思ったときに、所属先のみの技術について触れることができる
  • 在庫が余ったときに拠点で技術イベントを開催したときなどに頒布しやすく、収益の分配もしやすい

といったあたりのことをぼんやり考えていました。

同僚と話していたことなんですが、「地方拠点は社内ベンチャーのようなもの」と表現しているメンバーがいました。
これはとてもいい得て妙だなと思っています。

地方拠点が数百名規模になることはWeb系やIT系の会社では珍しいんじゃないでしょうか。
大手SIerさんなどならあるかもしれないんですが、技術イベントなどでよくご一緒するようなベンチャー、スタートアップ企業ではあまりいないように思います。
そうすると自然ダンバー数に収まるメンバーの数に集約されます。

ja.wikipedia.org

ダンバー数の数値は人によって違うそうなのですが、ここでは主に100〜150名ほどをイメージしたいと思います。
この係数は言い換えてしまうと「人の顔と名前がわかる上限数」と言い換えることができると考えています。
実際にそうなのかはさておき、気持ちよくコミュニケーションが取れる限界値かなと個人的に感じています。

この心地よさとは何に依存しているか?
人間は知らない人の前だと無意識に評価されるのではないか?と身構えてしまいます。
どうやら、これを「社会的評価懸念」というらしいのです。
少なくとも他人の目を気にしてしまうことがある程度のストレスにつながってしまうことは一定あるようです。

cir.nii.ac.jp

閑話休題。 ともあれ、知っている人同士というのはそれだけ心地が良いわけです。
心地よい空間を共有していると良かれ悪かれ相手の影響を受けます。
地方拠点は良くも悪くも顔が見える距離に相手がいます。そして地方拠点の宿命として経営が悪化するとまっさきにお家取り潰しになってしまいます。

「ネームバリューは本社も含めて有名だが、地方拠点があることは知らなかった」

おそらく多くのメガベンチャーや企業で働く地方拠点所属の方が言われたことがある発言じゃないかなと思います。
(これ言われないのぶっちゃけはてなさんくらいじゃないか?羨ましい……っていつも思ってる)

そういう自分たちの心地よい環境を守っていくためには何ができるか?
地方拠点が設立される大きな目的の一つは「優秀な学生の採用ルートの確立と確保」です。
そのために自分たちがここにいるんだ!と発信する場を大事にする意識が東京よりも強いメンバーが少なくとも弊社は多い気がします。
そして、地方ではどうしても「発信の場」が少なくなりがちです。これは過去にも書いているので割愛。

luccafort.hatenablog.com

ともあれ、発信する場を自分たちで作って、自分たちで発信する場を育てて、自分たちで発信する。
そういった自走力のようなものが東京とは異なる意味で求められる環境なんじゃないかなって思ってます。
なので、ダンバー数の影響とか周りの人に影響を与えられる人たちが地方拠点に多かった結果執筆者が地方に偏ってしまったんじゃないかな。

実はまねふぉ執筆部は企業サークルではない

どこかでいったかどうか忘れてしまったんだけど弊サークル「まねふぉ執筆部」は会社のお金を一切入れずに運営してます。
これは前編集長である @syarihu が広報部に名称を使ってもいいかどうかの利用許諾を取ったが、会社としての活動にしなかったことに起因します。
会社にケツモチしてもらうとお金の心配はなくなるんだけど、その瞬間から義務になっちゃう。
それはまあ書いてて楽しくないんじゃないかと思う。

x.com

しゃりふくんが会社の活動にしなかったの理由までは知らないんだけど、結果として「技術がテーマであればなんでもOK」という制約でこれまで執筆と頒布を続けられたので感謝している。
自分たちが書きたいことを書いて、それが売れる。読んだ人が感想をくれる……これはなんというかぼくのような人間にはとても心地よい体験なのだ。
やっぱりあの「サークルで自分たちが印刷した同人誌を買ってもらう」という体験はなかなかに捨てがたい。

