しがないラジオ Advent Calendar 2017 12日目 - 都落ちエンジニアの地方転職活動記 -

しがないラジオ Advent Calendar 2017

どうも、しがないラジオ Advent Calendar 12日目を担当する@lucca0showこと、るっか和尚です。 11日目は id:radiocatz さんです。

radiocat.hatenablog.com

はい、パーソナリティのお二人でもないのに6日目に続きまして2度目の登場でございます、いえーい!!!

実はぼく、去年2016年10月まで東京にいたのですが諸事情あって今は京都でサーバーサイドエンジニアをやっているので「都落ちした地方エンジニアから見た地方転職事情」を報告しようかなと思います。 転職活動そのものや転職してからみえてきた地方エンジニアのあれこれを思い出しながら書いてるので多分支離滅裂なのでそこは勘弁してくれ(人∀・)タノム

ところで東京から京都に出戻りしたときも都落ちなんでしょうか? 都から都に落ちていてこれはまさか無限地獄(゚A゚;)ゴクリみたいな気持ちになったりならなかったりします。

注意: 当たり前ですがこの情報は「ぼく」というPHPerエンジニアなフィルターを通しているため非常にバイアスがかかっています。

「そんなことねえよ!」とか「主語がでけえんだよ!」とかあると思うんですがその場合はコメントやはてブで補足するんじゃなくてブログで反論していただけるとより良いインターネッツな世界が拓けるのじゃないかと思うのでよろしくでしょでしょ。 ついでにその反論ブログをしがないラジオAdvent Calendarに書いてくれたりすると実にいい感じです :)

結論

東京にいま住んでいる、あるいはいま地方だけど東京に移住するのに抵抗がないなら東京の会社で転職活動するほうがエンジニアとしてはいい。

ぼく個人は東京に戻りたいとは思ってないですがしがないラジオのリスナーが求めている「エンジニアとして活躍できる場所」みたいなのはやはり東京のほうが圧倒的に多いと思うのでその点だけで考えるなら東京行くしかないとぼくは思います。 最近は地方でもリモートOKだぞ!って会社もありますが狭き門である点は留意しておいたほうがいいかも。

求人の数

京都在住なので近辺で通えるWeb系の会社…となるとだいたい京都市内か大阪のだいたい2つに絞られる。 この辺は東京でも渋谷新宿辺りにWeb系企業が集中する、みたいなのと然程変わりないかなと思います。

ただ東京と違う点で大きいのはまず分母がめちゃくちゃ少ない!!!ということ。 ぼくは専門学校が東京でそのあとほとんどの時間を東京で過ごしていたのでびっくりだったんですが関西レベルでもWeb系企業の求人は非常に少ないと実感しました。

というより東京が多すぎるだけなんだとは思いますが体感的には1/4くらい。 それも求人を出しているのはだいたいいつもみかける企業…という感じです。

逆に組込系はめっちゃある、なんでこんなに求人があるのかわからないレベルである。東京にいたときは気にならなかったけど東京もそうなんでしょうか? JavaScala、Cあたりの組み込みで使われる言語使えるひとは困らないかも、給与とか待遇とかは不明。 あとiOS/Androidはどこも引っ張りだこっぽい感じですね。

受託開発メインが多い

東京なんかだとキラキラしてるWeb系企業は多かれ少なかれ自社サービスだったりすると思うんですがこれが地方になると受託メインが9で自社サービスメインが1みたいな比率のように感じます。

実際はもう少しマシなんだろうと思いますがスタートアップで有名度がなくて知ることすら出来ないパターンなのかなと思います。 東京もそうなんですがなにせ分母が大きすぎるので上澄みだけでもいっぱいあるように見えます、すごい。

それでも受託開発メインが多いなと感じるのは組み込み系やハードウェアに強い会社が京都には多いからかなと思います。 オムロンとか京セラとか任天堂とか。 大阪もやはり自社サービスよりも受託開発が多いなーという印象です。

旧態然とした開発スタイル

いまだにFTPで編集したファイルをアップしてたりIDEあるのに使ってなかったりとか諸々ある。 人によってはモダンな環境を勝手に構築していたりするがやらないひとは秀丸エディタFFFTP使ってファイルアップロードしてたりする。 ソースコード自体はgitで管理しているというのに…謎い。 ところによってはsvnとか悪名高きVSS(ビジュアルソースシュレッダー)が現役とかある。

