GopherDay Taiwan 2024で初海外カンファレンス参加&初海外カンファレンス登壇のダブルArchivementしてきました

TL;DR

  • GopherDay Taiwan 2024にCfPを出して登壇者として参加しました
  • 海外カンファレンス初参加&初登壇だったけどGOT KOTONAKIした
  • ちょっとしたトラブルはあったが台湾はとても良かったのでまた観光でいきたい

謝辞

まず最初に、この海外カンファレンスに応募し、それを支えてくれたマネーフォワードという会社に感謝を述べたいと思います。 昨今、円安の影響でとても渡航費が高くなってしまっているにも関わらず、費用負担をしていただき大変ありがたかったです。 この場を借りて謝辞を述べさせていただきます。

また、海外渡航に際し、さまざまな手続きが半端な状態になってしまい、結果関係各所にご迷惑をおかけしてしまいました。 海外カンファレンスは国内カンファレンスとは違い、治安や費用さまざまな面の考慮が必要ですし、協議や調整が必要である点に考えが至ってませんでした。 大変申し訳ありません。 経費を承認していただいた上司と経理部の皆さんにご迷惑をおかけしてしましました。 猛省し、次回がないようにしたいと思います。

また、資料作成の協力やレビュー、推敲をおこなってくれた同僚のCadenとTaichiさんにも改めて感謝を述べたいと思います。 ギリギリになってお願いしてごめんね……。

応募しようと考えた理由

応募をしようと思った理由はいくつかあるんですが、

  • tenntennさんから「CfPを出さないか?」と相談されたこと
  • 当時「最近自分はなにか挑戦できているだろうか?」と悩みを抱えていたこと
  • 普段楽しみに見ている「カルチョ2020」という番組で「チャレンジ&トライをしてほしい」という言葉に笑いとともに「失敗してもいいからトライしてみよう!」と前向きなエネルギーをもらったこと

上記3つが大きな要因かなと思います。 ↓の動画に「お便りコーナー」があるのですが登壇が決まってすぐにお便りを書かせてもらったところ、翌週の配信で取り上げていただきました。 まさか動画内で取り上げていただけるとは思っていなかったので、本当にびっくりしました。

GopherDay Taiwan 2024に参加する経緯を説明してる。tenntenn is crazy...!

その他に影響したこととしては弊社マネーフォワードは「グローバルテックカンパニーを目指す」という目標を掲げています。 ぼくは技術広報として、社内にいるエンジニアに「お前海外カンファレンスにいけよ!」という立場になるということです(実際にそんな言い方をするかどうかはしらんけど)。

相手に対して指示するからには自分もやる覚悟が必要ではないか?と考えていました。 というかぼくは自分ができないことを指示して、なにかさせられるほど器用でないので、「自分ができないことをお願いできない」と理解していました。

海外登壇したことがない、参加したことがない人に「やれるやれる!」と言われても言われた相手からすると根拠薄弱ですし、薄っぺらいと感じると思います。というか自分なら間違いなくそうそう思う。じゃあお前やれよって反論すると思う、マジで。

なので、自分のためでもありましたが、今後会社がどんどん国内だけでなく、海外、特に成長著しいアジア圏へと進出するときに「こうするといいよ」「ぼくはこういう戦略を立ててプロポーザルを書いたよ」を技術広報として伝えられるようにしたいと考えました。

それでも、プロポーザル提出段階では採択される確率は1割もないだろうと考えていましたし、海外カンファレンスのプロポーザルを出す挑戦ができるだけで正直満足だと考えていました。