会社のお金ではないので当然執筆者の執筆時間はプライベートだし、執筆者への打ち上げもぼくの自腹(だいたい売上から出している)。
オフライン会場でブース設営しにいくときの宿泊費・交通費も当然自腹になる。これが意外と馬鹿にならない。
それでも続けているのは金銭的価値以上の何かを技術同人誌即売会(技術書典しかり技術書同人誌博覧会しかり。コミケもかな?)に感じてるからではないかなと思う。

一方でこういう話もある。

qiita.com

会社のお金を出してもらって売れなかったとき、それは会社が抱える在庫、赤字になってしまう。
(このあたりは整理の仕方次第で販売物ではなく、広告宣伝費にしてしまえばいいという考えもある。その場合0円にして売上が立たないようにしないといけないけど)

そうなったときに「会社に少額とはいえ赤字を出させる覚悟で自分が書きたいものを書けるのか?」と考えると少々自信がない。
ぼくはそれでも書くかもしれないが、他のメンバーは書くためのハードルが上がってしまうだろう。

そういう形にはしたくないなぁと言うのが正直なところだ。自分で書いた記事が紙になる、同人誌として本の形になって読める……
これが楽しい、嬉しいからぼくは続けているのでそれがなくなるなら手を引くんじゃないかと思う。
なので、「まねふぉ執筆部」はあくまでマネーフォワード社員が有志で集まって書くというスタイルを取っている。

継続した成果……なのか?

実はオフライン会場開催の前日メロンブックスさんから「委託しませんか?」とDMをいただく機会に恵まれた。

個人情報を掲載しないことを条件にブログでの公開をメロンブックスさまに許諾いただいています

www.melonbooks.info

今回は完売するであろう部数しか刷っていないこと、委託した場合の売上の扱いが自分や会社にどう影響するのか未知数などの理由から残念ながら辞退させていただきました。
こんな機会めったにないのでとても残念。

正直ぼくたちの書籍はアラカルト形式、悪く言ってしまえば闇鍋形式なので仮に委託したとしても販売しにくいだろうなぁと思っていました。
ですが、一方でこういったお声がけをしていただく機会が生まれたのはこれまで継続的にサークル出展をし続け、新刊を出し続けてきたことを評価してもらえたのかなと思ってます。

入社前の技術書典7以外はいまのところほぼ皆勤賞。10と12も出したかったねぇ……残念。

継続は力なり、とかいうつもりはないんだけど目の前のことに熱中していると誰かの目に止まることがあるんだなぁと少しうれしくなったし、これまでのぼくたちの活動全部に対して誇らしく思えたのでここで自慢させてください。

まとめる気がないまとめ

長々と書いたんだけどまあようは好きに書きたいので書いた!
気になる章があったら買ってくれ!!!ということが言いたいのだ。

そうそう。写真を漁っていて思い出したけど、会場で「どんなトピックの話が聞きたいですか?」という設問を用意していた。
これは次回の執筆の参考にさせてもらおうという思いつきだったのだけど、QAエンジニアの方から「テストやQAの話はないんですか?」と直接お声がけいただけたので、翌日東京本社にいったときに執筆希望のQAエンジニアを誘う流れができた。最高

関西・福岡のメンバーが執筆したからかUIターンや英語化の質問をもらった
俺も5000兆円の稼ぎ方が知りてぇよ……
初期段階はこんなだった。

というわけで、さっそく次の技術書典20に向けて執筆メンバーを募集開始している。
まだ技術書典19 オンラインマーケットも開催している(なんと11月30日日曜までなのでそれまでに新刊を買ってくれよな!!!)ので気になる本があればぜひ眺めて、気になったら買ってあげて欲しい。

