完全SIer脱出マニュアル@同人誌版

booth.pm

購入だけしていて読めていなかった完全SIer脱出マニュアルを読了した。 近日中に書籍版が出るらしいのでいまから読むならこっちを読むほうがいいだろうと思う。

完全SIer脱出マニュアル

完全SIer脱出マニュアル

本著のメインは第3章からなのだが、初転職や就職活動中、あるいは来年くらいを目処に就職活動を開始しようとしている人にとっては第2章は非常に有益なのではなかろうかと思う。 第1章は何故ミスマッチが起きたのかなどの転職の動機の部分なのでそこは人それぞれあるだろうと思うし、さほど量があるわけではなかったのでさっと読むか、飛ばしてしまってもその後に問題はなさそう。

とはいえ同人誌なので元々ページ数でいうなら著者紹介も含めて90ページほどなので全部通しで読んでしまってもあまり時間はかからないと思う。

以下、まとまりのない感想。

概ね、就職や転職におけるよくある悩みなどをうまくまとめてあるなという印象が強かった。 反面、立ち位置や書籍の内容からどうやってもポジショントークな面がありそこを気にする人はいそうだなと感じた。 著者の役職が役職なのでどうしたってそういう印象を拭い去るのは難しいだろうと思うのでそこまで気にしなくてもいいかもしれない。

この本を読んだあとにふと、転職をしたいという動機や熱量はインプットで、それに対する行動の面接だったりブログやコードを書くのがアウトプット、入社の合否がフィードバックだと考えたときにいわゆる「辞める辞める詐欺」の人たちはインプットの量が少ないか、アウトプットに問題があって諦めているのかなという気がした。

「3.5 ステップ4: 転職活動を語れる実績を作る」は非常にいい話なので就活や転職を考えて、いま悩んでいるひとは一読しておくと今抱えている不安が少し解消できると思う。

転職活動、現職在職中にやるのがベターだと思うんだけど時間の調整大変だしみんなどうやりくりしてるの?って気持ちが昔からあってその辺の共有知があるなら教えてほしいなと思った。 あと著者であるガミさんが東京なのでそれを前提に書かれているとすごく感じる。いま地方で働いているのでこれを地方でそのまま展開するのは難しい点が何箇所かあってそういう意味でも地方で働くエンジニアの人に転職活動の効率の良い立ち回り…みたいなのを聞いてみたいなと思った。 東京だとシュッとあってシュッと解散ができるんだけど地方だとそもそも会社が点在してる感じだと思うので結構シュッとあうのが難しいんじゃないかなって思った。

転職理由にポジティブもネガティブもないんじゃない?と思うことが最近よくある。 本著では言い方を変えようとあったが転職理由はタダのエネルギーなので正負のどちらの値も取り得るし、そもそも転職しようとするだけの熱力が発生しているだけなのであんまりポジティブだとかネガティブとかを気にしすぎなくてもいいのかなと思った。

反面気をつけたほうがいいなと思うのはそこで働くチームメンバーに対する誹謗中傷はボク個人も聞いていて気持ちの良いものではないので就職という1つの目標設定においてマイナスになりえるなと思う。 個人的にはそこさえ気をつけていれば「ブラック企業なんで辞めました」も「給与安くて辞めました」もあんまり大差ないかなという気持ちがある。

とはいえ面接はバイアスの塊で極端な話し面接官が男性で面接者が女性だとそれだけで加点される可能性がある。 いいとは全く思わないのだがそういう面接官の機嫌が悪かった、という理由で落ちたとしてもぼくはあまり驚かない。 なのでまあそんなに気にしなくてもいいのかなと読んでいて感じた。

あとは本著の中身とは全く関係ないのだがTuring Complete FMの17回でゲストの川合史朗さんが「オーディションに100回落ちることを目標にする」というようなことを語ってらっしゃるのだけどその辺とかめちゃくちゃ心づもりとして参考になると思う。

turingcomplete.fm

blog.practical-scheme.net

年間100回落ちることを目指してる人を知っているけれど、それだけ頑張って落ちようと思ったら、そのうちいくつかは受かっちゃうわけ。

という話があって、面接とか転職とかってどういう理由で落ちたのかわからなくてそうするとどうしても自虐傾向に陥りがちなのでこういうつもりで最初からチャレンジしてるんだ!と思うとほんの少しのことなんだけど落ち込まなくて済むんじゃないかと思う。

100回落ちる前に何社からはオファーもらったし、ぼく全然イケるじゃん!みたいな。 これが100回も落ちてしまった、いくつかの会社からはオファーもらったけど希望したところじゃないし……みたいな思考になりがちなのでこの心づもり、かなり効くと思う。

とここまで転職しようぜ!みたいなこと書いてるし普段も転職しようぜ!って言ってるんですが、まあ転職しなくていいならそれに越したことはないと思っていて、ただ不満があってそれが解決できそうにないなら転職するしかないよねという気持ちです。 転職、それなりに時間と体力を使うのでやらないでいいならやらないほうがお得な気がする。

そうそう、転職活動するしないに関わらずぼくが以前働いていた会社の上司に教えてもらったのが「転職サービス(いまだとWantedlyとかForkwellとかGeekOutとか?)には登録してどういう人材が求められているのか、どういう技術が市場に不足しているのかを日頃からリサーチしておくといいぞ」と教えてもらった。

これは転職市場の調査も兼ねているふりをしながらガチで転職活動していてもバレにくいという利点があって、普段からみてると公言したりその目的を伝えていればまあまあ黙認されやすい。 社内のインターネットからGithubに繋げられないとかいう会社の場合は難しいかもしれないけどそういうところで働いたことがないのでわからない。

転職はやるぞ!って思ったときにはすでに赤信号くらいになっているので普段から「こんな会社があるんだなー」とか「自分はこういう福利厚生がある会社で入りたいな」とか考えているうちに自分が求める会社の共通点がみえてくるのでいざ鎌倉!ってなっても余計な会社をフィルタリングで弾くことができる。 こういうのは積み重ねによるものなのでまあ英語の単語覚えるみたいなつもりでさっと目を通すようにしておくことだけはオススメする。 結果、転職しなくてもちゃんと市場調査にはなってるので無駄にはならない。

書籍版はまだ読んでない&買ってないのだけど恐らく大幅加筆されたり、読みやすくなっていたりするだろうと思うのでもし興味があるなら手にとって読んでみるのもいいかなと思う。

特にまとめるつもりがない羅列でした。