応募するにあたって考えた戦略

以下は応募するにあたって考えていたプロポーザル提出の戦略です。

戦略の方向性を考える

実は応募する前に昨年11月にtenntennさんが企画した「【オンライン】海外カンファレンスにチャレンジしたいぞの会」というイベントに参加しており、過去に海外登壇したエンジニアの方のお話を聞く機会がありました。

gocon.connpass.com

zenn.dev

その結果、ぼくの実力や実行力、これまでの経緯では正攻法「採択攻略1: 上位15%に入る」での突破は難しいだろうと判断しました。

これは正攻法で出した場合、同じテーマや近似のテーマで登壇する台湾の方がいるのではないかと推測したからです。 そして、それらのテーマをまとめきるだけの時間の確保ができない懸念があったことも正攻法での突破が難しいと判断した一因です。 (GopherDay Taiwan 2024の1週間前にRubyKaigi 2024が開催されており、会社のお仕事で沖縄にいってブース展示をすることが決まっていたので技術的調査をするだけの時間と余裕がないことが想定されていました)

そこで変化球として長谷川さんが書かれている「採択攻略2: 単純な得票数以外で勝負する」をとる方向で基本戦略を立てました。

このスライドは応募したあとに読んだのですが、プロポーザルを出そうと考えるときのエッセンスが濃縮されています。 「いつかXXXのカンファレンスに登壇したい」と1mmでも登壇したいと思う方は今すぐに読んだほうがいいです、プロポーザルを出す出さないに関わらず「どうすればいいかわかっている」状態になるのでオススメです。 (もちろん、可能ならプロポーザルを出してほしい)

自分が採択者ならどのような話をしてほしいかを考える

正直なところ、あまり採択されると考えていなかったのでここに関しては相手の視点や立場になったつもりでシミュレーションした程度に考えてください。 台湾の事情に詳しかったわけでも、過去にGopherDay Taiwan に参加したことがあるわけでもないので、自分ならどうするか、どのように考えるか?……と想像を膨らましていました。 その上で、自分がオーガナイザーや実行委員の立場なら以下のような登壇があると嬉しいのではないか?と考えました。

  • Goエンジニアの数が増えることに寄与すること
  • GopherDay Taiwanの登壇者が増えることに寄与すること
  • 日本の環境に詳しいからこそ話せること(台湾国内にいては知ることが難しい情報を発信できること)
  • @luccafort でなければ話せないこと

上記の骨子ができたタイミングでプロポーザルを確認しました。

プロポーザルを眺めながらアイディアを捻出する

プロポーザルはGoogle Formで作成されていました。 フォーム上で運営からいくつかの推奨トピックがありました。

  • AI / Machine Learning
  • CloudNatives / Microservices
  • General Development
    • Concurrency, Best Practices, Code performance Optimization, Dependency Management, Error, Handling, Memory Management, Secure Coding, Tips and Trick for Go Beginners.
  • Software Engineering
    • Automated Testing, DevOps and CI/CD
  • Other
    • Open Source Contributions, Reading Source code, Career Trends and Opportunities.

この中で登壇する際にテーマとして良さそうだと思ったのは「Others: Career Trends and Opportunities」でした。 台湾国内のキャリアの話ができる人はいても日本でのエンジニア市場の様子や働く機会、雰囲気などは日本で働く自分だけが話せそうだと考えたからです。

プロポーザルを提出する

プロポーザルのベースとなるテーマは決まりました。

  • カテゴリーは「Others: Career Trends and Opportunities」で出すこと。
  • プロポーザルの骨子は以下を満たすこと
    • Goエンジニアの数が増えることに寄与すること
    • GopherDay Taiwanの登壇者が増えることに寄与すること
    • 日本の環境に詳しいからこそ話せること
    • @luccafort でなければ話せないこと

さっそく、上記を満たすようなプロポーザルを考えます。 GopherDay Taiwan 2024における私の強みは「日本で働いていること」「日本のコミュニティ活動に大きく関係していること」この2点だと考えました。

そこで

  • 日本のGoにおける採用市場や人気をアイスブレイクとして冒頭に持ってくること(Career Trends)
  • Goコミュニティが技術広報になる際にどのような影響を及ぼしたか?を伝えること(Opportunities)
  • どのようにしてその状況に至ったのか?を偶発的計画性理論を用いて解説する?(Conclusion)