最後に2つ宣伝をさせてほしい。

1つは今週末開催のKyoto.js。
ぼくは主催者や関係者じゃないんだけど、弊社オフィスを貸し出してイベントをやっています。
まだ参加枠があるので興味があったら参加してほしい。

kyotojs.connpass.com

もう一つがKyoto Tech Talk
これは「技術を楽しむ」がテーマになっているイベントで、だいたい3ヶ月に1回ペースで開催している。
登壇者は京都のWeb企業の方に声をかけたり、学生の方にLT公募枠(5min)に応募してもらって発表してもらっている。
別に企業枠のほうは協賛企業じゃなくても登壇はできるので、もし登壇したいよ!って人がいたら教えてほしい。
時間を調整して入れられそうなら登録しておきます。

moneyforward.connpass.com

以上かな。そろそろ書かないとな〜〜〜って思っていたらあっという間に時間が経過したので頑張って書いた。
推敲とかしてないけどまあ変なことは書いてないので大丈夫じゃないかな〜ということでそろそろおしまいにしておく。

完全なる余談

マジでこれは余談なんだけど、次回執筆メンバーで執筆合宿を関西のどこかでやりてぇ。
いまのところ考えている候補が「滋賀(おごと温泉)」か「奈良」「和歌山」あたりがいいんじゃないかと思っている。
もし、オススメの合宿所があれば教えてください。

ちなみに合宿したくなったのは次のSNSで見かけたレポート漫画を見たから。
ぼくらは完済済みなので湯河原まで行くのは大変だけど、関西にも似たようなスポットあるんじゃないかなぁ……

「夢の王国、彼方の楽園 マッサゲタイの戦女王」を読んだ

TL;DR

表題の通り、読んだので記憶が新鮮なうちに書いておく。

books.kobunsha.com

とりとめのない感想。

どこで買ったのかは忘れたが確か1年ほど前に書店に平積みされていたので手に取った覚えがある。 現在の中東もそうだが、有史から大陸の東西が交わる場所である中東地域では独特の風習、文化、民族とそれにまつわる戦争、政治、調和がある。

田中芳樹アルスラーン戦記なんかがファンタジーさと歴史の下地にしていて入りやすいと思うんだけど、なんとなく装丁が気に入ったことと「マッサゲタイ」という名前が見慣れなくて手に取った気がする。

冒頭のほうに「本文における地名、人名などの実在の固有名詞は、可能な限りファールス語、メディア語、古代ソグド語、メソポタミア関連の文献を参考にしており〜」と書かれていて、テンションが上って買う決断をしたことだけは覚えている。 普段目次をみてから買う質なのだけど、この一文に心を震わされたので買いました。 皆さんも買いましょう。

で、書籍の感想としては「これは時代や(当時の風習として仕方ない面があるが)男性や強者に人生を狂わされた人の復讐譚なんだろうなと読んでいて思った」になる。 田中芳樹による後書きでは「キュロス大王の物語を書こうとしたら彼を主人公として叙述する(意訳かつ抜粋)」と書かれているが、この意見には自分はあまり賛同できていない。 (恣意的な切り抜きなので、ぜひ該当箇所を書籍で読んでほしい)

個人的にこの本の主人公を誰に据えるか?と言われたら弱者、あるいは敗者だと思う。 もちろん物語上の主人公は存在する、それがタハーラミィだ。 物語は彼女を起点に進んでいるが、ぼくが読了後に感じたのはこの物語を通して、伝えたかったことはタハーラミィという女性の視点を通じて敗者がどのように翻弄されるのか、敗者はどのような艱難辛苦を味わうのかという歴史の裏側を掘り起こす……そんな印象を受け取った。 なので、田中芳樹がいうところの「女性から見たキュロス大王の英雄譚」のようなものとは異なっていると感じた。 どちらかというとこの本で一貫して感じたのは敗者や弱い立場のものから見た歴史だ。

これが本当に作者が意図したものかは知らない。解釈不一致だったとしてもそれは別にいいんじゃないかと思っている。学校の国語のテストでもあるまいし、読んだ感想はぼくだけのものだ。どう読まれたいか?はあるかもしれないが、どう感じたかについてとやかく言われる筋合いはないと思う。

閑話休題。ともあれこの書籍は1人の少女、歴史書に突如として現れるマッサゲタイ族の女王というほとんど名前も知らない1人の女性が主人公だ。 個人的にはアルスラーン戦記を読んでいたので、ここの話がリンクしてそうだなとかあの話はこれが元になっているのか!などを想像したり(間違っている可能性も大いにあるが妄想なので気にしない)、周りの強国の意思によって右往左往させられる様は日本や中国の歴史と重なる面もあり、異国の地の話でありながら楽しめた。

