プロポーザルのすゝめ

TL;DR

gocon.jp

Go Conference 2022 Springが4月23日に開催され、無事終了しました。
大規模カンファレンスで初めて登壇したこと、そしてその際にプロポーザルを提出するにあたりいろいろ得た知識や知見を残そうと考えました。
このブログをみて「あ、これなら自分でも登壇できるかもしれない。プロポーザルを出してみようかな?」と思うひとが1名でも増えると嬉しいです。

プロポーザルを出すきっかけ

まずプロポーザルを出そうと思ったきっかけについてです。

実はきっかけ自体はさほど気負ったことではなく、Kyoto.goを曲がりなりにも2年ほど立ち上げから運営まで行ってきたのでなにかコミュニティの話をしようかな?と思い立ったのが原点です。

コミュニティ運営者は星の数ほどいますが、Kyoto.goを運営した経験はぼくと運営メンバーの @uji さん、@yebis0942さんにしか話せないと考えたからです。

kyotogo.connpass.com

twitter.com

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仮にカンファレンス側の登壇基準に満たなければプロポーザルが未採択になるだけで、カンファレンスのクオリティーコントロールは運営メンバーのお仕事だと考え、気軽に投稿しようと考えていました。

プロポーザルの投稿に対する心理的ハードルが下がったのはGo Conference 2021 Autumnで運営メンバーを経験したことが大きかったです。 長々と登壇までの苦悩と苦労を語っても仕方がないので、「いつかは登壇してみたい」と思うかたに向けて、プロポーザルを出すときに注意するとよい点と登壇資料を作る際に学んだことをお伝えしようと思います。

gocon.jp

プロポーザルのすゝめ

ぼくが長々と書くまでもなく、素晴らしい先人たちがすでに記事を書いてくれていますね。 まずは、こちらを読みましょう。 (カンファレンス運営者がプロポーザルについてブログを書いている場合は一読しておくといいですよ!)

medium.com

ymotongpoo.hatenablog.com

これら2つの記事には共通点があります。

それはカンファレンス主催者がカンファレンスの登壇者になにを望むのか?どういう価値を参加者に届けたいと考えているか?ということです。 カンファレンスによって求めることは異なりますが、おおよそ同じ到達点にたどり着くのではないかと思います。

  • 対象技術固有であること。
  • 専門性の高い知識・経験であること。
  • 既存の内容ではなく、独自性・革新性があること。

上記3つの要素に加えて

  • 登壇者本人が参加者に伝えたい価値はなにか?
  • それをなぜこのテックカンファレンスで登壇するのか?

これら2つの要素を掛け合わせたものを運営者は登壇者に求めます。 全てが揃っている必要性はありませんが、どれ一つもマッチしない場合はプロポーザルの内容を考え直したほうがいいでしょう。

Go Conference 2022 Springでの事例を元に解説

今回のGo Conference 2022 Springでぼくが登壇したセッションでいうと

  • 対象技術固有であること。

Kyoto.goの話なのでGoコミュニティ固有の事象。

  • 専門性の高い知識・経験であること。

Go言語そのものではないが、Goコミュニティ運営者のニッチな経験と知識であること。 (正直このあたりは理論武装としては弱かったと思います。)

  • 既存の内容ではなく、独自性・革新性があること。

コロナ禍の中で生まれたコミュニティが成長した軌跡の話なので新規性がある。 またコミュニティがコロナ禍で休止していくなか、歩みを止めずにいるノウハウなのでGoコミュニティにとって価値がある。

……という要素を盛り込んで作ったプロポーザルを作成していました。 実際に作成したプロポーザルはこちらです。

www.papercall.io

あとは採択されるかどうかを運営スタッフに託しました。 ぼく自身もGoConの運営スタッフの一員ではありますが、自分のプロポーザルに対する採択、投票に関しては棄権しています。 当たり前のことですね。

これらの運営者が登壇者に書いてほしい情報がきちんとプロポーザルに含まれることで、採択率は大きく変わります。 受かるためにプロポーザルで嘘をついてはいけませんが(そんなことしたら次回以降出入り禁止になっちゃう)、 自分が登壇することの価値やその意義を正しく伝えるにはカンファレンス運営者が思い描く登壇してほしいイメージと自身が登壇することの価値や意義を近づける必要があります。

自身の主張を捻じ曲げて運営者におもねりなさい、ということではなくお互いの期待値をすり合わせて、参加者の価値を最大化することが重要ということです。 カンファレンスの目指すべき理想像がわからない場合は運営チームにメールで問い合わせてもいいですし、あるいは裏技的ですがカンファレンスの運営スタッフになればこれらの情報は自然と知ることができます。 まあほとんどのカンファレンスは「どういう価値を提供したいのか?」が書かれているので、その価値にマッチする登壇内容を考えるだけで大丈夫なはずです。

このあたりはサイモン・シネックのStart with whyが参考になるんじゃないかと思います。

www.ted.com

もちろん、これらの対応を行っても採択されない可能性はあります。 例えば、Go 最新バージョンで導入された機能についての解説などは非常にネタかぶりしやすいです。 同じテーマやネタであった場合、両方が採択されることはまれでしょう。 運営者は出来るだけ多くの、よりたくさんの知見を参加者に届けたいと考えるため、重複したものはより運営者が近しいと感じるものを優先することになります。

情報は重複しやすくなってしまいます、あなただけの経験が付与された知識は誰も真似のできないオリジナルコンテンツになります。 ぜひ、あなたにしか話すことができないセッションを次回Go Conferenceで聞けるのを楽しみにしています。