上記3つの大きな展開で1つのストーリーにできないか?と考え、プロポーザルを提出しました。 (この時点ではもう少し盛り込んでいた要素もありましたが、実際に登壇する際は持ち時間の関係でいくつか削ぎ落としました)

結果、以下のようなAbstractionを作成し、提出をおこなったところ、無事「Your proposal has been accepted」というメッセージを受け取ることができました。

In this session, I would like to talk about how my career has evolved through community activities. I'll share insights into the state of community activities in Japan, as well as the impact of "A Rainbow of Gophers: Building A More Diverse Community," presented at GopherCon 2020, on my career. Additionally, I want to emphasize the importance of planned happenstance theory, which suggests that intentionally taking action creates opportunities, through my challenge to step out of my comfort zone.

Outline:
- Brief introduction to the Japanese community
    - Changes in the number of sponsors at Go Conference
- How the Go community has influenced my career
    - What does it mean to grow with the community?
    - A third career beyond engineer and manager roles
- Two essential elements for personal growth
- A certain session at GopherCon 2020 that triggered a career change
    - Reflecting on the meaning of diversity
    - When diversity emerges
    - What we can do to foster diversity
- Challenges breed new encounters, and new encounters create opportunities
    - There are broadly two approaches to career development:
        - Pursuing a planned career path
        - Embracing planned happenstance, where personal interests and actions shape one's career, as described in Constructing unexpected career opportunities [1].
    - Communities support both approaches:
        - The former offers opportunities for speaking and presenting, enhancing individual careers.
        - The latter provides opportunities for new encounters and insights, teaching about third careers.
- Conclusion

実際に提出したGoogle Formのプロポーザル概要

採択された理由の推測

ここからは提出したプロポーザルが採択された理由について推測してみようと思います。 このセクションで書かれている台湾の情報は現地で聞いた「〜らしい」という情報です。 信憑性という点では正しくない可能性があります、その点を考慮して読んでください。

多様性のある登壇者、登壇内容を求める

まず、多くの大型カンファレンスを開催するオーガナイザーは「より多くの、より幅広いトピックを取り上げたいと考えている」という前提を置きました。 これはぼく自身がGo Conferenceでプロポーザルを採択するときも考慮する点ですし、他のメンバーも程度の差はあれど考慮していることだと思います。 どの年度のGo Conferenceか忘れてしまいましたが、英語登壇の採択が0になったときがありました。 厳正に審査した結果ではありましたが、少し残念に感じたことを覚えています。 それ以降のGo Conferenceでは世界各国から「登壇したいんだけど?」とプロポーザルを提出していただく機会が増えたので、運営メンバーの誰かが海外に宣伝をしてくれたのかもしれません。

閑話休題、ともあれオーガナイザーとしてコミュニティに多様性をもたらしたいと考えるだろうと仮説を立てました。 これはより運営するカンファレンスが大きく成長することやさまざまな登壇者や聴講の機会を提供することができるからです。 (そういう意味ではGopherDay TaiwanではTinyGoの登壇がなかったのでそっち方面で攻めても面白かったかもしれません。)

日本と台湾という近くて遠い国の差異

これは応募時点では考えていなかったことですが台湾の国民の数は2300万人だそうです。 だいたい北関東一帯の人口と同じくらいだそうなのですが、これが真実であるならば当然台湾のソフトウェアエンジニアの数は日本に比べて市場がぐっと減ることになります。 そのため、より多くのチャンスや働く機会を求めて台湾国外という選択を検討するのは自然な流れなのかもしれないと考えました。

そうなったときに中国やベトナム、韓国、日本のような近隣国で探す人も決して少なくないでしょう。 なにかあればすぐに帰れる距離、言葉がある程度通じる、ローカルの生活コミュニティがある……などなど近隣国は条件が揃いやすい傾向があります。 最悪、駄目だったら戻って来るという選択肢が取りやすいということもあります。 また食生活や文化などが近いことも大きな理由になるでしょう。