あまり書きすぎて物語の核心を書いてしまうのも興ざめなのでこのあたりで筆を置こうと思うが、この書籍の素晴らしいところは英雄ではない視点から歴史を紐解いている点だと思う。

アルスラーン戦記封神演義三国志のようなわかりやすいワクワクさとは少し違う、歴史小説の書かれ方という楽しみを見つけられたので個人的にはとても満足してます。

#技術書典19 に「第5章 お前らが知らない(かもしれない)"rails new"の世界」を寄稿しました

TL;DR

  • 技術書典19に今回も記事を寄稿した
  • 今回、初の試みとして2冊(関西版・福岡版)同時頒布を行う
  • 買って読んでくれ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

techbookfest.org

techbookfest.org

書籍の紹介とかSNSの投稿とか

宣伝内容はすでに投稿されていたり、会社のブログで公開されているのでそっちを読んでくれると嬉しい。

moneyforward-dev.jp

寄稿した内容とか裏話

執筆の初稿締切が「ながらRuby会議01」の1ヶ月後で、その間にGo Conference 2025が渋谷である……という過密スケジュールだったので寄稿できるテーマとして新規を掘り起こすのは難しいと考えていた。 なので、プロポーザルを採択してもらったトークが初中級者向けのものだったこともあり、技術書典の読者層ともマッチするんじゃないかな〜と思って、テーマを流用しようと考えた。 いま考えるとこれは英断で、仕事の締切もかなり厳しい時期(たまたまそうなってしまった)で、かつ各種イベントが開催される、そのうちの1つは登壇……という感じでめちゃくちゃ忙しい月に締切を設定していたけどなんとかなったのはすでに調査とか書く内容の大まかなイメージができていたことが大きい。

ながらRuby会議01については以下をどうぞ。

regional.rubykaigi.org

luccafort.hatenablog.com

登壇した内容は以下のスライドに掲載しています。

speakerdeck.com

登壇テーマを決めた経緯

登壇のときにも話していたんだけどきっかけはKyoto.rbで「XXXってどうやって動いてるんだけ?」という何気ない一言。 そこから「実際に動かして処理を追ってみよう」と id:onk が発言して、実装を追うという体験が良かったことが一因。 で、そのとき思ったことの1つに「あ、実際にコードを動かして追ってみるができる人は初中級者には少ないのかもしれない」と感じたってのがある。

このときに感じたことと普段のKyoto.rbに参加してくれている初中級者から「Rails Tutorialを完走したけど次に何をやるといいかわからない」とよく質問されていたことがつながって「じゃあこれができるようになる発表をしたらいいんじゃないか?」と考えて、プロポーザルを出しました。

(Kyoto.rbはだいたい月1くらいの頻度で土日祝で開催してるので、よければ遊びに来てね。次回は12月27日土曜に忘年会も兼ねてやる予定です)

kyotorb.connpass.com

kyotorb.connpass.com

本当は関西Ruby会議08でプロポーザルを出す予定だったんだけど、油断して出し忘れてしまった。 ……ということもありリベンジで出したら採択してもらえてラッキー!ってなってたのが実際のところ。 話がだいぶ脱線してしまった。元に戻す。

$ rails new を選んだ経緯

Railsコマンドが題材としていいんじゃないか?ってのはかなり初期の頃から考えていた。 普段みんなが使っているもののほうが興味を持ってもらいやすいんじゃないかな〜ってのと、実際に何気なく使ってるものの裏側が見えると面白いよね〜ってのが理由。

その上で数あるRailsコマンドの中から以下の条件にあうものを選ぶといいんじゃないか?って考えた。

  • Rails初心者が必ず実行しているコマンド
  • 初心者でも実行後に何が起こるかイメージしやすいコマンド
  • 前提知識として求められるものが少ないコマンド

なんだけど、まあぼくもそこまでコマンドを知ってるわけじゃない。 なので、rails helpを実行して出力される代表的なコマンドから選定するといいんじゃないかな〜と考えて、とりあえず実行してみた。

# Rails 8.0.2
$ rails help
Usage:
  rails COMMAND [options]

You must specify a command:

  new          Create a new Rails application. "rails new my_app" creates a
               new application called MyApp in "./my_app"
  plugin new   Create a new Rails railtie or engine

All commands can be run with -h (or --help) for more information.