いいのか悪いのか判断がつかないけどもクライアントとの距離感は東京よりも近いことが多いかもしれない。 その分クライアントのやりたいことを自分たちで汲み取って形にしていく感じはより強い。 忖度が発生しがちなのが個人的にはクソいなーと感じる。

レガシー業界なクライアント

何故かはわからないがクライアントの業界がレガシーでシステムに例外対応を求められやすい…という印象が強いです。 そのため最初から使うかわからないような汎用的な実装を、短納期で納品することを求められることが多い。 東京だと「レガシーな業界をおれたちの技術で風穴あけてやるぜ!」みたいなスタートアップ企業を見かけますがあまりそういうのは期待されてない気がする、主に転職先の企業とクライアントの双方から。

また勤めている会社も「納品=ゴール」という意識が強い気がしていて「リリース=スタート」みたいなスタートアップ感は薄い気がします。

なぜそうなのか?はよくわからないけど東京ではそういう案件が受注されなくて地方に回ってきたのかな?と推測しています。 東京よりも地方の方が単価安いしそれじゃあお願い!みたいな。

受託開発が多いのもこの辺に理由があるのかもしれません。 アジャイルリーンスタートアップみたいなことに対するクライアントの理解度が東京の頃よりも低いように感じることはある。 単純に所属した会社がそういう属性に強いところとの取引が多いだけというのは否定できないのでもうちょっとデータが欲しい。 なので転職する際に受託開発は嫌だなーと思ってたらその旨を伝えておくとお互いにミスマッチが減るかもしれないですね。

向上心のない技術者

これはたまたまぼくが働いた会社がそうだったというだけだと思います。 あと地方限定の話でもないかなとは思う。

いわゆる向上心のない技術者のかたが関西ではよく見かける…という印象を受けました。 これは東京の場合生存競争が激しく、自然淘汰されていくから見かけなかっただけだと思っているのですが地方だとそこまで競争原理が働いていないのでそういう人が残りやすい土壌みたいなものが出来るのかな?と思っています。 この手の話はしがないラジオでも度々話題になっていたりするので、地方特有ではないですがより顕著な傾向があるきがしています。 恐らく地方はものすごく出来る人たちとそうでない人の格差が東京以上に激しい。

仕事としては向上心なんてなくてもそこそこ回せるので結果としてそういうのが嫌な人たちは転職して東京にいってしまうイメージ。 京都に戻ってきて「この人と話してみたかったんだ!」と思って勉強会とかイベントいったら「あ、その人なら転職したよ、今は東京」ってパターンが何度か……つら。 あとはフリーランスになってるパターンもありますね、大変そうです(こなみかん)

閉鎖的?な文化

全部が全部というわけではないけども東京ほどオープンな感じがしないことがままある。 これは京都だけなのかな? いやでも某大阪の会社もそうだったので京都限定の話しではないはず。

「求人サイトで目にしたのでとりあえず会社に遊びに行かせてよ!」ってメールしたら「無理です!」って返ってきたり OKでたから遊びに行ったら何故か面談開始されて「あれ?会社の雰囲気を知りたかっただけなのに転職前提の話しをされている???」みたいなことがあったり。

特に困るのがこの2つのパターン。

後日「ご期待にはお答えできそうにありません…」みたいなお祈りメールもらって「いやその前段階だったから遊びに行ったんだがぼくもアンマッチだと思っていた」みたいな気持ちになったり。 「1次面談はOKだから2次面談来てくれよな!」というメール。 良い会社ならいけばいいのだけどだいたいあまり自分とマッチしないなと感じてお断りするケースが多いので非常に気まずい。

東京のときは友達経由で遊びにいくことが多かったからかあまりこういう事態が少なかった気がする。

面談時の服装

現職の1次面談で私服(パーカーにジーンズ)でいったら驚かれたこと。 いまだに人事の人に「スーツじゃない人はじめてだったのでこやつ出来る!って思いました、エンジニアっぽい」みたいなことをことあるごとにネタにされてます。 なので割りと会社の文化によってはスーツじゃないと駄目!とか履歴書は手書きで!みたいなクソな古き良き文化の香りが漂っているかもしれないです。 ぼくはクソ食らえだと思ってますが。