当初こういった背景を知らなかったため、台湾のエンジニアが日本という市場をどのようにみているかあまりイメージできていませんでした。 そのため、登壇後のQ&Aの際に「どうすれば日本で働けますか?」という質問が来て少し意外に思いました。 あくまで選択肢の1つということなのかもしれませんが、日本という国が彼らにとって移住するに値する国だと考えてもらえているのかもしれません。 日本のアニメや漫画のようなソフトウェアコンテンツの影響が大きいのかもしれませんが、好意的に感じている方がいそうだという手応えはありました。

台湾では英語で授業をする?

これはどこまでが対象なのか定かでないのですが、先程も述べたように台湾の人口やソフトウェアエンジニアの数は日本に比べてとても少ないです。 そのため、大学などで学ぶ際に、英語で書かれたコンピューターサイエンスの本を翻訳するよりも英語のまま使うことが多いと教えてもらいました。 そのため、教科書は英語、教授の説明は中国語(台湾語?)だそうです。

「スライドが英語で意図が伝わったんだろうか?」と不安に思っていたのですが、上記の説明をされ、「英語の方が読みやすくて助かった」と言われたことはとても衝撃的でした。 弊社はエンジニア組織の英語化を進めているので、そういった意味でも台湾のエンジニアとは相性がいいのかもしれないな……とぼんやり考えていました。

エンジニアはキャリアの話を避ける傾向がある

これは私見ですが、エンジニアの方がキャリア論を発信するのは日本国内ではかなり敬遠されているように感じています。 少なくともWebメディアなどのインタビュー記事などの依頼がなければ、自ら発信しているケースは少ないように感じています。

推測ですが「自分が歩んだエンジニア人生を語っても自分と同じにはならない」と感じているからあまり語りたがらないのかなと思っています。 いわゆる、再現性が乏しいので「同じことをすれば同じになれるよ!」とはっきりと言い切れないあたりが引っかかるのではないでしょうか。 それ以外にもどうにもキャリア論というのは上から目線で語るような形になってしまうことがあるため、それを忌避しているのかもしれません。 インタビューなら応じるというのはこの上から目線を質問者がうまく躱してくれるからかもしれないですね。

この傾向は日本も台湾も同じではないかと考えました、文化が近い傾向があったため、そういった似た傾向があるのではないかと考え、恐らく誰も提出しないであろうキャリアの話を選択しました。

実際登壇してみてどうだったか?

いい面と改善すべき面がどちらもありました。 良かった面でいうと、Q&Aで質問が出てくれたこと、そしてその返答が自分なりにできたことです。

登壇者がQ&Aの時間で一番怖いのは「質問が出ないこと」です。 それはつまり、興味や疑問を持つポイントを作れなかったということです。 そういった意味ではいくつか質問が出てくれてホッとしていますし、口頭でも質問が出てくれて嬉しかったです。

改善すべき点としては質問に対してうまく回答できなかったことです。 私はあまり英語が得意ではないです。はっきりいうなら苦手です。 そのため、相手が期待したような回答を返せなかったことはやはり改善したい、せっかくの質問してくれた機会を満足いくものにできなかったという意味で登壇者として改善すべきだと感じました。

意外だったこととしては、緊張せずに登壇ができたということです。 マネーフォワードでは毎月エンジニアが参加する社内イベントがあるのですが、そこで英語でアナウンスなどをしているからかもしれません。 他にも隔週開催でGo WednesdayというGoの標準ライブラリのサマリーを調べて英語で発表する社内勉強会を企画、実施してるのですがそこでの経験もよい影響を生んでいるのかもしれません。