Inside a Rails application directory, some common commands are:

  console      Start the Rails console
  server       Start the Rails server
  test         Run tests except system tests

面白そうだなと思ったのは server だったんだけど、まずサーバーとはどういうものか?を話すだけで時間切れになるな〜と思ったので残念ながら早々に脱落。 plugin は初心者が触るか?という意味で「触っている人は少ない」と思ったので、これまた脱落。

残ったのが consoletestnew 。 当初歯ごたえがありそうな console を追うのがいいんじゃないか?と思ったが、必要となるアプリケーションの知識が多そうだなぁと思ったのでこれも脱落。 残ったのが testnew なんだけど、どっちのほうが楽しめそうか?というとシンプルに実行後の結果がイメージできて、かつ初心者を抜け出した中級者一歩手前の人が「イメージはできるけど具体的に説明できない」という絶妙な落とし所になるんじゃないか?と思って rails new を最終的に選びました。

今回の書籍への寄稿では、上記のような話も書きつつ、実際にどのように処理を追っていったのかが追体験できるように書いたつもりです。 書いたつもりだけど、できねえぞ!って人がいたらごめんなさい。 実際の処理を追う部分に関しては実際に書籍を手にとって読んでほしい。

電子書籍版は11月15日から、電子書籍 + 紙版は11月16日にオフライン会場である池袋・サンシャインシティ 展示ホールD(文化会館ビル2F)で頒布しているので遊びに来てほしい。

techbookfest.org

オフライン会場限定だけど、立ち読みができるようにする予定なのでパラパラめくって興味があれば買ってくれれば嬉しい。 not for meだなとか思ったのと違ったな〜ってなったら別に戻してくれても大丈夫。同人誌即売会ってそういうものだからね。

お願いしたいこと

今回、これまでと違って2冊同時頒布をしている。 2冊合計の発行部数はこれまでと同じなんだけど、1冊あたりの発行部数が減ることになっている。 具体的にはこれまで100部刷っていたんだけど、1冊あたり50部になっている。

この50部から執筆者や弊社の拠点などの献本分が減るので実質的に頒布可能な部数は40部程度になる見込み。 この40部というのはいつもの頒布ペースでいうとだいたい13〜14時くらいになくなる部数って感じなので、今回はかなり早い完売が予想される。 ……ということもあって、申し訳ないんだけどもし完売していたら電子書籍版のみの購入となってしまうことを了承してほしい。

最後に

今回寄稿した「第5章 お前らが知らない(かもしれない)"rails new"の世界」というタイトルの「お前ら」は実は過去の自分のことを指している。

  • Rails Tutorialを読みながら、RubyRailsの境界がわからなかった頃の自分
  • Rails Turorialを完走して、なんとなくRailsRubyでプログラミングが書けるようになった頃の自分
  • 仕事でRailsを使って開発するようになって、楽しい部分も難しい部分もわかるようになってきた頃の自分。
  • そして、仕事ではなかなか自分からコードが書けなくなってしまったが、コードを読んだり書いたりするのがいまだに好きな自分

そういった「過去の自分」のことを「お前ら」と表現していたりする。 過去の自分と今の自分の実力が明らかに差があるとは思っていないのだけど、こういった積み重ねや知識、読んだコード量などの見える部分での差もあるよな〜って思っていたのでこのような挑発的なタイトルにしようと考えた。

コードを書くのは楽しいし、コードを読んでそれを理解していくのも楽しい。 そういった楽しさがまだわからない、という人が読めるようになる一助になったらいいかな……と思って書いたので良かったら買ってくれると嬉しい。 まだ、そういう楽しさがわからないんだよね〜って人が読んで「ここがわからんかったぞ!」って言ってくれたらKyoto.rbとかで深く掘り下げるコードリーディングをしても面白いんじゃないかなって思ってる。