Skype面談

最近はSkype面談も増えてきていると思うんですがどうも関西方面だとあまり好意的にとってもらえないことが少なくない。

「大阪に仕事終わってから行くのキツいんでSkype面談でお願い!」ってメッセージを送信したら最終的にはOKになるんだけど非常に難色を示されることが何度かあった。

会えるなら直接会うほうがいいとぼくも思うけど「こういう会社でどういう人材を求めているか説明させてください!」ってオファーを投げてきたのはぼくではないのに時間工面して移動費払うのがぼくというのはちょっとダルいなーって思う。 しかも時間がタイトだし、なんかのついでならいいけどさすがに話し聞きに行くだけにそこまでのモチベーションはないのでかなりつらい。

同じ条件でも東京のオファーだと距離的なものもあるんだろうけどだいたい快くOKだしてくれる、非常に楽だし助かる。

フリーランスの知り合いが増える

たまたまなのかわからないけど京都に来てからフリーランスの人と関わることが増えました。

これは「ワタシチョット○○デキル」人が会社やめた結果フリーランスになる確率が東京よりも高いのか?と思ってたりします。

東京の場合は辞めても受け皿となる会社があるけど地方だと少なくて場合によっては求人募集してない、みたいなパターンもあったりします。 結果としてフリーランスになるのが一番合理的だと判断されてそうなってるのかな?と考えてます。 真偽は不明だし、憶測としてもかなり乱暴な説。

地方の勉強会/カンファレンス事情

圧倒的に勉強会、カンファレンスが少ない。これはもうどうあがいてもなんともならない問題の1つだと思う。 少ないというか東京が異様なのであって恐らく地方の方が正しい数値なんだよ。

これはあくまで観測範囲内の話だけど東京との違いとしてもう一点あると思っててキャンセル率が東京ほど多くない、気がします。 地方の勉強会の場合割りと内輪ノリが強くてその分キャンセルしにくい空気感があるのかな?と思ってます。

数が少ないし、ドタキャンとか東京と同じ感覚でされると勉強会自体が成り立たなくなってしまうからじゃないかな?とも考えているんだけどどうなのだろうか?

気のせいでなければ地方の勉強会のほうが内容の密度が濃い、というか尖った発表が多い気がするんだけどこれは東京だとターゲット層が広範囲になりすぎてしまうからなんだろうか?

QOLがあがった

実家に居候してるからという点を抜いても東京に住んでいたときよりもQOLが上がったと言い切っていいと思う。 給与が下がっても、諸々かかる諸経費が下がってるのでトータルでは上がるみたいな感覚、で伝わるかな? これは他の地方エンジニアのひとも似たことを言っていたので多分ぼくだけが感じているというわけではないと思う。

元々生まれ育ちが京都だからというのもあるけど京都くらいの都市規模がぼくにはマッチしていたという点はあると思っている。 もちろん、すごい田舎にいった場合とかはわからない。 東京に比べれば京都は田舎だけど、他の地域に比べればそれなりに都会だしこの辺は相対的感覚なのでケースバイケースだとは思う。

通勤電車がつらくない

大事。 京都の満員電車ってこんなもんだった?みたいに拍子抜けする。 ただしその分電車の本数は東京とは比べ物にならないくらい減っているので調子こいてると終電逃して歩いて帰る羽目になった。

通勤におけるストレスが下がったのは地方ならではなのかわからないけど非常に良い点だと思ってる。 そもそも通勤手段のメインが電車ではなく車とかもある、ぼくは自転車だけど。

さいご

ネガティブフィードバックが多くなってしまったが基本的に東京という環境がエンジニアにはすごく恵まれているということだと思う。 なので相対的にネガティブになってしまっている気がする。

今のところぼく自身は東京のメリットよりもデメリットが大きいと感じているので特に東京に戻って再起をかける!みたいな気持ちがわかない。 それよりは妹氏の夫がドイツに赴任されてるので1ヶ月くらいドイツで働いてみたいなーって気持ちのほうが大きい。

東京は良くも悪くもなんでもあるんだけどその分の対価がストレスだったりするのでぼくとしてはあまり馴染めない感じで地方エンジニアも悪くないなって気持ちです。 東京の仕事を地方に住みながらやっていくみたいな働き方ができるようになれば最高。