海外カンファレンスに登壇したらやりたかったことの1つが会場を含んだセルフィー写真

どちらのイベントでもトークスクリプトを用意して読み上げるだけですが、そうはいっても想定外の事態は発生します。 登壇者がビデオMTGに入れない、カメラやマイクがオフのまま、インターネット回線が弱く登壇直前に落ちてしまった……などなど。

そういったトラブルに何度か遭遇した結果、緊張しにくいメンタルを身につけられたのかもしれません。 発音とか文法とか以前にとりあえずなんとか伝えないと!というパッションが大事なのかもしれません。 (そうはいっても最低限の文法や単語、会話力は必要だと思いますが)

もう1つ大きな反省点として、「視線を会場の聴講者に向けることができなかったこと」があります。 今回トークスクリプトを用意し、読み上げる形で登壇しましたが、視線を上に上げることが難しかったです。。 時間的な制約、英語の発音、考えていることを言葉にする力、さまざまなものが足りていないためにトークスクリプトを読み上げることに必死になってしまい、あまり聴講者の方の反応やセッションに巻き込むアクションが行えませんでした。 これではラジオや校内放送となんら変わりません。

参加者を巻き込んでトークに没入させる、これができて本当の意味で登壇が成功したといえるのでそういった意味でもやはり準備不足な面が目立ちました。

GopherDay Taiwan 2024の雰囲気など

海外カンファレンスに参加するのが初めてだったので、いくつか印象的だったことをメモとして残して置こうと思います。

  • 用意された紅茶が甘い!
    • 台湾ではお茶は甘いもの、ということで最初すごくびっくりしました。
    • シロップの味がする紅茶はなかなかインパクトがあります。逆に台湾の人は日本のお茶が甘くなくてビックリしたそうです。ヤックデカルチャー
  • カンファレンス中の聴講者の雰囲気は日本と同じ
    • みんな真面目に聞いているし、iPadやPCなどでメモを取っている人が多かったです。
    • 寝ている人もいなかったし、真面目な国民性なのかな?と思いました。
    • ランチタイム後のキャリアの話(それも台湾国外の登壇者の発表)なんて聞きに来る人も少ないだろうな〜と思ったら「そろそろ午後のセッションを開始するよ!」というアナウンスが入ったらすぐにみんな自席に戻ってビックリしました。
  • 台湾人はシャイらしい
    • でも日本人よりも質問してる。日本人はハイパーシャイなのかも。……というか多分シャイを通り越して引きこもり気質なんだと思う。
    • Speakerは最前列に席が用意され、そこで聴講するスタイルだったのですが、面白い発表をした人は席に戻ってきた際にさまざまな人に囲まれてAsk the Speaker状態になっていました。
    • でも、聴講中に笑ったり、声を出したりするのは恥ずかしがってた印象があるので、シャイではあるのかもしれません。
  • 台湾はハードウェアメーカーが多い影響かSREが多い(というか専門領域の幅が広い)
    • どうやら大学卒業の条件が論文を書くことではなく、アプリを作る…みたいなことがあるらしくインフラからフロントエンドまで全部やることが多いため、マルチロールになりやすいそうです。
    • COVID19のときの台湾政府の対応が早かったのはそれが原因の1つではないか?という話を台湾人エンジニアに教えてもらいました。
      • 台湾ではスクラップ&ビルドでドンドン新しいものを作る人が多いらしい
  • 台湾では女性エンジニアが多い?
    • TSMC(熊本にCPU工場を作ってるあの会社)のSREの方が登壇したり、メルペイのてんりん@tenlingpさんが登壇したりと登壇者の女性比率が高かった印象があります。
    • たまたまなのか意識してなのかはわからないのですが、ここは日本のカンファレンスも見習っていきたいなと思いました。
  • お菓子やご飯が開場と同時にセットされている
    • これは台湾の文化(中国?)らしいのですが、「お腹すいた?」が日本の挨拶に当たるようです。そういえば中国嫁日記で似たような話をみたことを思い出しました。
      • 我々も朝イチで開場と同時に入場したのですがオーガナイザーの方から「ご飯を食べたか?」と確認をされました。
      • その時点では挨拶だと思わず「資料の最終調整がしたいからまだ食べてない、終わってから食べる」と返してしまいました。これは台湾ではとてもよくないことらしく台湾の方はお腹が空いている状態の人がいるととてもやきもきするようです。
      • 懇親会でこの話を説明されて「あれってそういう意味だったのか!悪いことをしたなぁ」と話していました。
    • 休憩時間にスタッフも参加者も関係なく飲み物や軽食を手に歓談している風景はとても新鮮で面白い試みだなと感じました。