登壇が上手い人、よく登壇をしている人はアウトプットの点をつなげていってるように思う。 これは単純に同じテーマのものを使いまわしているのではなく、少しずつ視点や観点を変えたり、あるいはアップデートや付録のような補足が入っていたりと変化を入れているように思う。

今回の技術書典19で寄稿した書籍はそういったぼくなりのチャレンジも含まれているので、よかったら手にとって欲しい。 もし、読んでいて気になったことや聞いてみたいことがあったら現地で売り子をしているので声をかけてください。

多分アイコンのバッジをつけて会場を闊歩しているか、ブースで声掛けしてると思います。

ではでは、久しぶりにガッツリコードが読めてテンションが上ってたので登壇もしたし、寄稿もしたぞ!って話でした。 じゃあね。

「人生を前進させた1冊」企画で落選したので落選した書籍のおすすめ理由とかを書いて供養する

TL;DR

弊社マネーフォワードが取材協力した書籍『会社は「本」で強くなる マネーフォワード 全社で取り組む「読書経営」』という書籍が販売されたことを記念して社内で「人生が前進した一冊はありますか?」というお題で企画されるイベントがあったので寄稿(?)しました。
本記事では不採択になった寄稿案の紹介をして、供養したいと思います。

note.com

note.com

あとよかったら or この記事がいいなと思う点があったら、きっかけとなった書籍も買ってください。
アフィリエイトリンクおいておきます。

Amazon.co.jp: 会社は「本」で強くなる マネーフォワード 全社で取り組む「読書経営」 (日本経済新聞出版) eBook : 宮本 恵理子: Kindleストア

考えていたこと

プランA〜C(実際には脳内アイディア段階を含めるとA〜D)まで考えていたんですが、真面目なやつは多分みんなが出すのでそれ以外のものを出そうかな〜と考えました。
最終的に提案として出したのはプランA(絶対ほかの人が出さなそうな案)とプランB(他の人のテイストに近い案)で提出し、プランBが採択されました。
プランA激推しだったので どう考えてもプランAとプランBならプランAやろがい!!!!!!! 残念だなという気持ちがないではなかったのですが、まあそれはそうなりますよね?となったのでここで考えていた内容を書いて供養したいと思います。
1

ちなみに案自体はプランA~Dまで考えていました。
以下がその内容。

以下、プランB以外の推薦内容を書いていきます。

プランA:血界戦線 # ―魔封街結社―

原文ママ

(いい話系は他のメンバーが書いてくれるので、少し変わった方向で攻めています)
当時まだ東京にいたんですが、10年くらい東京に住んでいてちょっと疲れていました。
満員電車やイベントがある度に止まる交通網、過密になりすぎてみんな疲れているのかギスギスした雰囲気……。
そういうあれこれに嫌気がさしていたときにこの漫画を読み、大爆笑しました。
笑い終わってから「いま悩んでることの大半はチンケな悩みだな」と、屈託が吹き飛んでいることに気づきました。
イライラしたときやどうしようもないときは

「うるせー!!!!これでも喰らえ!!!!」

と技名を叫んで殴る(脳内妄想)ことでどうでもいい悩みを解消するようになりましたとさ。めでたしめでたし。

プランC:RePUBLIC 公共空間のリノベーション

これは推薦文を書くのが面倒だったので書いていませんでした。
なので、ここが書き下ろしになります。(書き下ろしの使い方間違えてそう)

確か当時東京で働き続けるか、それとも地元に帰るか?
しかしながら帰ったところでエンジニアとして働ける働き口はあるか?