懇親会に参加してみた

After Partyを別会場で運営スタッフと登壇者のみで開催するが来るか?というメールを事前にいただいてました。 そこで現地のエンジニアと交流することも目的の1つだったのでアンケートフォームに必要事項を入力して参加しました。

日本のように誰かが音頭を取るのではなく、各自料理やお酒が出たタイミングで食べ始めるし、席を立って話し始めるしとっても自由な感じで気楽に参加できました。

そして、なによりも台湾の懇親会はとても多くの料理が出てきて圧倒されました。 台湾では食べきるのではなく、食べきれないくらい料理を出してくれたことが敬意を表す文化で食べきらなくていいよ!と言われましたがそんな量の料理じゃありませんでしたw 鍋が3つも4つも出てくるわ、食べかけの大皿が回収されたと思ったら、別の小さなお皿にまとめられたりと日本との違いを感じました。

また帰るときも親しい人にだけ「じゃあね!」という感じであっさり帰っていくので最初「あれ?なにか買いに出かけたのかな?」と思ったら「彼は帰ったよ!」と言われて「なるほど〜これ日本も真似してほしいなw」と思いました。 ぼくは下戸なので、2次会3次会にいくのは結構しんどいことがあります。 そういう意味で、ほどよく自分本位(悪い意味じゃないよ!)な感じで始まり、終わる懇親会が心地よく感じました。 これは事前に会費などでお金を回収していたか、運営費から飲食費を出していたからだろうなーとは思うけどそれでも気持ちの良い懇親会でした。

我々があまり英語が得意でない、日本語が喋れるスタッフがあまりいないということでメルペイのてんりんさんが翻訳や主な会話相手として懇親会では会話をしていました。 ただ時折、「日本だとこれはどうなの?」や「台湾で驚いたことはある?」といった質問がされたり、「明日もし時間があったら観光につきあうけどどう?」という大変親切な提案もされました。 正直、そこまで接待的なことをさせてしまうことに気が引けていたところ、てんりんさんが「日本人はそこまで気を使うと逆に困るから彼らだけで大丈夫よ!そっちのほうがいいでしょ?」と聞いてくれて助かりました。 てんりんさんの日本人の解像度が高すぎる。

そのあとは台湾のIT産業の話や大学での教育、登壇内容、台湾のおすすめのタピオカミルクティーやお土産屋さんの話など雑多な話をいろいろな方としました。 自由だけど、温かいそんな台湾での一夜でした。

本当は「懇親会のあとに夜市にいこう!」と誘われていたのですが、登壇当日の朝(というか深夜)01:30am頃に急な歯痛によって目が覚めてしまい、以降ズキズキと痛んでいたのでホテルに戻ることにしました。 tenntennさんは一度ホテルに戻ったあとで家族の方にリクエストされたお土産を買いにいっていたみたいです、元気ですごい。

登壇後の反省

今回の登壇における反省点は多いのですが、まず冒頭で書いた「経費申請の提出がギリギリ、というか間に合ってなかった」ことが大きな反省点です。 これに関しては言い訳のしようがない失態なので、本当に反省しなくてはいけないと思っています。 上司からもかなり厳し目のお言葉をいただいていますが、これは本当にその通りなので、反論の余地がないです。

2点目はRubyKaigiとこのGopherDay Taiwanの開催期間が近すぎたため、十分な準備が行えなかったことです。 どうしてもRubyKaigiではブース展示などで手が動かせない時間が長く、登壇資料を少しでも進めようと考えていましたが、最終日Day3の際にハックスペースで2時間ほど作業ができただけでした。 これは計画が破綻していたことを意味します。

1つ目の理由にも影響しますが公私のタスクが多すぎたため、全てに悪影響を出してしまいました。 優先順位付けと仕事の進め方を改めないといけないと感じました。

また今回は英語での登壇だったので、弊社の京都拠点にいる外国籍メンバーや英語が話せるメンバーに登壇内容をチェックしてもらったのですが、その依頼も急でとても迷惑をかけてしまいました。 また、迷惑をかけた割にスライドができたのが登壇前日の夜遅くだったため、実際の発声練習で聞き取りにくい発音や言い回しがないかのチェックが行えませんでした。 DQNEOさんがいっていた1ヶ月前にスライドを完成させる、あとはスクリプトを読み込み続ける、レビュアーに発音の問題を指摘してもらうという理想的な状態での発表ができませんでした。

これは参加して思ったことですが、ぼくのスライドはすぐにページを捲って忙しない印象がありました。 他の登壇者は1つのページに対する説明をじっくりおこなっており、図解を出しても「これがこうなってこう」のような一言で説明するのではなく、じっくりと背景や課題、どう変化していったのかを丁寧に説明していたように思います(説明中に出てくる2割ほどの英単語からの推測なので間違ってるかも。中国語は読めるけど発音されるとわからん)

まとめ

今回、自分自身のトライな面もありましたが、自社のエンジニアが海外登壇するときにどのようにプロポーザルを出してもらうといいのか?を考える一環として応募をしていました。 本来の想定としては半年後くらいに行われる、アジア圏かヨーロッパ圏あたりのカンファレンスに応募しようと考えていましたが、結果として練習するつもりで、提出したプロポーザルが採択されてしまいました。 次の半年後のプロポーザルが採択される保証はないため、悩みはしましたが登壇する決定をしました。この決断がいまもって良かったかどうかは悩ましいです。

結果だけみると、良かった面もあるのですが、その結果各所に迷惑をかけてしまったのでそれは深く反省したいと思います。

登壇者、エンジニアとしてはとても貴重な経験をさせてもらったことは間違いありませんし、これで今後自社のエンジニアに「XXXという海外カンファレンスがあるんだけどプロポーザルを出してみない?ぼくが過去に登壇した経緯や戦略なら多少参考にしてもらえるかもしれないので相談に乗るよ!」と言えるようになったんじゃないかと思います。 サンプル数1の意見なので、決して大きな力ではないかもしれないですが、0でないという点が大きいかなと思っています。

以上、これにてぼくのGopherDay Taiwan 2024を終えたいと思います。 初海外カンファレンス参加と初海外カンファレンス登壇のダブル初を達成したので、しばらく登壇はいいかなーという気持ちでいます。

さすがに今回はさまざまな迷惑をかけたし、ぼく自身もカロリーを消費して疲れました。 しばらくは英気を養う方向でいたいなと思います。

もちろんGo Conference 2025や会社で企画するイベントなどは別ですよ!

この記事は歯の詰め物が取れて痛すぎるので月曜朝一の新幹線で東京→京都に帰る際に書きました。 まあまあ疲れたし、歯が痛いなどの想定外のトラブルなどで大変だったので皆さんからの投げ銭をぜひお願いします。 お金があればいいわけじゃないですが、今回はRubyKaigiと技術書典、そしてGopherDay Taiwan、Go Conference 2024が1ヶ月の間にギュギュッとつまっていて大変でした。