という屈託を抱えていました。(多分同じような時期に四畳半神話大系を読んでる)
でまあ、そういうを考えていると地方都市が発展しないと転職できないんじゃね?
地方都市ってなんで発展しないの?東京一極集中つらくね?というところから公共を再デザインするという見出しかポップを書店で見かけ、ちょっと興味が出たので買ってみた……みたいな感じだったと思う。

読んでみた感想としては都市をデザインする観点で重要なのは「起点を作るだけではなく、起点から次の起点につながる流れを作ること」が大事だって話です。
中身の話はかなり忘れてしまってるんですが、これはプログラミングの設計やイベントの設計、その他に通じるところがあります。
起点を作るのはスタート地点で、より重要なのはどこを通らせるか?の導線を設計すること、そしてその導線の先に何を目指すのかを明確にすること……みたいな感想を読後に持った覚えがあります。

都市開発とか地方創生とかは叫ばれて久しいですけど、ハコモノ行政みたいな揶揄がなぜ生まれてしまうのか。
それらは別に特別でもなんでもなく、ぼくら一般人が普段働く中の仕事でも「ハコモノ(起点)」だけ作って、そこに人を集めたり、その人がどう動くかのフロー設計ができていなかったりと抽象化することでいろんな点で応用できるな〜と思ったことを覚えています。

プランD:エルマーのぼうけん

言わずもがなの名著なので説明不要だと思うけど一応書いておく。

中身についてどうこう書くのは野暮なのでここでは割愛する。
この本がどう人生を前進させたか?

それは「本は面白い」という体験を与えてくれた最初の1冊だからだ。
おそらく初めて読んだのは保育園幼稚園の年長組くらいの年齢だったはず。

とにかく、保育士の先生の読み聞かせの時間を楽しみにしていたし、これがあったから本を読むのが好きになったんじゃないかと思う。
他にもいろいろな本を読んで、面白い!楽しい!と思ったことはあるけれど、初めて「本って楽しいんだ!」という体験ができたことは色褪せない。

少なくとも記憶にある限りで最古の読書体験はこのエルマーのぼうけんであることは間違いがない。
なので、甥っ子がもう少し大きくなったら(現在3歳)ぜひこの本を贈りたいと思ってる。

世界は不思議とワクワクで満ち溢れている。
そんな気持ちにさせてくれる最初の1冊に最適。

おわり

ようやく長い夏が終わり、秋……を通り越して冬がやってきそうな気配ですがまだ読書の秋を堪能するのは遅くないんじゃないか?と思ったので良かったらみなさんも「人生を前進させた1冊」を紹介しませんか?

誰かからオススメされることでしか読めない体験がありますよ!

余談

……ということを考えていたら今朝まさにそのものズバリの記事がありました。

note.com

そもそもなぜこういったライブラリを置くようになったかというと(詳しくは『熱狂する現場の作り方』に書いてありますが)200人もスタッフがいて年齢も国籍も違う人間が集まると、観てきたものも遊んできたものもバラバラなのです。
みんな趣味が異なるので当たり前。
世代が違うと“生まれて初めて観たガンダム”だって違うのです。
(最近は初めて観たガンダムが“ダブルオー”という世代が出てきています)
その“差”を埋めるためにこれらのライブラリが用意されているのですが。
ただ、これだけ数があると正直どれから順番に観ればいいのかもわからない。

これはマジでそう。名著を読んだ事がある人、最新の書籍を読んだことがある人、両方読んでる人、両方読んでない人さまざまだしその理由もそれぞれある。
別に本を読んだらえらいってわけじゃないけど、本を読むことで気付ける変数を増やすことはできるし、まああとこれは個人の感想だけど本読むのって楽しいじゃん?と思ってるので弊社京都拠点ではこんな感じでオススメ書籍を目立たせるやつを最近(ぼくが勝手に)やってます。

バーカウンターにおいてる。ひな壇みたいなやつはAmazonで3000円くらいで買った

目に見えるところにあるってのは割と大事だったりするので、こういうきっかけを作る導線をいろんなところに貼っていきたいよね。
個人的にいま掲載しているやつでオススメはBeing Geekです。

www.oreilly.co.jp


  1. まあプランAが採択されることはないだろうな……とは思っていました。こんなこともあろうかと!ということでプランCまで考えていました。えらすぎ。