OKIMOCHI

誰かにねぎらってほしい。

おまけ

  • 体調不良
    • 登壇前日に急な歯痛が発生した。登壇後に徐々に悪化してるダルい。
    • RubyKaigi帰還後の鼻詰まりと喉の痛み
  • イベント終了後にテンションがだだ下がり、tenntennさんに「明らかにテンションが下がってるけど大丈夫?」と言われる
    • 実際にはテンションを上げるアクセルが壊れてるだけで、心は虚無でした。マイナスにはなってない。
    • と思ったけど日本に帰るフライトのあたりから明らかに歯が痛くなってきてマイナスになった。本当なら東京のメンバーとランチにいこうと思っていたけどキャンセルすることになった。申し訳ない。
  • 1人だったら登壇できたか?
    • 正直難しかったと思う。誰か1人は知り合いがいないと困ったときの相談もできない
    • そう考えると海外から日本国内に参加している人と何かしらで交流してコネクションを作っておくのは海外登壇を考えている人にはいいかもしれない
    • 現地に友達がいたらいいけど、大体の場合そうではないので知り合いを作るって大事だなって思った。
  • GopherDay Taiwan 2024はどうだった?
    • オーガナイザーのMarkとGTBがとても親切で本当に助かった。
    • それ以外のオーガナイザーたちもとても親切で不便なく登壇できるようにサポートしてくれてとても助かりました。
  • なぜアジア圏で登壇したのか?
    • 例のイベントで誰かがいってたけどいきなりアメリカで登壇するよりも英語ネイティブでないヨーロッパやアジアで登壇したほうがお互いにネイティブでないのでやりやすいかも
    • 今回はまさにそれを実感した。ネイティブではないけど発音がきれいな台湾の方が多く、なにをいってるのかがわかりやすかった。
    • もちろんそれでも聞き取れないことはあったけどかなり楽だった。発音の癖が似てるのかな? ‐ イベント前日の夜に食べたご飯の量が多すぎ!
    • 餃子は主食。おかずじゃない。

日本の感覚でラーメン + 餃子を頼んだらこの量になった

その他写真置き場

メルカリがスポンサーしてた。次回はマネーフォワードのロゴを掲載したい
基調講演で話し始めていい?って確認してるtenntennさん
朝9時開始のカンファレンスなのにみんな意気軒昂。質問もバンバンしてくる
LINE 台湾のGoogle Developer Expertの方と。
日本のブースは凝りすぎかもしれんと思った。素朴で可愛い。
段ボールの中にコーヒーや紅茶が入ったビニール袋がある。もちろん紅茶は甘い。
個人的に一番面白かったセッション。TSMCのプリンシパルSREの方。資料公開してくれないかな〜。
DCardという台湾のFintech企業の方の発表。初めて登壇するっていってたけど発表がうますぎて絶対嘘だ!って思った
自然とAsk the Speakerっぽいゾーンが出てきて楽しい。
朝から無限に食べ物が供給される、お菓子だけかと思いきやちゃんとしたご飯っぽいものもあった
ジョブボードっぽいやつ。みんな思い思いのことを書いたりGopherくんを書いたりして楽しんでた。
俺たちも書くぞ!っていって書いてる図
質問に来てくれた人との交流。こういうのいいよね。
メルペイ @tenlingp さんの発表
アイコンと猫が可愛い
帰るときに「あれ?これ撮ってなくね?」と話して慌てて撮ってた電光掲示
懇親会会場。この頃にはかなり歯が痛かった。美味しかったものもあったのにあまり味わって食べられなかった。
GopherDay Taiwan 2024の運営チームの皆さん、めっちゃ親切で本当に感謝の気持でいっぱい。ありがとう!
台湾では食べ物などにちょいちょい突然日本語が登場して面白い。
多分登壇前のうまく画面が映らなくて困ってた時の写真。事前チェックではうまくいったんだけどなぁ。
もうそろそろ時間だけど始めていい?って確認してる
意外と緊張しなくて自然な走り出しができた。
何言ったときかわからないけど、この顔めっちゃムカつく表情しててお気に入り。